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2015.11.29

ジョホールバルの観光地を探す

ジョホールバル,略してJBは観光スポットが少ない町である。

レゴランドがあるらしいが,出張のついでに行くのはどうかと。

中心市街地のJBセントラルまで出れば何かあるのではないかと思ってうろうろしてみた。

そうしたら一応,それらしきものが見つかったのでご紹介。

JBセントラルからちょっとだけ離れた,Jalan Trusという道筋をうろちょろするとヒンズー教寺院が現れる。

"Arulmigu Rajamariamman Devasthanam"というらしい。

Hindutemple

まわりはインド系住民の店だらけ。

Hindudressshop

そしてJalan Trusをさらに北上すると,巨大なビル群に囲まれた場所にひっそりと中華系のお寺が出現する。

"Old Chinese Temple",中国語では「柔佛古廟」である。「柔佛」とはジョホールのこと。

Chinesetemple

Chinesetemple2

柔佛古廟にはも観音大士や風雨聖者といった神仏も祀られている。風雨聖者というのはよく知らないが,中国古来の風伯や雨師が合体した神様だろうか。横に「廣種福田」と書かれた箱が置いてあることから推測すると,多分,風雨をつかさどり,農作物の出来に影響を及ぼすのだろう。

Fuuuseija


先ほどのヒンズー教寺院から西に進むと,今度はジョホールバル市政庁が現れる:

Statesecretariatbuildingjb

太平洋戦争の初期に行われたマレー作戦では,山下奉文第25軍司令官はここに司令部を置いたとか。

午前中にこうした場所を巡ってみたのだが,天気が良すぎて汗だくに。熱帯での観光は楽じゃない。

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2015.11.28

田中慎弥『宰相A』を読んだ

何なんだこの小説は。

小説のネタが尽きてきた小説家が,母の墓参りに行けば何かつかめるのではないかと思い,列車で故郷のO町に向かう。O町に到着して目が覚めたところ,そこは全く別の日本だった――。

井上ひさし『吉里吉里人』で主人公の作家・古橋健二が「吉里吉里国」に入国するときもこんな感じではなかったか? なんとなく既視感がある。

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主人公の名前がTだとわかるのは,O町に到着して軍に連行され,尋問が行われた時である。そこから徐々に,この「別の日本」の状況がわかってくる。

Tが入り込んでしまった日本は1945年に敗戦を迎えたのち,アングロサクソン系の人間が入植して日本人を名乗っている。公用語は英語。民主主義が支配する完全なる国家主義的国家を標榜している。国民は緑色の制服を着ている。対外的には戦争主義的世界的平和主義を掲げ,同盟国アメリカとともに世界中で戦争を繰り広げている。

もともと住んでいた日本人は旧日本人と呼ばれ,特別な居住区に住まわされている。旧日本人の中でもアングロサクソン系日本人の主義主張を受け入れれば,日本国民として遇される。Tの尋問を担当した女性軍人も,日本国首相のAも,旧日本人から日本国民となった者たちである。

主人公Tは旧日本人の居住区に受け入れられ,伝説の英雄Jの再来として遇される。ここからドタバタの悲喜劇が始まる。


◆   ◆   ◆


と,まあ,あらすじはここまでにして,改めて思うのが,何なんだこの小説は,ということである。

純文学というのは既存の枠組みに収まらない,つまり分類できないことを以て純文学というのかもしれない。

だが,それにしては,井上ひさしや筒井康隆を思い出させるようなストーリー展開である。パラレルワールド・ドタバタ喜劇というレッテルを張ってしまいそうだ。

橋の上の車の中での,Tと女性軍人との会話なんか,昔の筒井康隆作品のようだ。

この小説,巷間に言われるように安倍首相や現在の日本を風刺した小説だとすれば,ちょっと陳腐かなと思う。田中慎弥先生ともあろう方がそんな意図で書くはずがない,と思っていたらあっさり認めていたのでびっくりした(参照)。

文中,Tが執拗に「紙と鉛筆」を求める。これは作家としての命みたいなものだからいいとしよう。抑圧された中で執筆をしたいという願望,なんか故見沢知廉の『調律の帝国』思い出した。

Tは脳内の紙に脳内の鉛筆で文章を書き留める。『調律の帝国』の主人公(囚人)は紙縒りで文章を書き留める。

最後は両方とも発狂するし(Tは洗脳されるのだが),ここでもなんとなく既視感。

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文中では他にも「制服」に関する考察が繰り返される。制服=国家の一員としての象徴。しかし,その考察に三島由紀夫や「ゴッドファーザー」のマイケル・コルレオーネやカフカの『城』のバルナバスを繰り返し登場させる必要はあるかなぁ?


