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2014.02.27

ぼくのかんがえたさいきょうのラオスじん

たびたびラオスで働いているのでだいぶ平均的なラオス人の性質がわかってきたような気がする。ほかの日本人と話していてもだいたい同じような結論に行き着く。

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これから述べるのは小生が考えた平均的なラオス人像である。平均的ということは当てはまらない人もいるということである。だが,ぴったり当てはまる人も多いと思う。

だいたい「寛容」「プライド」「享楽的」という3つのキーワードで彼らの性質を把握できると思う。

「寛容」「プライド」「享楽的」という3つのキーワードから導き出される行動は次のような感じである:

  1. 「寛容」→人に強制しない→人から強制されたくない
  2. 「プライド」→恥をかきたくない→知らないと恥だと思う→なんでもイエスと言う
  3. 「享楽的」→楽しいことばかり考える→宴会大好き
  4. 「寛容」+「プライド」+「享楽的」→嫌な仕事はやりたくない→すぐ辞職する

それぞれ事例があるので紹介する。

まず1番目だが,例えば,東南アジア各国では街中の乗り物としてトゥクトゥクというものがある。ほとんどの国ではトゥクトゥクのドライバーは外国人を見つけるとしつこく乗ることを進める。カンボジアなんか,延々200~300メートルついてくる。ところが,ラオスでは「トゥク?」とドライバーが外国人に一言尋ねるだけであり,外国人が返事をしなければ,それで終わり。人に強制しないというのは美徳であり弱点である。


2番目。プライドが邪魔して,「できない」とか「わからない」とか「知らない」とか言えない。ドライバーに「○○銀行に行ってくれ」と頼むと"Yes"と答える。そのあとは街中をぐるぐると廻り,珍道中を繰り広げることになる。ドライバーはまったく関係のない建物の前に停車しては"This?"とこちらに訪ねてくる。そのたびに"No"と答える。あとはこの繰り返し。誰かに電話で聞いたらどうですかね,と思う。ところがドライバーが友人に電話したとしても,電話の相手も適当なことを答えて混乱の輪がさらに拡大するだけだったりするのでお手上げ。

住所を伝えればいいじゃないかって?残念ながらラオスやカンボジアでは住所はあてにならない。"Near Mekong River"とか「○○の隣」とかすごいことを言っていたり,名刺に堂々と書いていたりする。


3番目。すぐ楽しい方に流れる。人は誰しも楽しいことを選びたいと思うけど,仕事や勉強のときには我慢するわけである。ラオス人はある程度は働くけれども,仕事の合間に隙間が発生すると,おしゃべりが始まったりする。お菓子を食べたりもする。それがほんのひと時で終わるかというとそんなことは無く,延々と休憩時間が作業時間を侵食していく。

あるラオス人スタッフにコピーを頼んでおくと,コピー室に行ったまま帰ってこない。コピー室に行ってみると,おしゃべりをしながらくつろいでいたりする。定時前には片付けが始まり定時後はあっという間に消え去る。金曜日には宴会があり,飲んだり,歌ったり,踊ったり,延々と続く。2次会とかはなく,1次会が6時から12時過ぎまで続いたりする。やたら長い。


4番目。「寛容」と「プライド」と「享楽的」が組み合わさると,「嫌な仕事はしたくない」という考え方に至る。ラオスに進出した日系の某縫製工場を訪問した時,このことが数値として明らかになった。その工場は300人の労働者を抱えており,給料も周辺の企業よりはずいぶんと良く,寮も完備されている。しかし,労働者の定着率が悪すぎる。操業開始以来6年で延べ1300人雇ったという。定員300人のところに1300人。どんどん入ってどんどん辞めているという訳である。

同工場の日本人幹部によると,あるラオス人労働者に作業の改善指導をしたら,そのラオス人労働者が翌日から出社してこなくなり,寮からも消えてしまったという。心配になって実家(農家)を訪ねたら,普通にのんびり暮らしていたとのこと。

ちなみに,その工場,職場のリーダーにタイ人を採用していたそうで,これもまずかった可能性がある。タイ人は同じ語族ではあるがラオス人を見下す傾向があり,ラオス人はタイ人を嫌いだったりする。タイ人にちょっとお小言を頂戴しただけでもラオス人のプライドが傷つき,職場放棄をしたくなる,ということが考えられる。

「嫌な仕事はしたくない」というので思い出したのが,建築現場のこと。ラオス人も皆無ではないが,大規模な建築現場で黙々と働いているのはベトナム人だったりする。なんでわかるかというとノンラー(ベトナムの笠)をかぶっているから。中国資本の建築現場では中国人が働いている。なんでわかるかというと大声で中国語で叫んでいるから。建築現場は危険でつらいですからね。それにしてもベトナム人と中国人は勤勉。


というわけで,小生のフィルターがかかったラオス人像はこんなものである。ラオス人と付き合う時に肝要なのは,今述べたような性質を理解して行動することである。特に大事なことは次の2点:

  1. とにかく怒っちゃダメ
  2. とにかく慣れる

「とにかく怒っちゃダメ」というのは最も大事かもしれない。とくに他の人の前では絶対にダメ。これはラオスでもそうだしタイでもそう。この上ない屈辱だと受け止められる。怨恨沙汰に発展する可能性も大。

「とにかく慣れる」というのはおおらかな気持ちで彼らと付き合うということである。異文化というのはそんなに簡単に融合しない。他のASEAN諸国と比べてもしょうがない。

インドネシアに行くと華僑はもちろんのこと,スンダ人もジャワ人もキビキビとよく働いている。熱帯ではみんなのんびりしているかというとそんなことは無い。このあいだ紹介したが,バンドンなんか,スンダ人たちが猛烈な勢いで起業している(参照)。カンボジアも凄い。みなギラギラした目で新たなビジネスチャンスを探っている。ラオスは違うなーと思うがしょうがない。これが文化である。

ちなみに,ラオス人全員が上に紹介したような性質ではないことはおわかりだと思う。ナンプー・コーヒーの親父や店員なんか暑い中,キビキビ働いている。まあ,明らかに華僑なんですけどね。

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