アフガニスタン大統領選挙:各地で多少の混乱
先日,アフガニスタンの政治状況や大統領選について書いた(参照)が,今日がその大統領選の期日である。
The Guardianの記事によれば,無視できない程度の混乱があったものの,なんとか実施されたようである。
人口3100万人のうち,1200万人が有権者だという。そんな大量の人々が全国7000か所での投票を行うことになったが,治安の理由から900か所の投票所は閉鎖されてしまったという。
ローガル州(Lowgar)では投票所での爆発があり,4名負傷。ファーリヤーブ州(Fāryāb)では爆弾犯らしき人物が逮捕。
このほか,あちこちの投票所で有権者が殺到して長蛇の列ができ,投票用紙が品切れになったり,投票時間の延長が行われたり,と混乱があった模様。
◆ ◆ ◆
そういえば,この選挙では誰が立候補しているのか,という話を書いていなかった。
カルザイ大統領はすでに2期務めているので,三選禁止の原則から立候補できない。
立候補者は27名いたが,そのうち11名が立候補を認められた。この11名の中からさらに脱落者が出ており,最終的には8名で争うことになった。
その8名のうちで有力なのはアブドラ・アブドラ元外務大臣,アシュラフ・ガニ・アフマドザイ元財務大臣,ザルマイ・ラスール前外務大臣らである。
カルザイ大統領の兄,アブドゥルカイユーム・カルザイ氏も立候補していたが,ザルマイ・ラスール前外務大臣の支持を表明して撤退した。
ザルマイ・ラスール前外務大臣は,カルザイ大統領が暫定政府を率いていたときには安全保障担当の大統領顧問を務めていた。カルザイ大統領の外遊時には必ず随行していたということであり,カルザイ大統領の側近である。まあ要するに,カルザイ大統領としては兄の立候補を取り下げさせてでも,ザルマイ・ラスール前外務大臣に次の大統領をやってほしいわけである。
アブドラ・アブドラ元外務大臣は前回の大統領選挙でカルザイ大統領の有力対抗馬となった人物である。その時は,カルザイ大統領の得票率が49.6%だったのに対し,アブドラ・アブドラ元外務大臣は得票率30%だったので,かなり強い支持を得ている。
というように,候補者の略歴や人間関係などは調べればすぐにわかるのだが,それぞれの政策などは良くわからない。アフガニスタンの大統領選では,有権者は候補者の主義主張で選ぶのではなく,人脈や出身部族や支持母体で選んでいるのではないか,と邪推しているが,どうでしょう?
アフガニスタン大統領選では,どの候補も過半数の得票を得られなかった場合,上位2名での決選投票が行われる。
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