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2014.06.03

台湾立法院占拠二題

2014年3月18日,台湾の立法院が「中台サービス貿易協定」に反対する学生たちに占拠された。

Qingtianbairi
(写真は中正紀念堂 Zhongzheng Jiniantangの天井の青天白日の紋章)

学生による占拠は24日に及んだが,学生たちは規律正しく振舞い,大陸中国に脅威を感じる国民から強い支持を受けた。

最近,この事件に関する雑感が2題,朝日新聞に掲載されたのでざっと紹介する。


  ◆   ◆   ◆


「社説余滴 台湾情勢の『左翼』的解釈」(村上太輝夫 朝日新聞 2014年5月27日)

この記事では,台湾立法院占拠事件は階級闘争の側面があるということが述べられていて面白い。

大陸中国と台湾との間でサービス業が自由化されれば,台湾は中国経済に飲み込まれる。そうすると,低賃金化,失業者の増加が避けられない。ひどい目にあうのは若者だ,というわけである。

台湾立法院占拠事件は「中国共産党+国民党+台湾企業」の利権集団に対する学生側の反乱・階級闘争だという解釈を示している。

国民党はもちろん,若者の支持を失ったわけだが,民進党もまた若者の支持を得られなかったという点で深刻な立場にあると,この記事は指摘している。


  ◆   ◆   ◆

「論壇時評 僕らの民主主義 少数派からの『ありがとう』」(高橋源一郎 朝日新聞 2014年5月19日)

高橋源一郎は柔らかい言葉で重要な問題に切り込む。学生たちの運動に未熟さを指摘する論評もある中,高橋源一郎は台湾の学生たちの行動に民主主義の本質を見出した。

立法院を占拠した学生たちは,占拠20日を越えたあたりで立法院と妥協することを検討し始めた。しかし,その意思決定の際に学生のリーダー・林飛帆がとった行動は単なる多数決ではなかった。

「彼は丸一日かけて,占拠に参加した学生たちの意見を個別に聴いて回ったのである」

最終的に妥協案は受け入れられた。しかし,妥協反対派の学生はこう述べている。

「撤退の方針は個人的には受け入れ難いです。でも,僕の意見を聞いてくれたことを,感謝します。ありがとう」

高橋源一郎はこう述べる:

学生たちがわたしたちに教えてくれたのは,「民主主義とは,意見が通らなかった少数派が,それでも,『ありがとう』ということのできるシステム」だという考え方だった。

これ読んで,政治というのは結論よりもプロセスが大事だということを改めて感じた。何事に対しても「喫緊」「焦眉」「緊急事態」といった決め言葉で即断即決を迫るのは拙速に過ぎる。

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