村上春樹『ラオスにいったい何があるというんですか?』を読む
村上春樹の紀行文,『ラオスにいったい何があるというんですか?』を読んでいる。
タイトルが実に良い。
すでに何回もラオスに行っている小生だが,このタイトルには惹かれる。
村上春樹がラオスのルアンプラバン(ルアンパバン)に向かう途中,ヴェトナム人から投げかけられた質問だそうだが,もし,小生が同じことを他人に聞かれたら,非常に戸惑うだろう。
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村上春樹自身,ルアンプラバン(ルアンパバン)への旅を終えた後も,明確な答えを見いだせなかった。
しかし,何かを達成することが旅の理由ではないとすれば,この問い自体が無意味なのかもしれないと思う。
村上春樹が書いた別の紀行文を数年前に読んだことがある。
それは,ギリシャやトルコの辺境を巡る旅の記録,『雨天炎天』だった。
当時は何回もギリシャに旅行しており,小生が感じたギリシャの空気を,この作家がどのように感じたのかを知りたかったのだ。
今回も似たような動機で読んだ。小生が頻繁にいくのは首都ヴィエンチャン,村上春樹が訪れたのは古都ルアンパバンという違いはあるが,作家がラオスで感じたことには一定の共感を覚えた。
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