◆   ◆   ◆


田中慎弥先生が書いただけに何か仕掛けが,と思って深読みするのだが,そんなことせずに,現状を極端に戯画化して描いた風刺小説として読んだ方がよいのかもしれない。

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インド系食堂はなんでもカレー味

まだジョホールバルにおります。

「腹もペコちゃんだし…」というわけで,孤独のグルメよろしく,ホテルの近所の食堂でご飯を食べてきた。

何の略か知らないが,"ABMH Restoran"という。

Abmhrestoran

調子に乗ってナシゴレン(焼き飯)とmaggi sup(ラーメン)を頼んでみたが,インド系の店員はうなずきもせず厨房に向かう。どの国でもそうだが,インド系はだいたい威張っており笑いもしない。

注文通っているのか?

と思ったがちゃんと来た。どちらもカレー味でびっくり。

まず,これがナシゴレン。

Dsc_0490_2

インドネシアとかマレーシアで頼んだら出てくるのと全然違う。まあうまいんだけど。

つぎにラーメン。

Dsc_0492

"maggi"という東南アジアではおなじみの袋入りラーメンだが,スープがカレースープになっている。

耐えられないような辛さではないが,空調のない店内では汗だく。スポーツジムに行ったぐらい汗が噴き出す。野球観戦でカレーを食べた井之頭五郎なみの状態になる。

夜風に吹かれて体を乾かしながら帰路についた次第である。


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2015.11.27

ハドリー・チェイス『蘭の肉体』を読んだ

スパイ小説『ヒューマン・ファクター』を読んで以来,ハードボイルド的な物への憧憬が生じて,本棚に入ったまま眠っていたハードボイルド小説に手を出している。

その一つがハドリー・チェイスの『蘭の肉体』である。今回の出張に持ってきた。

ハドリー・チェイスなら,まず『ミス・ブランディッシの蘭』だろ,というハードボイルドファンからの批判が起こりそうである。だが,ずいぶん前に「蘭の肉体」という映画を見て以来,ハドリー・チェイスによる原作を読まなくてはならない,という気持ちをずっと抱いていた。その一方で,映画の内容を完全に忘れてしまったので,今回はまっさらな状態で『蘭の肉体』を読み始めることになった。

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今回読んだのは創元推理文庫から出ている井上一夫訳の『蘭の肉体』。手元にあるのは,1999年5月14日発行の23版。小生が会社員になりたての頃に購入したものだ。それ以来,読まずじまいで本棚に眠っていた。何度か引っ越しを重ねたにも拘わらず,捨てらなかったのは,いずれ読もうという意思があったからである。読んでいなかったにもかかわらず偉そうに書いている。

ずいぶんと活字が小さく見える。読み通せるかどうか心配だったが,結局,終わりまでハラハラしながら読むことができた。訳文に古さを感じた(「…しちまう」とか「どういう量見」とか)が,第二次世界大戦前あるいは戦後直後のアメリカが舞台なんだからこれでいいだろう(原作"The fresh of the orchid"が出版されたのは1948年)。

【あらすじ】
ジョン・ブランディッシという牛肉王とも称される大金持ちがいて,その令嬢が殺人狂スリム・グリッソンに誘拐された。この事件を描いたのが『ミス・ブランディッシの蘭』である。

令嬢は見つかったのだが,グリッソンの子供を孕んでいた。令嬢は自殺を図って重傷を負い,やがて死ぬのだが,死ぬ前に女の子を産んだ。それが,この『蘭の肉体』の主人公,キャロル・ブランディッシ (Carol Blandish)である。

見事な赤毛,白絹のような膚,類まれなる美貌を持つキャロル・ブランディッシは巨万の富の相続者であるとともに,時として父から受け継いだ殺人狂の血が騒ぎだす危険な女性でもあった。『ミス・ブランディッシの蘭』事件から20年経った今,キャロルはグランヴィウ病院に閉じ込められていた。しかし,ある嵐の夜,キャロルはこの精神病院を逃げ出した…。

