やはり国芳ブームか
7月13日に幕を閉じた「大浮世絵展」の来場者数のグラフを更新してみた。
やはり,閉展が近づくにつれて加速的に来場者が増えている。ちなみに↓公式図録は売り切れたそうである。買っといてよかった。
岩佐又兵衛から歌麿,写楽,北斎,広重を経て川瀬巴水に至る長い浮世絵の歴史をまとめて見られるということも魅力の一つだが,最近,人気が高まっている歌川国芳の作品群があったこともこの展覧会成功の一因だったのではないかと思っている。
なにしろ,ミュージアムショップに行くと,国芳の猫絵をモチーフにしたグッズだらけだったし,またそれらが良く売れていた。
昨日,国芳の猫絵を中心に据えて,日本画の伝統について解説した本,藤原重雄『史料としての猫絵』(山川出版社)を紹介したが,偶然というか,その日の晩,BS-TBSの「江戸のススメ」という番組で「浮世絵師 歌川国芳」というテーマで国芳のことが紹介されていた。
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国芳の弟子として,月岡芳年や川鍋暁斎がいることは有名だが,他にも70名ばかりの弟子がいるという話は初めて知った。まことに面倒見のいい絵師である。
月岡芳年から先,水野年方,鏑木清方,伊東深水,川瀬巴水というように版画の伝統は受け継がれていく。そういうことを踏まえると,「大浮世絵展」の後ろ4分の1ぐらいは国芳一門によるものだと考えてもいいだろう。
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