エイモス・チュツオーラ『薬草まじない』を読み始めております
先日購入したまま放置していたエイモス・チュツオーラ『薬草まじない』(岩波文庫)を読み始めております。
訳は『やし酒飲み』と同じく土屋哲。
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これもまた主人公が旅に出る話。
妻の不妊症を解決するため,<女薬草まじない師>を探しに<さい果ての町>を目指すのだそうだ。
原題は明確にそのことを述べている:
"The Witch-Herbalist of the Remote Town"
この話,『やし酒飲み』と同様,どこに話が進むのか予測不能で,要約もできない。
また祝詞のように長い言葉が繰り返し繰り返し出てきたり,登場人物たちのやることなすことが残虐なのにおおらか,というあたり,日本の「記紀神話」を思い起こさせる。
人によって好き嫌いがあると思うので,誰にでもおすすめできるものとは思わない。
しかし,訳者の文章の巧みさもあると思うが,エイモス・チュツオーラの小説は一度はまると抜け出せなくなるタイプのものだ。
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