キャロルの美貌と富を狙ってサリヴァン兄弟 (The Sullivan Brothers) ほか,さまざまな人間たちが争奪戦を繰り広げるのが5章までの内容。そして,キャロルによる復讐劇が展開されるのが,残りの6, 7章である。


本書には濃い人物ばかり登場する。キャロル自身もそうだし,サリヴァン兄弟もそう。髭を生やした元見世物の女性,ミス・ロリーという人物も登場してびっくりした。「ヒゲのOL」薮内笹子かと思った。この女性,本書ではかなり重要な役割を果たすのだが,ここでは書かない。

どこかで笠井潔逢坂剛が「サリヴァン兄弟が怖い」ということを書いていた。それはよくわかる。黒づくめの二人組が簡単に人を殺していくからだ。サリヴァン兄弟がロイ・ラースンをガソリンで焼き殺すシーン,フォークナーの『サンクチュアリ』の結末を思い出した(参照)。そういえば,wikipediaのチェイスの記事によれば,チェイスはフォークナーの『サンクチュアリ』に影響を受けたとか。

スパイ小説にせよ,ハードボイルドにせよ,小道具の使い方が重要だと思う。この小説では車が重要だ。「黒いパッカード・クリッパー」はサリヴァン兄弟の,「黒いクライスラーのクーペ」はキャロルの乗用車であり,また象徴でもある。人物が登場しなくてもこれらの乗用車の名前が登場するだけで,事態が飲み込める。黒いパッカードが現れたら死亡フラグが立つわけである。

ジョホールバル出張で退屈しのぎに『蘭の肉体』を持ってきたものの読み終わってしまった。あとは田中慎弥の『宰相A』しか持ってきていない。さて,どうしよう。

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2015.11.26

マレーシア工科大学で隈研吾の講演を聞いてきた

先日から,UTMことマレーシア工科大学ジョホールバルキャンパスで"SENVAR-iNTA-AVAN 2015"という建築系国際会議が開催されている。

そこで日本を代表する建築家,隈研吾先生が講演するというので,聞いてきた。もちろん英語。

Kengokuma01

子曰く,「自然の風景と人工物のスーパーインポーズ」,「建築物を透かして風景が見えるようにする」等々を意識して設計しているという話。

また,現地の原材料を利用することを心がげているとも言っていた。そういえば,隈研吾先生の建物では竹を使ったり,木を使ったり,ライスペーパーを使ったり,いろいろな面白い試みがなされている。

あと,建築は竣工までが半分で,残りは使用したり,維持したりということを意識して設計しなくてはいけないという話もしていた。黒川紀章らのメタボリズムがメタボリズムになっていないというちょっとした批判も。

「自然と人工物の調和」,「現地のものを使う」といった話は,東南アジアでヴァナキュラーな建築を目指している学生さんたちには良い刺激になったものと思われる。

講演後は学生さんたちに囲まれて,写真撮影などをしていた。

Kengokuma02

↑講演後ロビーでくつろぐ隈研吾先生

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2015.11.24

シンガポールから越境バスでジョホール・バルへ

今朝からマレーシア南端の都市,ジョホール・バルにいるわけで。

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マレーシアには何回か来ているが,いずれもクアラルンプール(KL)ばかりで,ジョホール・バル(JB)に来たのは初。

シンガポールに隣接する都市なので(香港に対する深センみたいなものか),シンガポールのチャンギ国際空港からバスで移動してみた。

チャンギ国際空港とジョホール・バルCIQ(出入国審査場)の間にはTransterTravel社のcross border busというのが運行されている。

http://www.regentstar.travel/crossborder/

10シンガポールドルで移動できるのでお得。


以下は乗り方。

チャンギ国際空港に到着後,まずシンガポールに入国。荷物を引き取る。

越境バスはどのターミナルからも乗れるが,始発から乗った方がよいだろうと考え,第2ターミナルの「コーチバス」乗り場に行く。

そうするとこんなバスが待っている:

