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2015.12.30

(続)ヤッホーブルーイングの罠にはまった

年末年始の移動でえらいことになっている皆さまにおかれては、お悔やみ申し上げます。

まあ、小生も似たような境遇で、移動中、東京で途中下車したような現況。

現在、赤坂にいるのだが、タイトルに書いてあるように、今日もヤッホーブルーイングの罠にはまっている。

どういうことかというと、赤坂見附駅すぐそばの東急プラザ赤坂にある「よなよなビアワークス」に行って飲み食いしてきたわけである。

決して安くはないが、「ハレの日仙人」とか「軽井沢高原ビールシーズナル アビィビール」とかあまりお目にかかれないビールをいただけるのが嬉しい。

窯焼きチキン、窯焼きバーニャカウダなどのディナーメニューもいい。森のヤッホーサラダは分量が多いのでお得である。

連日のビール。肝臓の数値が心配だ。

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ヤッホーブルーイングの罠にはまった

近所のローソンで「よなよなエール」ほか,ヤッホーブルーイングのビールが売られている。

売れ行きは大変よろしいようで,先日,小生が当該ローソンに寄ったとき,「よなよなエール」は最後の一本が置かれているだけだった。

「よなよなエール」の他は「東京ブラック」,「インドの青鬼」,「僕ビール,君ビール。」があったぐらい。慌てて一本ずつ買った。

もちろん,キリンやアサヒやサッポロやサントリーといった大手4社のビール,あとギネスやバドワイザーとったメージャーどころは並んでいたが,こちらが興味を持っているのはヤッホーブルーイングのものだけ。

なんというか,この会社の作るエールビール(「東京ブラック」は黒ビールだけど)のフルーツ系の香りに虜になってしまうわけである。ビールは苦ければいいってもんじゃない。匂いも味もいろいろなものが楽しみたい。そういう意味では他社のものだが,先日の「グーデン・カロルス クリスマス」には大いに楽しませてもらった(ちなみに「グーデン・カロルス キュヴェ・ヴァン・デ・ケイゼル・ブルー」はまだとってある)。

Dsc_0538

ということで,「東京ブラック」,「インドの青鬼」,「僕ビール,君ビール。」の3つを空けさせてもらった。

「東京ブラック」や「僕ビール,君ビール。」もよいのだが,今回,特に印象に残ったのが「インドの青鬼」。IPA,情報処理機構ではなく,インディア・ペールエールというスタイルのビールで,苦みが強烈。ホップを通常のビールの4倍使っているという。アルコール度数も7%と,普通のビールよりも高い。

先ほど「苦けりゃいいってもんじゃない」と書いたくせに苦いビールが印象的とは何事,と思われるかもしれないが,この苦みは強烈な割にはあとに残りにくい。あと,この会社の他のビールと同様,柑橘系のアロマがとても豊かに香る。

ここ数年,メジャー系のビールに飽きてきて,財布にも優しい発泡酒やハイボールに逃げていたのだが,ヤッホーブルーイングが台頭してきて以来,小生のビール回帰が始まっている。ここの製品には財布が緩みっぱなしである。


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↑ビール界の革命児となっている様子

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2015.12.28

いま,蘇我氏がアツい

この年末になって,急に新書界にブームを巻き起こしているのが,「蘇我氏」である。

現在読書中の本がこれ,吉村武彦『蘇我氏の古代』である。

蘇我氏の古代 (岩波新書)蘇我氏の古代 (岩波新書)
吉村 武彦

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この本の特色は,なかなか本題,つまり蘇我氏の話に入らないことである。

第1章「氏の誕生」では「氏」の成立にいたる背景が丁寧に語られている。とくに古代の職能集団の組織化の歴史,つまり,五世紀の「人制」,六世紀の「部民制」,八世紀の「品部・雑戸制」というような制度の変遷については今回初めて知ったところである。

第2章「蘇我氏の登場」に入って,ようやく蘇我氏の話が出てくると思いきや,蘇我氏より前に勢力のあった葛城氏に関する話が始まる。ここで蘇我氏と葛城氏の関係が明らかになり,ついに蘇我氏の話に入るわけである。


