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2015.04.06

山口県立美術館特別展「超絶技巧!明治工芸の粋」を見てきた件

そろそろ会期も終わりだということであわてて山口県立美術館特別展「超絶技巧!明治工芸の粋」を見てきた。

清水三年坂美術館所蔵の村田コレクション一挙公開である。

Kogei

七宝,金工,刀装具,木彫,牙彫,自在,刺繍絵画,印籠,漆工,薩摩焼…と,信じられないくらい華麗,信じられないぐらい細密な明治の工芸品が展示されていた。

当時,輸出品として好評を博していたというが,それも納得。現在でもこのようなレベルの工芸品は作ることが難しいと思われる。

入場すると最初に代表選手とも言うべき作品を目にすることになるが,どれも素晴らしい。

  • 並河靖之 『桜蝶図平皿 (さくらちょうずひらざら)』 (七宝)
  • 濤川惣助 『藤図花瓶 (ふじずかびん)』 (七宝)
  • 正阿弥勝義 『古瓦鳩香炉 (こがはとこうろ)』 (金工)
  • 白山松哉 『渦文蒔絵香合 (うずもんまきえこうごう)』 (漆工)
  • 赤塚自得 『四季草花蒔絵提箪笥 (しきそうかまきえさげたんす)』 (漆工)
  • 錦光山 『花見図花瓶 (はなみずかびん)』 (薩摩)
  • 無銘 『伊勢海老 (いせえび)』 (金工)
  • 安藤緑山 『竹の子,梅 (たけのこ,うめ)』 (牙彫)

持って帰って虫眼鏡で鑑賞したいぐらいだが,それはできない。
やむを得ず,図録を購入して帰る次第である。

小生は海外に行った折にお土産として工芸品を買ってきたりするわけだが,やはり日本の工芸品のレベルが高すぎて比較にならない。日本は今後,再び明治期のようなハイレベルの工芸品を売ることによって外貨を稼ぐしかないんじゃないかと思った。

それにしても,山口県立美術館はここ数年,「五百羅漢図」だの「大浮世絵展」だの,大ヒットばかり飛ばしている。前々知事の二井関成さんが館長に就任して以来,絶好調。

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