The western model has broken...西側モデルは壊れてしまった
こういう長文の記事が"The Guardian"に掲載されていた。
"The western model is broken" (by Pankaj Mishra, Oct. 14, 2014, World news, The long read, The Guardian)
「西側(米国と西欧諸国)はイメージ通りに世界を形成する力を失ってしまった。最近のウクライナやイラクの情勢を見ればそれは明らかである。にもかかわらず,なぜ西側は,全ての社会が西側と同じように発達しなくてはならないという悪質な作り話をし続けるのか?」
腹をくくったプーチンによる大胆不敵な行動,シリア・イラク近辺におけるイスラム国の台頭,さらに一応民主主義国家ということになっているインドやタイやトルコにおける権威主義の興隆は,西側モデルの普及を担ってきた西側の政治エリート層やメディアを茫然自失の状態に追い込んでしまったようだ。
Pankaj Mishraは1969年生まれのインドのエッセイスト。実に広範な知識を駆使して西欧諸国が直面している問題を論じている。
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コメント
ゲルツェンの名前が出てきてびっくりしました。最近再評価されているのでしょうか?
それはさておき、読みながら10年くらい前の様々な言説と比較し、やはり状況はそこから先へも外へも進んでいないのだなと感じました。ミシュラ氏の文章にも既視感が…
今(さら)ミシュラ氏がこう語るのは、インドの将来がいよいよ明るいものとして約束されたかに見える現状があるからなのかなと思います。10年前は別の国の人が同じように語っていた気がしますし、10年後は別の国の人が同じように語るのではないでしょうか。
ミシュラ氏はけして単純なナショナリストではなく、「西側モデル」の新自由主義=新帝国主義における問題点を正当に指摘していると思いますが、注意すべきところは「西側モデル」における様々なレイヤーが必ずしも一貫した統一的意思のごときものを持っていない点ではないでしょうか。
投稿: 拾伍谷 | 2014.10.15 21:58
何度も繰り返される言説ではありますが,誰がどのタイミングで話すか,ということが大事かと思います。
1990年初頭全盛を迎え,その後転がり落ちるとは夢想だにしなかった日本から発信されるのと,今,未来の超大国になろうとしているインドから発信されるのとでは,リアリティや迫力に違いがあるのではないでしょうか?
投稿: fukunan | 2014.10.20 16:23