◆   ◆   ◆


蘇我氏については,ロマンあふれる渡来人説というのが昔からあった。

昔よく読んでいた豊田有恒の古代史SFでは必ずと言っていいほど「蘇我氏=百済の朴氏」という説を採っていた(百済の高官・木満致<もくまち>と蘇我満智<まち>を同一人物とする説)。

本書でもこの説に一節を割いて検討しているが,

諸事情を考え合わせると,蘇我氏が,韓の地や高句麗から来た移住民ということは考えにくい。(61ページ)

と,渡来人説を一蹴している。


◆   ◆   ◆


当初は蘇我氏のことを知りたくて本書を読んだわけだが,他の豪族の話も面白い。とくに豪族と天皇家の縁戚関係。

本書の84ページには応神天皇以来の天皇の母とその出自に関する表(表2-3)が掲載されているのだが,これを見ると,当時の有力氏族の変遷が分かって興味深い。同表では応神天皇から欽明天皇までが記述されているのだが,小生はこれを大化の改新の立役者,天智天皇(中大兄皇子)まで拡大したものを作ってみた。

天皇母の地位母の出自
応神気長足姫仲哀皇后皇親
仁徳仲姫応神皇后
履中磐之媛仁徳皇后葛城氏
反正
允恭
安康忍坂大中姫允恭皇后皇親
雄略
清寧韓媛雄略妃葛城氏
顕宗荑媛継体妃
仁賢
武烈春日大娘仁賢皇后内親王
継体振媛彦主人王妃垂仁7世孫
安閑目子媛継体妃尾張氏
宣化
欽明手白香皇女継体皇后内親王
敏達石姫皇女欽明皇后
用明堅塩媛欽明妃蘇我氏
崇峻小姉君
推古堅塩媛
舒明糠手姫皇女押坂彦人大兄皇子妃内親王
皇極/斉明吉備姫王茅渟王妃皇親
孝徳
天智皇極天皇天皇/舒明皇后

これを見ると,蘇我氏は欽明朝で地位を確立し,王権への介入を深めていったということがわかる。

著者の吉村武彦先生の言い方では,当時の当主・蘇我稲目が,葛城氏・尾張氏といった先例を踏襲するのみならず,意識的に「身内入り」を強めていったということになるだろう。

本書と同じタイミングで上梓されているのが倉本一宏『蘇我氏―古代豪族の興亡』である。これを読むのはこれから。両方読んで古代氏に強くならねば。

蘇我氏 ― 古代豪族の興亡 (中公新書)蘇我氏 ― 古代豪族の興亡 (中公新書)
倉本 一宏

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いま,蘇我氏がアツい。

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2015.12.25

グーデン・カロルス・クリスマス

クリスマスっつーことで,ツマが小生にプレゼントしてくれたのは,かの『BAR レモンハート』でもおなじみの

「グーデン・カロルス・キュヴェ・ヴァン・ド・ケイゼル・ブルー (Gouden Carolus Cuvee Van de Keizer Blauw)」

の2014年度版と,そのクリスマスバージョン,

「グーデン・カロルス クリスマス」

である。

「グーデン・カロルス」はベルギー・ビールの名高いブランドの一つ。ヘットアンケル醸造所で作られるこげ茶色の発泡酒である。コリアンダー,オレンジピール等のスパイスが使われるため,法令上はビールではなく,発泡酒扱いである。

今日は「グーデン・カロルス クリスマス」の方をいただいた。

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アルコール度数は10.5%であり,日本の通常のビールのアルコール度数,5~5.5%に比べると高濃度。そのせいか,賞味期限は2018年8月とかなり長い。

ヘットアンケル醸造所の「グーデン・カロルス クリスマス」の紹介記事によると,2002年にこの「~クリスマス」が初めて作られたが,それ以前の35年間はクリスマス用ビールは無かったという。

