『キーツ詩集』を読む
この夏に岩波文庫に入った『キーツ詩集』を買ってきた。
ダン・シモンズの一連のSF作品,『ハイペリオン』だの『ハイペリオンの没落』だの『エンディミオン』だの,これらは全てジョン・キーツの詩がモチーフになっており,いずれはキーツの作品を読んでみないといけないと思っていたからだ。
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小生のような素人には,詩文の奥底に隠されているだろう深い意味を知ることはできないのだが,それでも美しい情景の描写を楽しむことはできる。
「小高い丘で爪立ちをした (I stood tip-toe upon a little hill)」の一節などは実にわかりやすい。
雲は,毛を刈られ,きれいな小川から
出てきたばかりの羊のように真っ白,
空の青い野原で気持ちよさそうに眠っていた。
原文では
The clouds were pure and white as flocks new shorn,
And fresh from the clear brook; sweetly they slept
On the blue fields of heaven,
同じ詩の72~79行目も良い:
川底で姫鮠<ひめはや>の群れが小さな顔を覗かせ,
流されまいと体をくねらせているが,
それは水に冷まされた日光の贅沢な
温かさを味わうため。彼らがたえず
甘い歓びをねじ伏せ,小石の川底に
銀色の腹を憩わせるさまを見たまえ。
ちょっとでも手を入れようものなら,
その瞬間,ただの一匹も残っていないだろう。
原文では
Where swarms of minnows show their little heads,
Staying their wavy bodies 'gainst the streams,
To taste the luxury of sunny beams
Temper'd with coolness. How they ever wrestle
With their own sweet delight, and ever nestle
Their silver bellies on the pebbly sand.
If you but scantily hold out the hand,
That very instant not one will remain;
日本語訳ではわからないが,原文だと韻を踏んでいることがよくわかる。
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