Transtar

このバスはチャンギ国際空港の第2ターミナルを出発して,第3ターミナル,第1ターミナルと巡回して客を拾い,あとはシンガポール各所を回ってからシンガポール側の出入国審査場,ウッドランズCIQに停車。

バスを降りた後,荷物をもって出入国審査場の建物に入り,シンガポール側の出国審査を済ませる。そしてまた越境バスに乗り込む。

越境バス再乗車時に大事なことが一つある。

越境バスでは最初の乗車時に運賃を払うとレシートみたいなものをくれるので,これを大事に保管しておかないといけない。ウッドランズCIQの再乗車時にはこのレシート状のものを運転手に渡す必要がある。

きっとこれを失くすと,再乗車時に「誰?あんた」と言われ,シンガポールとマレーシアの国境地帯(といってもジョホール海峡にかかる橋というか堤「ジョホール・シンガポール・コーズウェイ」の上だが)をさまよう羽目に陥ることだろう。

再乗車後,越境バスは「ジョホール・シンガポール・コーズウェイ」を渡る。そしてマレーシア側の出入国審査場,ジョホール・バルCIQに到着する。ここで下車してマレーシアに入国というわけである。

チャンギ国際空港からジョホール・バルCIQまで,全体で2時間足らずの旅だった。

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2015.11.23

(日本では)知らざれる大作家トロロープ

「話題を変えよう」とカッスルは言った。「戦争と関係のない本を何か推薦してくれないか」
「それならトロロープがあります」とハリディは言った。「息子はトロロープの大ファンでして。あいつが売っているものからはなかなか想像できませんが」
(グレアム・グリーン『ヒューマン・ファクター』166ページ)

グレアム・グリーンのスパイ小説『ヒューマン・ファクター』を読んでいるとき,トロロープという作家の名前が登場した。小生にとっては初耳だが,イギリス人の間では知られているらしい。

アンソニー・トロロープ (Anthony Trollope)。1815年4月24日生まれ,1882年12月6日死去。ヴィクトリア朝の大作家である。

英文学者の間では知られているのだろうが,小生を始め一般の日本人には知られていない。なにしろ2015年11月23日現在,日本語版のウィキペディアには記事が無い。アマゾンで調べてみても,訳書は限られている。開文社出版から木下善貞による訳書が数冊出ている程度である。

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調べてみるとかなりの数の作品を発表しており,"Project Gutenberg"には77もの小説が収録されている。

もっとも人気がある作品は"The Way We Live Now"(『今を生きる』)のようだ。2001年にBBCのドラマにもなっている(よく見ると,主役を演じているのは「名探偵ポワロ」でおなじみのデビッド・スーシェやんか)。

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"The Way We Live Now"はヴィクトリア朝のロンドン上流社会を舞台とした風刺小説。オーガスタス・メルモットというユダヤ系銀行家を中心に据え,この時代の実業家・政治家・インテリたちがどれだけ貪欲さや不正直さに毒されていたのかということを描き出している(ということだ。小生は未読なので…)。

ためしに"The Way We Live Now"の冒頭を読んでみると…

Let the reader be introduced to Lady Carbury, upon whose character and doings much will depend of whatever interest these pages may have, as she sits at her writing-table in her own room in her own house in Welbeck Street. Lady Carbury spent many hours at her desk, and wrote many letters, --- wrote also very much beside letters. She spoke of herself in these days as a woman devoted to Literature, always spelling the word with a big L. Something of the nature of her devotion may be learned by the perusal of three letters which on this morning she had written with a quickly running hand. Lady Carbury was rapid in everything, and in nothing more rapid than in the writing of letters. Here is Letter No. 1; ---

という具合でさほど難しい文章ではない。だが,この作品,トロロープ作品の中でも最長で,100章もあると聞くと,とたんに読みたい気持ちが失せてしまう。

他のトロロープ作品をチェックしてみたが,いずれも長い。本にして3,4巻分あるものばかり。日本では長編小説に属する長さだ。

ひょっとしたらこの長さが日本人に受け入れられない理由なんじゃないかと思う。

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2015.11.22

『エベレスト3D』を見てきた

シネマスクエア7で『エベレスト3D』を見てきた。

これは「1996年のエベレスト大量遭難」をもとにした映画である。

3D映画はやはりすごい。ベースキャンプからエベレスト山頂を眺めるときや登山途中に高所から下界を見下ろすときの奥行きときたら筆舌に尽くしがたい。

登山家ロブ・ホールが設立したニュージーランドの登山ガイド会社「アドベンチャー・コンサルタンツ社(AC社)」は1992年に公募隊を組織し,エベレスト登頂に成功していた。エベレスト商業登山の嚆矢である。

