東洋の知恵:処世術の本
教養のあるふりをしようとすれば,東洋の処世術の本を読むとよい。深遠で体系的な思想や思考力が身につくわけではないが,古来から変わらぬ,生き抜くための知恵が身につく。
今,読んでいて面白いのがこれ,『宋名臣言行録』である。朱熹にとっては自信作ではなかったようだが,古くから読み継がれており,明治帝もご愛読されていたという。
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気に入ったのが,宋の太祖趙匡胤の言葉:
「宰相となすは,すべからくこれ読書人たるべし」
である。
チベットでは詩文の形で知恵を授けるものがある。例えば,10年前に紹介した(参考)サキャ・パンディタによる格言集がそれである:
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東洋という領域をイスラム世界まで拡大すると,ペルシャにもサアディーによる優れた著作がある。『薔薇園』,『果樹園』の2つである。
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いずれも短い話,短い詩文で構成されており,空き時間に読むには最適である。
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