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2014.07.08

『消えた画 クメール・ルージュの真実』という映画が公開されるとのこと

以前,「ボパナはS21で処刑された」(2011年8月24日)という記事を書いた。

クメール・ルージュによって処刑されたある女性の話である。

当時(1975~79年)のカンボジアはクメール・ルージュ(ポル・ポト派)の支配下にあり,文化の徹底的な破壊が行われれ,無計画な原始共産制が敷かれていた。少しでも知識のある者,クメール・ルージュに抵抗する者,役に立たないと見なされた者はことごとく殺された。

この恐怖政治の時代を,土人形によるアニメーションとクメール・ルージュのプロパガンダ映像とによって描き出した作品がこの7月に公開されるとの話である。

映画のタイトルは『消えた画』という。

監督はリティ・パニュ (Rithy Panh)というプノンペン出身のカンボジア人。1964年生まれ。

パニュなど,プノンペン市民はクメール・ルージュがプノンペンを陥落させた後,「新人民」に分類され,強制労働に従事させられていた。パニュは1979年にタイへ亡命し,その後フランスに移住。1989年にドキュメンタリー映画の監督としてデビューし,1990年にカンボジアに帰国した。

この映画が作られた背景,内容,手法等についてはWiredが詳しく伝えているが,小生もぜひ見たいと思っている。


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昨年8月の記事「カンボジア2013年中間年人口調査の暫定結果:カンボジアの人口は14,676,591人」に書いたように,2013年3月に実施された国勢調査によれば,現在のカンボジアの人口は1470万人。そのうち,ポル・ポト政権崩壊後に生まれた0~34歳の人口は1005万人である。人口の3分の2以上は,恐怖政治の時代を直接には知らない,ということになる(もちろん1991年のパリ和平合意まで内戦の時代が続くわけだが)。

3分の2のカンボジア人(クメール人)にとっては,クメール・ルージュによる恐怖の時代は「歴史」と化しているかもしれない。しかし,その時代を生き残った3分の1の人々にとっては,今もなお,眼前に浮かび上がり再生される「記憶」であり続けている。


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