WEB漫画『神兵器アヴァターラ』が面白い
密かに連載が継続しているWEB漫画『神兵器アヴァターラ』(by ダンボール先生)が面白い。
舞台はインド神話的な世界で,人間や魔族(アスラ)たちがアヴァターラという人型の巨大兵器を操って争いを繰り広げている。
アヴァターラの操縦のためにはヨーガの修行を通した精神の修養が必要であり,限られた(選ばれた)人あるいはアスラでなくては操縦ができない。
登場人物の名前はヒンドゥー教の神々や用語に基づいている。主人公の名,シャクラはおそらく,サンスクリットで「輪」を意味し,身体の複数の中枢を表す「チャクラ」にちなんだものだろうと思われる。
主人公シャクラはアマラ国の第三王子であるとともに,アヴァターラの一つ「インドラ」の操縦者である。初めはチャラけた若者に過ぎなかったが,戦いを通じて大切な人々を失い,その結果,深い思索にふけるようになる。この漫画はインド神話世界のコミカライズにとどまらず,主人公の名が象徴するように,精神世界の旅を描いたものとなっている……なんつって。
シャクラの幼染,アハリヤーはインド神話と同様に,カウシカ・ガウタマ仙の妻となっている。
インド神話ではアハリヤーはインドラ神と情交を結ぶのだが,この漫画『神兵器アヴァターラ』では,アハリヤーは「インドラ」の操縦者であるシャクラと情交を結ぶ寸前まで行く(第2話~第3話)。
『神兵器アヴァターラ』第14話では,アスラと人間の和議のため,アスラの王マハーバリが娘シャチーをシャクラに嫁がせることにするのだが,この政略結婚,インド神話においてアスラ(阿修羅)の娘シャチーがインドラ神の妻となった話に対応している。
つまり,これらの話が示しているように,『神兵器アヴァターラ』の登場人物たちはインド神話に基づく名前を持っているだけでなく,インド神話のエピソードに基づく人間関係や行動も示している。
ということは,今後の『神兵器アヴァターラ』の展開はインド神話のさまざまなエピソードから予測できそうな感じである。
本作の絵柄についても触れておこう。
本作の絵柄,とくに登場人物の表情は岩明均のそれを思い出させる。「第13話 選択肢(前編)」のアハリヤーの表情なんかまさにそう。
「岩明均 meets ヒンドゥー神話」などと言ったら言い過ぎか?
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