酸味,苦味は極めて控えめ。洋ナシやチョコレートを思わせる味わいで,まあ,グリューワイン(参照)のビール版といったところ。この季節にふさわしい。美味。

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2015.12.23

近藤ようこ『水鏡奇譚』を読む

先月,ちくま文庫に入った,近藤ようこ『水鏡奇譚』を読んだ。

山の狼と行者に育てられた少年ワタルと記憶喪失の美少女・鏡子(かがみこ)との旅の物語。

数々の妖異に巡り会い,困難を乗り越えながら旅をつづける二人。鏡子の家にたどり着くのが目的だが,家にたどり着けば,二人は離れ離れになる。

健気な少年少女の切ない物語である。

水鏡綺譚 (ちくま文庫)水鏡綺譚 (ちくま文庫)
近藤 ようこ

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南伸坊曰く

「素晴らしい。キュートでエロティックで,懐かしい」

髙橋留美子曰く

「水鏡奇譚は,長年忘れがたい未完の物語であった。旅が終わった今,この物語は愛しい泉の如く,心にあり続ける」

小生はグダグダと感想を書くつもりはない。このお二方の言葉だけで十分この作品の魅力は伝わるはずだ。


◆   ◆   ◆


今回のちくま文庫で三回目の出版となるが,文庫版には初出など書誌情報が欠けているのが残念である。

この作品は最初,1988年4月から1991年4月にかけてASUKAという雑誌に連載された。11話に至ったところで打ち切り。角川書店から上下巻の単行本として出版された。それが最初の出版であるが,髙橋留美子が言っているように,未完の作品となっていた。

その後,第12話と最終話第13話が書き加えられた完全版が,2004年5月に青林工藝舎から出版された。それが2度目の出版。実は上に引用した髙橋留美子の言葉はその際に寄せられたものである。髙橋留美子は近藤ようこの高校(新潟県立新潟中央高等学校)の同級生である。

そして,今回,その青林工藝舎版/完全版がちくま文庫に収められた。

詳しい書誌情報は近藤ようこのファンがまとめているのでそれを見ていただきたい:

近藤ようこファンサイト

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2015.12.22

言語は変わるよどこまでも

先日からコセリウの『言語変化という問題』をだらだらと読んでいるが,ソシュール批判が小気味よい。

言葉は個々人の話す行為パロールにしか現れないし,話すとはいつでもある一つの言語ラングを話すということに他ならない。ことばランガージなるものはいやおうなしにこのパロールとラングとのどうどうめぐりの中にある。

ソシュール自身このことをかなりはっきりと見通していたが,この循環から逃れようとして決然として「ラング」をえらんだ。

(E.コセリウ著・田中 克彦訳『言語変化という問題』,49頁)

ソシュールの「共時性」のアイディアは構造主義の源泉となり,社会システムの恣意性,つまり現在の社会システムが必然性をもって進化したものではないことを示すことに成功した。

しかし,ソシュールは言語変化(敢えて進化とは言わない)の側面についてはほとんど触れなかった。言語<ラング>を話す行為<パロール>から分離し,研究作業用の概念に過ぎなかったラングをついには結晶化したシステムとして取扱い,これが言語そのものであるかのように錯覚してしまった。

構造主義もまた,現存の社会システムの構造の記述に終始し,そこから外には出なかった。それは学究的つつましさでもあるが,構造の記述のみが,対象とするシステムへのアプローチ手法ではない。

コセリウはシステムのダイナミズムを忘れてはならないと警告する。

ところで,言語ラング話す行為パロールの中で機能し,その中で具体的に姿を現す。この事実を言語のあらゆる理論の基礎として採用するならば,ことばはエルゴンではなく,エネルゲイアであるという,あのフンボルトの有名なテーゼから出発することになる。

(E.コセリウ著・田中 克彦訳『言語変化という問題』,49頁)
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2015.12.18

日曜言語学者の憂鬱

「人生には,自分の知っていることを教える時期がある。しかし次に,自分の知らないことを教える時がやって来る。それを研究と呼びたい。」

ANAの機内誌「翼の王国」(2015年12月号)でジャコモ・モヨーリというワイン評論家が,フランスのある批評家の言葉として紹介していた。

小生は一応,建築設備だの,エネルギーマネジメントだの,商品開発だの,そういった領域の研究者として世を渡っているわけだが,趣味として言語学をやっている。

「知らないことを教える」という点では,言語学の方が小生にとっての研究らしい研究と言えるかもしれない。

ここ数年の間に読んだ本としては,イェスペルセン『文法の原理』(上・中・下)が最も面白かった。

文法の原理〈上〉 (岩波文庫)文法の原理〈上〉 (岩波文庫)
イェスペルセン 安藤 貞雄

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ただ,イェスペルセンは面白いことは面白いのだが,新しいか古いかというと古い。

