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2013.12.08

Is Bandung burning? (2) Visit to Bandung Digital Valley: バンドンは燃えているか?(その2)バンドン・ディジタル・ヴァレー訪問

ベンチャー企業(スタート・アップ:Start-ups)に手を差し伸べ,離陸するところまで育て上げようとするのがインキュベーション(孵化)組織である。

バンドン市内にもインキュベーション組織があり,その一つがBandung Didital Valley (BDV)である。

運営しているのはインドネシアの国営通信企業Telkomである。

バンドン工科大学経営管理学院 (SBM-ITB) のスダルソ院長の話に寄れば,国営企業はCSRの一環として,利益の一部をスタート・アップ(ベンチャー企業)たちの支援に回すことが義務付けられているとのこと。ということでBDVはTelkomのCSR活動の一つである。

Telkomが運営していることもあり,BDVはICT系の起業支援を行っている。

BDVはTelkomの研究開発センターの4階に設置されている。ずいぶんと明るい感じの空間である。

Digitalvalley00

パーティションの内側では複数のスタート・アップ候補が肩を並べて開発業務に没頭している。各グループはだいたい4,5人ぐらいのスタッフで構成されている。スタッフたちの平均年齢は25歳ぐらいとのこと。

Digitalvalley01

広報担当のリッサ・レントゥア(↓)によれば,毎年1回公募するごとに300ぐらいのグループから新しいICT系ビジネスのプロポーザルがあり,最終的には10ぐらいがグループが起業するという話である。

Digitalvalley02

BDVではスタートアップ候補たちの金の面倒を全てTelkomが見ることになっている。育成は4段階に渡って行われ,第1段階は"Customer & Idea Validation", 第2段階は"Product Validation",第3段階は"Market Validation",第4段階は"Growth & Scalability"である。

第1段階"Customer & Idea Validation"の段階では,300ぐらいのプロポーザルから100ぐらいを選び,最初の1か月間,1グループあたり1000万ルピア(10万円)を与えて,製品(サービス)の概念設計を行わせる。

第1段階終了時に概念設計案が審査され,30グループが選定される。ここで落ちたグループはBDVから退去することになる。

この30グループが次の"Product Validation"の段階に入る。1グループあたり1億2000万ルピア(120万円)が与えられ,各グループは3か月かけて製品(サービス)の試作にあたる。

第2段階終了時にも審査が行われ,ここで10グループ程度に絞られる。

つぎの段階,"Market Validation"の段階では,。1グループあたり1億2000万ルピア(120万円)が与えられ,各グループは2か月かけて製品(サービス)を完成させ,ユーザーテストなどを実施する。

第3段階にもパスすれば正式に起業である。すなわち第4段階"Growth & Scalability"に移る。ここで各グループはスタートアップ候補から本当のスタートアップになる。この段階ではBDVは18か月にわたり上限100億ルピア(1億円)までの支援を行う。

18か月後には各スタートアップはBDVを離れ,独自の道を歩むことになる。ここから先,各スタートアップは利益の一部をTelkomに還元しなくてはいけない。


  ◆   ◆   ◆

Digitalvalley03

ここではいくつかのCEO候補(グループ・リーダー)たちに話を聞いた。あるグループではバンドン市内の公共交通機関案内のアプリ"kiri"を開発していた。日本で言うとNavitimeとgoogle mapを組み合わせたようなものか。

また,あるグループでは結婚式手配のサイトを構築していた。式場から車の手配からあれやこれやをweb上で実施するというわけである。

BDVは単に場所と資金提供をするだけでなく,外部から講師を招き,BDV入居者たちにマーケティングやマネジメントの教育を施しているという。

BDVに居る間にスタートアップ候補たちがTelkomから得た資金は返金の必要はない。本当に事業が軌道に乗った場合に利益を還元してもらうという仕組みである。Telkomはずいぶんと太っ腹である。

Digitalvalley04

日本にも大学を中心として多数のインキュベーション施設が設立されているが,こんな小奇麗なところはない。また資金面でもこんなには恵まれていない。

前回紹介したagateはインキュベーションの力を借りずに設立された企業だったが,BDVのように手厚い支援を受けながら生まれつつある企業もある。

どのベンチャーも若く,熱い。ことICT分野に関してはバンドンの未来は明るい。

やはりバンドンは燃えている。

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