カンボジアの商業登記やり直し騒動
あまり大きく報じられていないが,カンボジアの企業経営者を悩ます面倒事が起こっている。
カンボジアでこれまでに設立された法人は全て,現地系,外資系関係なく商業登記をやり直すよう,政府から命ぜられているのである。
先日お伝えしたように,カンボジアの事業所は全土で 513,759件。その10パーセント程度が会社(私的有限会社)だとして約50,000の法人が,商業省に登録済みの商業登記をやり直さなくてはならないわけである。猶予期間はほとんどなく,現在,あちこちの法人が登記のやり直しでてんてこ舞いである。
なぜこのような事態になったのかというと,カンボジアでは会社の設立が比較的簡単だったことにより,多数のペーパーカンパニーが乱立し,一部がトラブルを起こしていたためである。
今回の商業登記やり直し令は,問題のあるペーパーカンパニーの取り潰しを狙ったものである。
しかし,まっとうな企業にとってはいい迷惑で,日系企業なども面倒な作業に追われている。
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