イェスペルセンから後,言語学はチョムスキーによって一変してしまった。

で,あるから,チョムスキーをきちんと読もうと思って『統辞構造論』を読んでいるのだが,これがまるで数学かプログラミングの本のようで,とてもすらすらとは読めない。

統辞構造論 付『言語理論の論理構造』序論 (岩波文庫)統辞構造論 付『言語理論の論理構造』序論 (岩波文庫)
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やはりこれが日曜言語学者の限界だろうなと思った。非常に憂鬱である。

『統辞構造論』の勉強は続けるとして,他になんか言語学で面白い本はないかと岩波文庫を探ってみたところ,ありました。コセリウ『言語変化という問題』。

言語変化という問題――共時態、通時態、歴史 (岩波文庫)言語変化という問題――共時態、通時態、歴史 (岩波文庫)
E.コセリウ 田中 克彦

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この本の日本語訳はもともと「クロノス」という出版社から出ていたのだが,そのタイトルは『うつりゆくこそことばなれ』だった。なぜそんなタイトルになっていたのかという事情は岩波文庫版の解説に書かれているのでここでは省略。

この本は,まず最初にソシュールをボコボコにしているので面白い。

ソシュールは言語を共時態(非歴史的・静的・構造)と通時態(歴史的)という二つの投影像によって取り扱うことを示したものの,結局,言語の共時態に拘泥し,「度を過ごして『歴史的研究』をさげす」んだ。

しかし,言語とはエルゴン(静的な完成品)ではなく,エネルゲイア(力・作用・活動)であり,変化し続けるものだ,というのがコセリウの主張である。

小生のイメージでは,ソシュールの言語観は平面上の閉じた円環で,コセリウの言語観は回転しつつ上昇する螺旋という感じである。

一頃は構造主義にはまっていたために,言語の非歴史性・構造といったものを信奉していた小生だが,この本を読んでいるうちに言語の歴史性もまた重要であり(コセリウは共時態を否定しているわけではない),変化こそが言語の本質という見方に変わってきた。

サルトルよりもレヴィ・ストロースを推していたのが,またサルトルに戻ってきた,という感じか?違う?


◆   ◆   ◆


コセリウはルーマニア人である。2002年に亡くなった。博覧強記の人であったというが,英語で論文を書いていないため,英語圏ではあまり知られていない。ウィキペディアでも日本語版英語版の記事よりもルーマニア語版の記事の方が充実している。

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2015.12.15

WEB漫画『神兵器アヴァターラ』が面白い

密かに連載が継続しているWEB漫画『神兵器アヴァターラ』(by ダンボール先生)が面白い。

舞台はインド神話的な世界で,人間や魔族(アスラ)たちがアヴァターラという人型の巨大兵器を操って争いを繰り広げている。

アヴァターラの操縦のためにはヨーガの修行を通した精神の修養が必要であり,限られた(選ばれた)人あるいはアスラでなくては操縦ができない。

登場人物の名前はヒンドゥー教の神々や用語に基づいている。主人公の名,シャクラはおそらく,サンスクリットで「輪」を意味し,身体の複数の中枢を表す「チャクラ」にちなんだものだろうと思われる。

主人公シャクラはアマラ国の第三王子であるとともに,アヴァターラの一つ「インドラ」の操縦者である。初めはチャラけた若者に過ぎなかったが,戦いを通じて大切な人々を失い,その結果,深い思索にふけるようになる。この漫画はインド神話世界のコミカライズにとどまらず,主人公の名が象徴するように,精神世界の旅を描いたものとなっている……なんつって。


◆   ◆   ◆


シャクラの幼染,アハリヤーはインド神話と同様に,カウシカ・ガウタマ仙の妻となっている。

インド神話ではアハリヤーはインドラ神と情交を結ぶのだが,この漫画『神兵器アヴァターラ』では,アハリヤーは「インドラ」の操縦者であるシャクラと情交を結ぶ寸前まで行く(第2話~第3話)。

