「資源の枯渇」は杞憂だというが
連休の谷間,いかがお過ごしでしょうか。
小生はカレンダー通り,仕事をしておりました。
さて,WSJの記事:
「世界の資源は枯渇せず―有限説はエコロジストの杞憂」(by Matt Ridley, WSJ, April 29, 2014)
というのがあります。
要するに,人口増加・エネルギー大量消費などによる資源枯渇・食糧需給の逼迫を憂うエコロジストが多いけれども,イノベーションの効果を忘れてはいませんか? という内容。オプティミズム。
イノベーションへの過大な期待はいかがかと思いますが,そうでもしないと恐怖に打ち勝てないのかもしれません。何の恐怖か知りませんが。
「2020年ピークオイル説」が流布されたのちに,シェールガスやシェールオイルが生産されるようになり,化石燃料枯渇の可能性が遠のいたことは,イノベーションの効果を信じさせる理由の一つになっているでしょう。他にもまだまだ化石燃料が隠されているかもしれず,エネルギー供給に対する心配事はあまりないかもしれません。
エネルギーおよび食糧の需要に関しても,人口増加がある点で止まり,さらに減少が始まる可能性もあるため,心配するほどのことはないかもしれません。労働者はどんどんロボットに置き換わっているし,これからの世界では人が不要になってきますからね。
とはいいながら,イノベーションへの期待ばかりふくらませるのもいかがなものかと。世界の歴史上,何回も科学技術が停滞した事例がありますし。イノベーションへの期待というのは結局のところ,他人任せに他なりません。
それにも増して,心配なのは現下の地球温暖化(?)。人間のエネルギー消費が地球温暖化の原因であるという説には異論もありますが,安全側に考えれば,まっとうな説だと思います。
気象庁の「さくらの開花日の変化」とか「アメダスで見た短時間強雨発生回数の長期変化について」とか見ると,地球温暖化に伴う気象変動がすでに起こっているのでは?という疑念が湧いてきます。
資源は枯渇しないかもしれませんが,イノベーションによる問題解決よりも猛烈なスピードで気候変動がやってきているのかもしれません。
| 固定リンク
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- アフガニスタンからネパール人救出中(2021.08.18)
- カブール落つ(2021.08.16)
- デモクラシーの正統性と社会経済システムの正統性(2021.02.10)
- 奴隷商人にして篤志家の銅像をブリストル港にポイ捨て(2020.06.08)
- OECDの予測値がえらいことに|Japan hardest hit!(2020.04.09)
コメント