そして,1996年。AC社は再び,エベレスト営業公募隊を募集した。参加費は1人65,000ドル。これもロブ・ホールが引率して,顧客たちとともに5月10日に登頂を果たすというツアーである。

AC隊は登山途中ですでに様々な障害に見舞われていた。顧客の一部はエベレスト登頂に成功したが,スケジュールが大幅に狂ったことや悪天候に見舞われたことが原因で,AC隊員の多くは下山時に遭難した。

AC隊の顧客の一人,ベック・ウェザーズの奇跡的な生還があったものの,AC隊では結果として,ガイド4名のうち,隊長のロブ・ホールとガイドのアンディ・ハリスが,顧客8名のうち,ダグ・ハンセンと難波康子が死亡した。

悪天候,大勢の登山者による渋滞の発生,登山者の技術レベル,隊同士・シェルパ同士の対立など,さまざまな原因が挙げられるが,総じてエベレストの商業登山化が生み出した悲劇ともいえる。

AC隊の顧客の一人だったジャーナリストのジョン・クラカワーは生還し,後にこの事件についての本を書いている。

空へ―「悪夢のエヴェレスト」1996年5月10日 (ヤマケイ文庫)空へ―「悪夢のエヴェレスト」1996年5月10日 (ヤマケイ文庫)
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ところで,難波康子はこの登頂によって,日本人女性では田部井淳子に次いで2人目のエベレスト登頂者となったと同時に,日本人として田部井淳子に次いで2人目の七大陸最高峰登頂者となった。この栄冠を戴いた直後に命を落としたというわけである。ちなみに映画で難波康子を演じたのはロンドン在住の日本人女優森尚子であった。撮影の過酷さについて森はインタビューに答えている(参考)。


エベレスト山頂はじめ,8000メートルを超える高所は「デスゾーン」と呼ばれる。

映画の中で,登山前のブリーフィングでロブ・ホールが「高度8000メートル以上では,人間は少しずつ死んでいく」と言っていたのが印象に残った。

デスゾーンでは人間は死につつあるのだ。できる限り滞在時間を短くしなくてはならない。スケジュールが狂うこと,それは死の始まりなのである。


ちなみに「1996年のエベレスト大量遭難」については『エベレスト 死の彷徨』という 1997年の映画もあるが,これは先に述べたジョン・クラカワー『空へ―悪夢のエヴェレスト』をもとにした作品だということである(未見)。

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2015.11.21

グレアム・グリーン『ヒューマン・ファクター』

エイモス・チュツオーラ『薬草まじない』以来,しばらく小説の書評らしきものを書いていなかったのだが,何も読んでいなかったわけではない。

部局の代表者会議や海外からの来客の対応の合間に,グレアム・グリーン『ヒューマン・ファクター』を少しずつ読んでいた。

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分類としてはスパイ小説。グレアム・グリーン作品群の頂点と言われている。

だが,"007"のように巨大な陰謀やド派手なアクションが繰り広げられているわけではない。

主人公カッスルたち英国情報部員は目立たず,公務員らしく淡々と働いている。このあたりサマセット・モームのスパイ小説『アシェンデン』の一節を思い出させる:

秘密情報部で働く情報員の仕事は,全体的には,極端に単調なものなのだ。(『アシェンデン』10ページ)
表向きの生活は,市役所の事務員並みに規則正しく単調なものだった。(『アシェンデン』「7 パリ旅行」158ページ)

アフリカ各地の諜報員から寄せられる暗号情報を解読し,書類にまとめて外務省などに送付する。そんな淡々とした情報部の仕事の中で事件が起こる。英国の機密情報がソ連に漏洩したのだ。主人公カッスルが所属する六課にはダブルスパイがいるのではないかという疑いがかけられる。

この作品,疑いをかけられる情報部員,その家族,ダブルスパイの特定を図る上層部,ダブルスパイの支援者,それぞれの人物描写,会話などが見事で,<ミステリにして純文学>(by 小林信彦)という奇跡を成し遂げている。