神兵器アヴァターラ』第14話では,アスラと人間の和議のため,アスラの王マハーバリが娘シャチーをシャクラに嫁がせることにするのだが,この政略結婚,インド神話においてアスラ(阿修羅)の娘シャチーがインドラ神の妻となった話に対応している。

つまり,これらの話が示しているように,『神兵器アヴァターラ』の登場人物たちはインド神話に基づく名前を持っているだけでなく,インド神話のエピソードに基づく人間関係や行動も示している。

ということは,今後の『神兵器アヴァターラ』の展開はインド神話のさまざまなエピソードから予測できそうな感じである。


◆   ◆   ◆


本作の絵柄についても触れておこう。

本作の絵柄,とくに登場人物の表情は岩明均のそれを思い出させる。「第13話 選択肢(前編)」のアハリヤーの表情なんかまさにそう。

「岩明均 meets ヒンドゥー神話」などと言ったら言い過ぎか?

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2015.12.14

カンボジアの地酒で死者続出

来年になったらまたカンボジアに行くことになると思うのだが,ちょっと気になるニュースが。

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カンボジアのクラチェ州で地酒を飲んで倒れ,死亡する者が続出しているという。死者19人,入院172人という。

地酒飲み19人死亡=カンボジア」(時事通信,12月23日)

クラチェ州というのは下の地図で黄色く塗った"10"と書かれている州である。

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人口約34万人(2013年中間年人口調査推定値),人口密度30人/平方キロメートル程度の田舎である。

この事件,地酒にメチルアルコールが含まれていたことが原因らしいが,多分悪い業者が安く酒を作って売って,こんなことになったのだろうと思う。メチルで死ぬなんて戦後直後の日本のようである。

カンボジアでは起こりそうな話だ,と言うと怒られるかもしれないが,やはりそう思う。

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指導した方が本を出しました

以前,小生が指導して博士号を取った方が本を出したのでちょっと紹介。

全国で増えている「廃校」を商業・生産・福祉の拠点として利用,つまりビジネス活用し,地域を活性化させるという手法を検討した専門書である。

廃校の民間活用と地域活性化廃校の民間活用と地域活性化
波出石 誠

日本評論社 2015-12-14
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廃校の利用は全国で約7割に過ぎず,その用途もほとんどは地域の体育館や公民館としての利用がほとんどである。ビジネス用途での活用は非常に少ない。

本書では廃校をビジネスのツールとして再活用し,地域の社会経済を活性化させようという新たな試みを提示している。詳細な事業シミュレーションの事例も示している。

一般受けする本ではないが,現在問題になっている地方活性化という問題に取り組む人々にとっては一つのヒントになろうかと思う。

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2015.12.13

ハインリッヒの法則

労働災害の分野には「ハインリッヒの法則」というものがある。

1つの重大事故の背後には29の軽微な事故が,さらにその背後には300の異常(通称「ヒヤリ・ハット」)が存在する,という経験則である。

この法則をもとによく言われるのが,「ヒヤリ・ハットを潰していけば重大事故を防ぐことができる」,「ヒヤリ・ハットが繰り返されると,いずれ重大事故が発生する」ということである。

小生が会社員だったころ,毎週,安全昼礼というものがあり,社内で発生したヒヤリ・ハット事例とその対策の紹介が行われていたものである。

さて,先日,新幹線「こだま」で広島から新山口まで移動した。広島を出たとたんに眠くなり,居眠りを始めたところ,頭上から「バーン」という音が。

何事かと思って目を覚ますと,天井の照明カバーが外れてぶら下がっていた:

Shinkansen

対した実害はなかったが,すこしヒヤリ・ハットしたわけである。

間もなく車掌が来て照明カバーを取り付けなおしたので,この件はこれで終わりとなった。

だが,こういうことが何回も続いたら,おそらく無事故を誇ってきた新幹線も重大事故を起こすのではないかと思った次第である。

まあ,杞憂というやつでしょうけどね。

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2015.12.10

WIRED,まだ読み終わっていないのに新しい号が出た

"WIRED"誌のことだが,前号(Vol. 19, 特集「ことばの未来」)を読み終わっていないというのに,新たな号が出てしまった。

うちのツマが買ってきてくれた。

今回の特集は2つ,「What A.I. wants 人工知能はどんな未来を夢見るか」と「Wired City 未来都市TOKYOのゆくえ」だ。

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特集2つでボリュームも2倍以上,そして値段も税込1,200円と普段の2倍以上。

いつもより分厚いWIREDだが,果たしてVol. 19とともに今年中に読み切れるか?

