『円周率1000000桁表』を読む・・・いや読まない
先日,日経トレンディでも取り上げられたのだが,円周率を延々と100万桁まで掲載した本が,密かにそしてじわじわと売れ続けている。
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じつはこの本,小生は数年前に福屋広島駅前店の10階,ジュンク堂書店広島駅前店で手にした。
小生以外に誰が・・・と思ったが,ちゃんと売れているようである。2015年3月18日現在,第3.1415926刷が発行されている。
出版元の暗黒通信団だが,日経トレンディの記事(参照)にもあるように,大学のサークル名に由来するとのこと。
暗黒通信団のホームページも存在(参照)し,実は上述の100万桁円周率表もPDF版で提供されている。
しかし,PDFで100万桁の円周率表を入手できるとしても,その凄さを体感しようとすれば,書籍版『円周率1000000桁表』を入手するべきだろう。松岡正剛の言う,本の身体性というやつだ。
暗黒通信団からは円周率表だけでなく,他の数表も出版されている。たとえば,素数表だ。
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意図は全く違うと思うが,様々な数表がコンパクトにまとめられた書籍というのは昔からあった。例えば,日科技連から出ている『数値表』が代表的なものである。
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あと,『丸善 五桁対数表』というのもあった。小生が持っているのは昭和63年発行のもので,現在では復刻版が出ている。
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これらは設計や統計や品質管理で使用される数値をまとめたものであり,実用が前提となっている。しかし,数値がびっしり書かれていること自体にある種の快感を覚える者もいるだろう。それが嵩じると,暗黒通信団の円周率表や素数表に手を出してしまうというわけである。
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