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2014.03.18

当然のことながら研究室運営は研究以外の能力が必要

STAP細胞騒動に関連した話題をまた一つ。

理研の研究管理体制がどうなっているのかは全然知らないが,小保方博士(審議中)に関する報道が真実であるならば,その程度の人物にユニットリーダーを任せるというのはいかがなものだろうか?

「研究内容が卓越」,あるいは「着想が素晴らしい」などといった理由で研究室のリーダー,英語ではPrincipal Investigator (PI)を任せてはいけない。

実験能力とデータ収集能力があって初めてテクニシャン。

さらに論文執筆能力があって初めて研究員。

そして,さらに研究室運営能力があって初めてPI。

研究室運営能力というのは,哲学,計画策定,教育/指導,コミュニケーションなど多岐にわたる。

そういう能力を先天的に持つ人もいるが,大方は経験によって習得する。

研究室運営については「アット・ザ・ヘルム」という名著があって,小生もたびたび開いている。研究やってないけど。

アット・ザ・ヘルム」は好評のようで,第二版が出ていた。

これからPIになる人,目指す人は読んでみると良い。

アット・ザ・ヘルム -自分のラボをもつ日のために- 第2版アット・ザ・ヘルム -自分のラボをもつ日のために- 第2版
濱口道成

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コメント

天才かつ職人かつある種の常識人であり、リーダーシップの取れるコミュニケーター、ですか。
ルネサンス時代の工房の親方芸術家みたいな印象。
弟子時代から積み重ねた経験が人を鍛えるということなのですね。

投稿: 拾伍谷 | 2014.03.19 02:23

「工房の親方芸術家」というのはあっていると思います。

今から20年以上前,大学の一般教養で江川温先生に西欧中世史を学んだのですが,その際,研究室というのは現在に残る徒弟制度だというコメントがありました。

投稿: fukunan | 2014.03.21 17:13

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