WIRED VOL.19 (GQ JAPAN 2015年12月号増刊) /特集 ことばの未来WIRED VOL.19 (GQ JAPAN 2015年12月号増刊) /特集 ことばの未来

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とりあえず,読んだのが,読切SF漫画「シンギュラリティ・ロック」(by うえむら)と「The Mystery of Go 囲碁という謎 コンビューター最大の敵に挑んだAIの物語」(by Alan Levinovitz)だ。

前者は吾妻ひでお(あじま先生)を髣髴とさせる絵柄で,AIが人間の能力を超え始めた時代(「シンギュラリティ」への到達)を描いている。とくに明確な結論は無いのがかえって良い。

後者は「二人零和有限確定完全情報ゲーム」(チェス,将棋,チェッカー,オセロ等々)中,最大にして最後の難問と言われる囲碁に挑んだAI "Crazy Stone"の挑戦記である。コンピュータ囲碁選手権の会場は電気通信大学で,同大学の良い宣伝になっている。大学の広報戦術を考えると,こういうWIRED取り上げられるような行事をやらないといかんのだな,と思う。

コンピュータ囲碁といえば,昔,バーリカンプ『囲碁の算法』というのを読んだのだが,現在のAIはそれとは違った方向に進化してきたらしい。

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2015.12.07

村上春樹『ラオスにいったい何があるというんですか?』を読む

村上春樹の紀行文,『ラオスにいったい何があるというんですか?』を読んでいる。

タイトルが実に良い。

すでに何回もラオスに行っている小生だが,このタイトルには惹かれる。

村上春樹がラオスのルアンプラバン(ルアンパバン)に向かう途中,ヴェトナム人から投げかけられた質問だそうだが,もし,小生が同じことを他人に聞かれたら,非常に戸惑うだろう。

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村上春樹自身,ルアンプラバン(ルアンパバン)への旅を終えた後も,明確な答えを見いだせなかった。

しかし,何かを達成することが旅の理由ではないとすれば,この問い自体が無意味なのかもしれないと思う。



村上春樹が書いた別の紀行文を数年前に読んだことがある。

それは,ギリシャやトルコの辺境を巡る旅の記録,『雨天炎天』だった。

当時は何回もギリシャに旅行しており,小生が感じたギリシャの空気を,この作家がどのように感じたのかを知りたかったのだ。

今回も似たような動機で読んだ。小生が頻繁にいくのは首都ヴィエンチャン,村上春樹が訪れたのは古都ルアンパバンという違いはあるが,作家がラオスで感じたことには一定の共感を覚えた。

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2015.12.04

言語研究:『WIRED Vol.19 ことばの未来』と『統辞構造論』

最近の言語処理の発達はすさまじく,統計的自然言語処理と機械学習を駆使して自動翻訳を可能にしている。Googleによる検索や翻訳なんかその成果の一つである。

先月出たWIRED誌の特集は「ことばの未来」だったが,こうした「統計モデル」による言語処理技術についてわかりやすく解説している。

「統計モデル」では,"This is a pen."という英文を,「代名詞 "this"」,「be動詞 "is"」,「不定冠詞 "a"」,「名詞 "pen"」というように分類してから解釈しようなどという丁寧な言語処理は行わない。

単純に言えば,"This is a pen."という言葉の羅列,これに対応する可能性が最も高い「これはペンです。」という文章を導出するモデル,それが「統計モデル」である。

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Google翻訳にせよ,Siriにせよ,統計モデルを利用した翻訳や検索などは,現実に優れた成果を挙げている。

ただし,それは文章を単純に文字の組み合わせとみなし,その文字の組み合わせに対して,最も関連が深い(関連する確率が高い)と考えられる答えを導き出しているだけで,意味を解釈しているわけではない。