巻末の解説で池上冬樹が述べているように小道具の使い方も素晴らしい。

カッスルは常日頃,"J&B"というスコッチウィスキーをたしなんでいるが,これはいわば,カッスルと妻の団欒,つつましく穏やかな生活の象徴となっている。

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また,この作品の初めの方で「モルティーザー」というチョコレート菓子が登場するが,モルティーザーに対する発言や態度によって,人々の地位や嗜好が浮き彫りになる仕組みが見られる。

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読者に衝撃を与えるようなどんでん返しこそ無いものの,ゆっくり読めば大体予測がつく程度の小さな謎があちこちに仕掛けてあって,それもまた読んでいて楽しい。

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2015.11.20

絶版マンガを読む:トオジョオ ミホ 『東洋綺談』

1993年に出版された漫画なので,古本でしか手に入らないのだけど,この漫画集はとても良いと思った:

トオジョオ ミホ 『東洋綺談』

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清朝の市井の人々,元代のモンゴル遊牧民,密林に住むミャオ族,中国東北部に住む朝鮮族等々,時代も場所もいろいろな中で,『唐宋伝奇集』のような不思議な話が展開される。

白黒のコントラストが美しい,中国伝統の切り絵のような絵柄。

よりシンプルに描いた初期(『人魚變生』あたり)の山田章博の絵のようにも見え,描線をより図案化して丁寧に描いた諸星大二郎の絵のようにも見え,不思議な味わいがある。頭身からすれば,諸星大二郎の方がはるかに近いか。

本書に登場するストーリーは諸星大二郎が取り上げてもおかしくない題材(たとえば『竹夫人』)だが,すっきりした感じがするのはこの絵のおかげだと思う。

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2015.11.12

今日の経済指標(2015年11月12日)

今回も自分のための備忘録。

内閣府経済社会総合研究所が「機械受注統計調査報告」(平成27年9月実績,および平成27年10~12月見通し)を発表した。

  • 機械受注総額の動向: 2015年8月は前月比14.6%減,9月は前月比9.5%増の2兆3,103億円
  • 「船舶・電力を除く民需」(民間設備投資の先行指標)の動向: 2015年8月は前月比5.7%減,9月は前月比7.5%増の8,164億円
    • このうち,
    • 製造業は前月比5.5%減の3,289億円
    • 非製造業(除く船舶・電力)は前月比14.3%増の4,824億円
  • 10~12月見通し: 受注総額は前期比0.3%増の6兆9,105億円

8月にドカーンと下がったが,9月は少し取り戻した,ということかと。

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2015.11.11

逝く技術,来る技術

ベータ方式が40年の歴史を閉じるとのこと。

ベータ方式テープ,発売40年で幕…出荷終了へ」(2015年11月10日読売新聞)

ベータといえば必ず語られるのが,「ベータ・VHS戦争」。

日本ビクターの窓際技術者たちがVHS方式を生み出し,ソニーのベータ・マックスに勝ったという執念の逆転劇はプロジェクトXで取り上げられた。

プロジェクトX 挑戦者たち〈1〉執念の逆転劇 (プロジェクトX挑戦者たち)プロジェクトX 挑戦者たち〈1〉執念の逆転劇 (プロジェクトX挑戦者たち)
NHK「プロジェクトX」制作班

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そして50年ぶりに国産旅客機が飛ぶとのこと。

MRJ初飛行11日午前実施へ,5度の開発日程延期経て大きな節目」(2015年11月10日ロイター)

今回のMRJの開発で必ず語られるのが,初の国産旅客機YS-11型開発の栄光と挫折。

名機YS‐11―零戦から生まれた国産旅客機 (だいわ文庫)名機YS‐11―零戦から生まれた国産旅客機 (だいわ文庫)
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なぜ、日本は50年間も旅客機をつくれなかったのか (だいわ文庫)なぜ、日本は50年間も旅客機をつくれなかったのか (だいわ文庫)
前間 孝則

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国産機の話となると元IHIのエンジニア,前間孝則先生の独壇場である。

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2015.11.10

今日の経済指標(2015年11月10日)

