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2014.11.29

松本健一死す。『海岸線の歴史』,『海岸線は語る』再読

松本健一の訃報があった。

評論家の松本健一さん死去」(NHK)

近代思想の研究家だが,小生にとっては,海岸線と近現代日本人の関係を研究していた人,という印象である。

というのも,この人の著書で小生が目を通したのはミシマ社から出版された次の2書だからである:

海岸線の歴史海岸線の歴史
松本 健一

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海岸線は語る 東日本大震災のあとで海岸線は語る 東日本大震災のあとで
松本健一

ミシマ社 2012-03-10
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海岸線の歴史』は大震災前に書かれた本で,前にも書いたが(参照),日本の海岸線は自然的条件と人為的条件によってどのように変わってきたのか。また日本人は海とどう向き合ってきたのか。そういった関心のもとに書かれている。

雰囲気としては藤原書店から出ているアナール学派の歴史書っぽい。


そして『海岸線は語る 東日本大震災のあとで』は,『海岸線の歴史』の延長上にはあるものの,東日本大震災後,東北の海岸線を自ら歩き,思索した結果をまとめたもので,より現代的な(喫緊の)問題に迫った書籍である。

この本は「首相に握りつぶされた」という『復興ビジョン(案)』の解説書・補足資料でもある(参照)。そして「天国はいらない,ふるさとがほしい」(エセーニン)という主張がこの本の根底に一貫して流れている。


著者の訃報に接し,読み直しをしているところだが,海外出張があるので一時中断。

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