かつてノーム・チョムスキーは『統辞構造論』の中でこうした「統計モデル」を批判していたはずだった。

この本の中で,チョムスキーは人間が発話したり認識したりする能力は統計的近似に基づくものではないと述べていた。

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そう思ってWIRED誌を読んでみたら,やはり,今でもチョムスキーは「統計モデル」に対して懐疑的であるらしい。

「高度な統計分析をしようと試みる数多くの研究がある。…それらは言語の構造を一切考慮せずに,わたしに言わせれば,奇妙としかいいようのないやり方で成果をもたらす。…そこでは未分析のデータの近似値を求めることが成果と解釈される。・・・これは,かつてない新しいかたちの『成果』の概念であり,科学の歴史において,このようなものを私は知らない。」(WIRED Vol.19, p.50)

「統計モデル」は文章を理解せずに,ほぼ正しい回答を導く。

「わからないけどできる」,「理解できなくても,目的を達成できる」,そういうことでよいのだろうか,という疑問を持つ知識人は多いようだ。

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2015.12.03

フランシス教皇,フィラデルフィアで奇跡を起こす

フィラデルフィアでフランシス教皇(法王)が幼児に祝福のキスを与えたところ,この子の脳腫瘍が縮小するという奇跡が起きたという:

"Baby Kissed by Pope Sees Brain Tumor Shrink, Family Says" (by Daniel A. Medina, NBC News)

今年9月に教皇がフィラデルフィアを訪問した時のこと。

屋外ミサ後のパレード。沿道を埋め尽くす歓声に応えながら教皇の専用車はゆっくりと進んでいた。あるとき,教皇の護衛が一人の幼児をを教皇の前に差し出した。

教皇はこの幼児に祝福のキスを与えた。

幼児の名前はジアンナ・マサイアントニオ (Gianna Masciantonio)という。生後15か月だが,脳に腫瘍を患い(若年性黄色肉芽腫らしい),8回の外科治療と数えきれないぐらいの化学療法を受けていた。

それが,教皇の祝福後,MRIで調べたところ,腫瘍が著しく縮小していることがわかったという――。


◆   ◆   ◆


プラシーボ効果かもしれないし,自然治癒かもしれないし,神の御業かもしれない。科学的には謎だが,理由がわからないからこそ奇跡というべきか。

ちなみにフランシス教皇が奇跡をもたらしている事例は他にもあるらしい。いずれ列聖されると思われる。

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2015.12.02

ジョホールバルからシンガポールへの移動時に地獄を見た件

シンガポールとジョホールバル(マレーシア)はジョホール海峡で隔てられている。両都市を結ぶのはコーズウェイ(causeway)と呼ばれる長堤である。

陸路でシンガポール~ジョホールバル間を移動しようとすれば,このコーズウェイを通らなくてはならない。

Causeway

コーズウェイの両端には出入国管理センターがある。シンガポール側のそれはウッドランズCIQ (Woodlands CIQ),ジョホールバル側のそれはJB CIQと呼ばれる。シンガポールからジョホールバルに移動する場合には,ウッドランズCIQで出国審査を受け,コーズウェイをバス等で移動してJB CIQで入国審査を受けなくてはならない。

先日,シンガポールからジョホールバルに移動する際は,Transtar社の越境バスを利用したので,非常にすんなりと移動が済んだ。

しかし,去る日曜日の昼過ぎ,帰国の途に就くため,逆の道のり,つまりジョホールバルからシンガポールに移動しようとしたところ,地獄を見た。


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午後4時過ぎにJBセントラルに到着し,JB CIQに向かった。同じ方向に進む人々が大勢いたので,なんか嫌な予感がしたが,大当たり。出国審査場にものすごい列が出来上がっていた。やはり土曜日にジョホールバルに来て日曜日にシンガポールに帰ろうとする人々が多いのだろうか?