今回も自分のための備忘録

  • 財務省: 国際収支状況(速報)
    • 4~9月の経常収支: 8兆6938億円の黒字(前年同期:2兆8億円の黒字)
    • 4~9月の貿易収支: 4197億円の赤字(前年同期:4兆4567億円の赤字)
    • 9月の経常収支: 1兆4684億円の黒字(前年同月:9780億円の黒字),15カ月連続の黒字
  • 内閣府: 景気ウオッチャー調査10月
    • 10月の現状判断DI: 48.2(前月比0.7ポイント上昇),3か月ぶりの上昇
    • 景気の先行き判断DI: 49.1(前月と同じ=横ばい)
  • 中国国家統計局:  消費者物価指数(CPI)10月
    • CPI: 前年同月比1.3%上昇。しかし9月の1.6%上昇(前年同月比)から鈍化,エコノミスト予想1.5%上昇を下回る
    • 生産者物価指数(PPI): 前年同月比5.9%低下。PPIの低下は44カ月連続

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2015.11.09

今週の経済の動き(2015年11月9日~13日)

今週,経済関連でどういう数値が公表されるか,自分のための備忘録

Stockexchange
(Photo by dhester

11月9日(月)

  • 厚生労働省: 毎月勤労統計調査9月
    • 現金給与総額0.6%増(前年同月比),一般労働者は0.8%増、パートタイム労働者は0.5%増
    • 所定外労働時間1.8%減(前年同月比),ただし製造業の所定外労働時間は1.2%増
    • 常用雇用2.0%増(前年同月比),このうち一般労働者は1.5%増,パートタイム労働者は3.3%増

まあ,意地悪な見方をすると,正社員よりもパートタイム労働者の雇用が増加,パートタイム労働者の賃金の伸びはいまいち,ということになるかと。

11月10日(火)

  • 財務省: 経常収支9月
  • 内閣府: 景気ウオッチャー調査10月
  • 中国 :  消費者物価指数10月


11月11日(水)

  • 日本銀行: マネーストック10月
  • 中国: 固定資産投資1-10月
  • 中国: 鉱工業生産10月
  • 中国: 小売売上高10月


11月12日(木)

  • 内閣府経済社会総合研究所: 機械受注統計調査9月
  • オーストラリア: 失業率10月


11月13日(金)

  • ドイツ: GDP7-9月期
  • ユーロ圏: GDP7-9月期
  • 米国: 小売売上高10月
  • 米国: ミシガン大学消費者信頼感指数(速報)11月


日本のGDP7-9月期速報値の発表は16日(月)。
昨年同時期,「GDP年率マイナス1.6%」の発表で,市況は大荒れだったのはご記憶のことと存じ上げます(参考)。


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2015.11.07

「あさが来た」の方が大河ドラマっぽくていいと思う

山口県に住んでいるので大河ドラマ「花燃ゆ」を応援したいところだが,なんかダメ。

同じように幕末維新が舞台で,同じように女性が主人公なのだが,朝ドラの「あさが来た」の方がはるかに面白い。

高杉晋作の妹,文=美和が本当は何をしたのかよくわからない人物であるのに対し,今井あさのモデルとなった広岡浅子は大同生命を設立するわ,日本女子大学を創立するわ,いくつもの偉業を成し遂げた女傑である。描いていてどちらが面白いか,勝負は初めから決している。

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広岡浅子が女子啓蒙活動の一環として開催した合宿には,市川房江や村岡花子も参加したとか。女傑の魂は女傑たちが引き継いでいった。

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2015.11.05

双葉文庫に『BARレモン・ハート』が入っている件

毎週月曜日の晩がえらいことになった,という話は前に書いた(参考)。

月曜日午後9時にBS-TBSの『吉田類の酒場放浪記』を見たのち,午後10時からはBSフジでドラマ『BAR レモンハート』を見るという流れが出来てしまったからである。

若いころは「漫画アクション」を読んでも,『BAR レモンハート』は読み飛ばす漫画だったのだが,今はじっくり読んでしまう。

かつて「週刊漫画ゴラク」でラズウェル細木の『酒の細道』を読み飛ばしていたのが,今読むととても面白いのと同じ現象である。

中村梅雀がマスターを務めるドラマ『BAR レモンハート』を見ていると,原作を読みたくなるのだが,まさか今から全館を揃えるわけにはいかない。困っていたら(困らなくても良いのだが),行きつけの宮脇書店でちょうどいいものを発見した:

