アムステルダム発クアラルンプール行きMH17便(ボーイング777),ウクライナ上空で撃墜?!
穏やかな週末を,と思っていたが,大きなニュースが入ってきた。
"Malaysia Airlines flight MH17 crashes in east Ukraine" (the guardian, Thursday 17 July 2014 17.27 BST)
アムステルダム発クアラルンプール行きマレーシア航空MH17便(ボーイング777)がウクライナ東部ドネツク州上空で消息を絶った。そして,ロシア国境から25マイル離れた,ウクライナ領グラボヴォ(Grabovo)村近辺で機体と乗客の遺体が確認されたという。残骸と遺体は直径9マイルの範囲に散らばっているという。乗員乗客合わせて295名全員死亡との情報が流れている。
下のツイートはマレーシア航空のもの。
Malaysia Airlines has lost contact of MH17 from Amsterdam. The last known position was over Ukrainian airspace. More details to follow.
— Malaysia Airlines (@MAS) 2014, 7月 17
この件についてプーチン大統領はオバマ大統領と電話会談したというが詳しい話は分からない。
現地ではウクライナ政府軍と親ロシア武装勢力が戦闘を繰り広げており,どちらかがマレーシア航空機を撃墜したのではないかとの情報が出回っている。
以前から紹介している,FlightRadar24は公式サイトで「撃墜」されたと報じている:
Malaysia Airlines flight #MH17 was shoot down over Ukraine on 33,000 feet, 60 km east of Donetsk. R.I.P. pic.twitter.com/kcnAprU6zj
— Flightradar24 (@flightradar24) 2014, 7月 17
ガーディアン紙によれば,ウクライナ内務省アドバイザーのグラシチェンコ(Gerashchenko)氏は,親ロシア武装勢力が地対空ミサイルBUKでマレーシア機を撃ち落としたと述べている。しかし,これに対し,親ロシア武装勢力は,1万メートル上空の航空機を撃墜するような兵器はもっていないと表明している。
また,ガーディアン紙によれば,マレーシアのナジブ首相はツイッターでショックを受けたことを表明し,また直ちに調査を開始することを宣言している。
マレーシア航空は今年3月にMH370便を失ったが,これで今年2機目を失うという悲劇に見舞われたわけである(参考)。
ちょうど岸田外相がウクライナを訪問しているところだが,外相はどう受け止めているか?
今回のマレーシア機墜落は欧米の市場では大きな衝撃として受け取られている。
ニューヨーク株式市場の株価は,マレーシア機墜落の報道をきっかけに地政学的リスクへの懸念が高まり,午後から下げ幅を拡大。一時は100ドル超下落したという(参考)
ロンドン市場でもFT100が大幅下落(参考),ドイツやフランスの国債利回りも大幅に下落している(参考)。
この朝の日本市場にも影響があることだろう。
経営難に見舞われているマレーシア航空にとっては大事件で,経営再建が上手くいかなくなる可能性がある。おそらく,マレーシア政府が支援をするはずだが,そうすると国家予算がひっ迫し,他の部門にしわ寄せが来るだろう。マレーシアの景気にも悪影響があるかもしれない。
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