ゲーム本の行方
津野海太郎の『百歳までの読書術』をちら読みして気になったのは,老いて後,蔵書をどうするべきか,という問題である。
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未来のことはわからないが,小生も人生半ばを過ぎたところに至ったものと考えられる。蔵書家というほどではないが,壁一面が本でいっぱいになっている。あと何十年生きても,草森紳一(参考)ほどにはならないと思うが,今後も増え続けるだろう本どもをどこに収納したらよいかと思うと,少しぞっとする。
最近はささやかな対処方法として,引き取り手の無いだろう,賞味期限を過ぎた書籍をスキャンして電子化している。いわゆる自炊という奴である。
自炊の対象となっているのは100円均一コーナーで入手した古本の類やゲーム本の類である。
今回はゲーム本のことを書く。
小生がサラリーマンになって,金と時間に多少の余裕が出てきた頃,セガサターンでシミュレーション系のゲームをプレーすることに嵌っていた。
『大戦略』とか『提督の決断』もヤバかったが,もっとエラかったのが『信長の野望』,それも『天翔記』である。
有名武将はあまり選ばなかった。選んだのは上杉謙信ぐらいか。
『信長の野望 天翔記 ハンドブック』や『信長の野望 天翔記 マスターブック』といったゲーム本を頼りに,弱小大名をチョイスしては天下統一に励んでいた。
サラリーマン時代には土浦近辺に住んでいたので,小田氏治なんぞ選んで,天下統一をしたこともある。
『ハンドブック』には全武将のデータが,『マスターブック』には全城郭のデータが掲載されていて,非常に役立った。ちなみに『マスターブック』には「戦国女英雄伝 姫大名の国取り絵巻」というコーナーがあって,「朝倉桜」という架空の姫大名を主人公としたギャグストーリーが掲載されていた。
姫武将というのは天翔記のシステムで,家臣が少ないときに当主の娘が武将になれるという仕組みである。姫は父親(当主)の能力を受け継ぐので,目茶目茶有能な武将の娘が姫武将になると,これもまた目茶目茶有能な武将となる。
『電撃ウラワザ王』という本にはセガサターン版天翔記で「本能寺の変」という4つ目の隠しシナリオを登場させる裏技が紹介されていた。
小生はこの「本能寺の変」シナリオで雑賀衆鈴木氏を選択して,和歌山に攻め寄せる織田軍団を蹴散らし,形勢逆転して楽しんでいた。ちなみに,その際は雑賀孫市の娘たちを姫武将にして,日本一の鉄砲軍団を編成していたものである。
というわけで20世紀の終わり,某サラリーマンは『信長の野望 天翔記』に莫大な時間と労力を投じていた。
そのときに支えになったゲーム本の数々はやがて不要となったものの捨てられもせず,今に至っていた。
そして今回,裁断→スキャン処分となった次第である。
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