17:15 JB CIQ発のTranstar社越境バスに乗ろうかと思っていたが,出国審査を終えたのは17:30で,すでにアウト。次の19:15発のバスに乗ろうかと思いながら,JB CIQの1階のバス乗り場に向かったところ,すでに絶望的な状況になっていた。ものすごい群衆がバス乗り場を埋めている。人の列があちこちにできているが,どの列がどのバス乗り場につながっているのか,全くわからない。列の人々に聞いてみたけれど,並んでいる人びとですらよくわかっていない様子。

時々列が崩れるので何事かと思って観察すると,走り出したバスに乗り込もうと,列を離れてバスの出入り口に向かって殺到する人の群れ。戦火を逃れた難民とかってこんな感じになるのだろうかと呑気なことを考えつつも,のんびりしていたらまずいと気が付く。ここで時間を浪費して,チャンギ国際空港にたどり着けず,帰国便に乗り遅れたら大損である。

列が少しずつ前に進むので,絶望するにはまだ早い。だが,空調があるわけでもなく,バスの排気と人ごみとで大変な熱気となった中,焦燥感も加わって汗だくとなりながらも耐え忍ぶ。「勇気のうた」(作詞:やなせたかし)を脳内BGMとしながら30分が経過した頃,一筋の光明が差しこんだ。小生の前に並んでいた一団がどこかに駈け出して行って,小生の前ががら空きに。そして,すぐ近くにはドアを開けたままの青色のバスが。

だれもそのバスに近寄らないので,おそるおそる,そのブルーバスに近寄り,ドアから中を除くと,真っ黒なインド系運転手の顔がこちらを見ている。目と目があったとたん,運転手は頷いた。意味が分からないがとりあえず,荷物を持って中に入り込み,最後部から一列前の椅子に座りこむ。

ブルーバスはしばらくして動き出した。開けっ放しのドアから大量の旅客が流れ込んでくる。なんでこのタイミングで乗り込んでくるのか?よくわからない群集心理に戸惑いながらもバスはJB CIQを発った。

このあとブルーバスはゆっくりとコーズウェイを移動,6時過ぎにウッドランズCIQに到着した。次はシンガポールへの入国である。

シンガポールでの入国審査はさほど時間がかからなかったが,ウッドランズCIQの外にあるタクシー乗り場までの通路は長く,そこに到着したのは6時半を過ぎた頃。タクシーを待つ長い列ができている一方で,なかなかタクシーが来ない。ここまで来てまた時間を浪費するのはまずい,と思っていたところ,白タクの運ちゃんに声をかけられた。40シンガポールドルで空港まで行くという。高いなーと思いつつ,タイムイズマネー(by 大村智)とも思い直し,白タクに乗ることにする。猛スピードでチャンギ国際空港ターミナル1まで走ってもらい,到着したのは7時過ぎだった。


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ということで,「行きはよいよい,帰りは恐い。」

チャンギ→JB CIQはTranstar社のバスが便利で安いと思うが,JB CIQ→チャンギは(日曜日だったせいかもしれないが)この手は使えない。JB CIQ→チャンギはリムジン・タクシーでも雇って移動した方が良いかも。

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2015.12.01

ジョホールバル「陳旭年文化街」

ジョホールバルの名所探しの続きである。

JBセントラルから西に歩いて行くと「陳旭年文化街」という通りにたどり着く。

Chinkyokunenstreet

ちょっとした中国人街の雰囲気のある通りである。

陳旭年って何?と疑問が生じるが,これは人名。19世紀にジョホールで港主を務めた人物である。

陳旭年は"Tan Hiok Nee"と発音する。中国の潮州出身なので,潮州語の発音なのだろう。

1827年,清国潮州彩塘鎮に生まれた。衣服の行商人から徐々に商売を拡大。ジョホールのスルタン,アブ・バカルとの友誼を深め,アブ・バカルの妹を妻に迎えた。

1864年にはアブ・バカルの許可を得て,10か所の港主となった。港主というのは,ジョホール貴族の依頼により,港周りの土地を開墾し,管理する華人のことである。陳旭年"Tan Hiok Nee"は開墾した土地で胡椒やガンビール(阿仙薬)を栽培し,利益を得た。

1866年にはマレー半島最大の港主となり,1870年にはスルタン・アブ・バカルから「華僑僑長」の称号を得た。要するにジョホールにおける華人の代表者となったわけである。

「陳旭年文化街」はかつて陳旭年が市場を開いていた場所の跡らしい。それもあって,華人系の商店が軒を連ねている。こんなど派手な建物もある:

Redhounse

「紅楼閣 (Red house)」というが,「小厨」と書いてあるので,レストランなのだろう。

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