人民元基準値切り下げ:この夏は中国にやられっぱなし
昨日,中国が人民元の基準値を1.9%切り下げた。
その時の日本市場の反応はそれほど過剰なものではなく,日経平均株価の終値は前日比で88円下がった程度だった。
一夜明けても日経平均株価の始値は20633円でそれほど下がってはいなかった。しばらくはそこから持ち直すような感じだったのだが,10時を過ぎたころから一転,急激な下落が起こった。中国がさらなる人民元の切り下げを行ったからである。
連日の切り下げから,市場では中国の経済状態が相当悪くなっているのではという懸念が広がったわけである。
7月の上旬と下旬にそれぞれ上海総合指数が大幅下落し,世界の市場を揺るがせたことがあったが,今度は通貨切り下げショック。この夏は中国にやられっぱなしである。
ただ,今回の中国の人民元の切り下げは,より実態に即した為替レートに移行しようとする自由化の動きでもある。
人民元の対ドル基準値のコントロールはこれまでに議論の対象になっていた。
人民元の為替レートは基準値の上下2%までしか変動させられない。これを利用して中国の中央銀行である中国人民銀行は意図的に基準値をコントロールしてきた。
しかし,これからはそういうやり方を改め,前日の取引を考慮に入れる方針を示した。それがたまたま(意図的かもしれないが)今回,連日の切り下げという形で世界にショックを与えてしまったわけである。
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