鞆の浦に行って「鯛網」を見た
この連休,倉敷や鞆の浦に行ってきた。
鞆の浦は,坂本竜馬「いろは丸沈没事件」の発生場所や「崖の上のポニョ」のロケ地としてよく知られている。万葉集にも読まれた長い歴史を持つ港町である。
ここでは5月の上・中旬に「鯛網」という伝統漁法が観光客に公開される。今回はそれを見にツマと行ってきたわけである。
パンフレットによれば,鯛は外洋で冬を過ごし,三月末から瀬戸内海に入って来て,産卵場所を求めて遊泳するという。鞆の浦近辺の海(備讃瀬戸,燧灘,備後灘)はその良い産卵場所となっている。
鞆の浦の沖合に群がる鯛を効果的に獲る漁法として1632年に考案されたのが,「しばり網漁法」の一種,「鯛網」であるという。
鯛網の観光化は1923年に始まり,太平洋戦争による中断を挟んで,1949年に再開され,今年で85回目を迎えているとのこと。
以下,鯛網観光の記録である。
◆ ◆ ◆
福山駅構内の福山地方観光案内所で鯛網観覧券(前売り2500円)を購入し,宿泊先「景勝館漣亭」の送迎バスで鞆の浦まで移動。
30分ほど移動した後,鞆の浦に到着。荷物を旅館に預けて,渡し船「平成いろは丸」で沖に浮かぶ「仙酔島」に渡った。
鯛網用の漁船団と鯛網観光用のフェリーは仙酔島から出る。出発までの間,地元保存会による「アイヤ節」,漁師たちによる樽太鼓,乙姫の舞が披露される。こういうのを見るの,楽しい。
↑鯛網漁船団(手前の2隻が「真網」「逆網」と呼ばれる親船2隻)
さて,13:30。いよいよ出発である。フェリーも漁船も出航する。乙姫様の船も付いていく。
出漁,網入れ,網しばりと一連の作業が進み,いよいよ網の引き上げである。引き上げが終わったら,フェリーを親船に横付けし,観光客が乗り込んで鯛の即売会開始。
↑観光客が親船に乗り込んで見物・買付。「一枚(一匹)1000円」という漁師の掛け声のもと,どんどん鯛が売れていく。
ということで,とても楽しく珍しく勇壮な鯛網見物だった。
鯛網観光の後,フェリーは鞆港に到着。このあとは地元のガイドによる鞆港の街並み見物が行われるわけだがそのことはまた別記事で書く。
今年度(2014年)の観光鯛網は5月3日(祝)から18日(日)まで毎日開催。平日は午後1回のみ,日曜祝日は午前午後の2回。見てない人は福山・鞆の浦までお越しを。
| 固定リンク
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 梅棹忠夫とモンゴル語(2024.04.10)
- 5月なのに山口オクトーバーフェスト|リターンズ(2023.05.09)
- 旧川上村の民具についての本(2023.01.20)
- 極寒のモンゴルにちょっと行ってみた(2022.12.07)
- 観光列車「〇〇の話」に乗ってきた(2022.08.15)
コメント
とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
投稿: 履歴書の添え状 | 2014.06.25 12:13