世界初の浮体式潮流・風力ハイブリッド発電 (skwid),悪天候で沈没
世界初の「浮体式潮流・風力ハイブリッド発電」として話題を呼んでいた三井海洋開発株式会社の"skwid"だが,唐津沖で沈没したとのこと:
「洋上発電装置,海底に沈む…実証実験中あえなく」(読売新聞,2015年1月7日)
上半分がダリウス型風車で,下半分がサボニウス型水車というダブル発電システムで,面白い装置だと思ったのだが,12月18日朝に行方不明になったということである。その後,沈没が確認された。12月17日には同地域が暴風雪に見舞われていた。
この装置は一昨年の第一次設置時にも災難に見舞われた。本ブログで過去に取り上げたことがある:
「世界初の浮体式潮流・風力ハイブリッド発電 (skwid),水車紛失により落成式延期」(2013年10月14日)
同記事にも書いたが,日本で再生可能エネルギーを普及させようとする場合に直面するのが,日本の気候の厳しさ。
とくに風力発電・波力発電に関しては台風や雷や雪などが問題である。ヨーロッパで風力発電が盛んな理由としては,台風が来ないことが挙げられる。しかし,日本の場合は風車,水車はつねに過酷な気象条件にさらされる。
2013年に発生した曳航中の"skwid"が水車を紛失した事件について,過去記事で
「今回の事件は設置前の回航中に発生したものだが,設置できたとしても同じようなリスクがあるだろう。」
と述べたが,あたかも予言したかのような結果となった。
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