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つい先月,双葉文庫から出たわけである。まあ,ドラマ『BAR レモンハート』の放映に合わせたのだろうと思う。

ドラマでやっていた「女医さんとデート」と「1/150のプロポーズ」のエピソードはこの本に収められている。

ああ,ヴーヴ・クリコ・ラ・グランダム飲みてぇ。

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2015.11.04

UBEビエンナーレを見てきた

第26回UBEビエンナーレが開催されているので,常盤公園まで出かけて見てきた。

30か国266点の応募作品から選りすぐられた力作ぞろい。

気に入った作品を写真で紹介する。



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クオ・クオ・シャン(台湾) <廻響/Echoes>

ステンレス,ガラス,LEDライトで作成。山口県立美術館賞を受賞した。水のしずくと,それらが水面に落ちるときの音をイメージしたという。




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戸田祐介(埼玉県) <水土の門―II / 天地を巡るもの>

黒御影石とステンレスで作成。宇部マテリアルズ賞を受賞。このモコモコしている煙みたいなところが良い。




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Dsc_0420s 西澤利高(神奈川県) <UNTITLED>

この大理石の質感が素晴らしい。ねじれながら貫通する一本のラインは作家の子供の背の高さに合わせて設計したという。古代の生物が化石化して埋め込まれているようで良い。山口銀行賞受賞。




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谷口顕一郎(ベルリン,北海道) <宇部市のための凹みスタディ>

鉄製の彫刻。宇部市の市街地地図を1/4000スケールで鉄板上に切り取り,蝶番をつけて折りたたんだもの。受賞は逃したが,二次元の地図を折りたたんで層状の立体を作るという発想はいいと思う。UBEビエンナーレなので宇部市の地図を使ったというのが直接的過ぎたか?

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↑作家による作品解説

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2015.11.03

本当は怖いエイモス・チュツオーラ

エイモス・チュツオーラの『薬草まじない』はユーモラスな語り口のせいで,ただの馬鹿話のような印象も受けるが,よく読むと恐ろしい一面も見え隠れする。

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『薬草まじない』ではよく争い事が発生する。

旅の途上,主人公は,<ジャングルのアブノーマルな蹲踞の姿勢の男>だの,<頭の取りはずしのきく狂暴な野生の男>だの,<不愉快きわまりない野生の人間>だの,<強くて勇敢な門番><悪鬼>だの,様々な異種族に出会い,戦いを繰り返す。

こうした争いについて,この本の訳者・土屋哲は次のように述べている:

「決して攻撃的な勇気ではなく,外敵の侵略から自らの共同体を守護する専守防衛の勇気である。その意味でアフリカ人は真底から平和を愛する人びとであり,本書でも,狩人は決して自分から攻撃したり侵略をしかけることはないのだ。」(『薬草まじない』336ページ,土屋哲「訳者あとがき」)

しかし,文庫版の解説者・旦敬介は違う見解を示している:

「今回,あらためて特別に強く思ったのは,チュツオーラの最大のトピックが異種族に対する激しいヴァイオレンスであるということだ。<中略>異種族であるがゆえにアプリオリに対立していて,理由なく相手を暴力的に叩きのめす,いわば純粋なヴァイオレンス,本能的なヴァイオレンスだということではないか。」(『薬草まじない』351ページ,旦敬介「≪解説≫ チュツオーラと現代のヨルバ世界」)
「『異民族』は『人間』ではない(神である場合もある)から理解し合うこともできないし,徹底的な破壊の対象として扱っても正当化される,という民族観が主人公の側にも,『敵』の側にも共有されているように見えてくるのだ。」(『薬草まじない』352ページ,旦敬介「≪解説≫ チュツオーラと現代のヨルバ世界」)

『薬草まじない』は現代アフリカ社会が抱えている問題の一つ,すなわち,他の民族に対する不寛容さを主題化しているように見える,と旦敬介は指摘する。

ビアフラ戦争ルワンダ紛争ダルフール紛争第二次コンゴ戦争等々の中で,民族丸ごとを対象とした大量虐殺が繰り返し発生している歴史を振り返ると,この意見には激しく同意せざるを得ない。

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