「里山資本主義」アンコール放送にちなんで,「離島経済新聞」を紹介
本ブログでも7月に
「藻谷浩介+NHK広島取材班『里山資本主義』を読む」(2013年7月15日記事)
というタイトルで取り上げたが,藻谷浩介+NHK広島取材班の『里山資本主義』がかなり反響を呼んでいるようだ。
明日(2013年10月4日),午後7時半からNHK総合(中国地方)でアンコール放送がある(参考)
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本書に対しては批判も多い。
例えば「人間関係が濃密な田舎に都市部の人々が入りこめるだろうか」という疑問があがっている。山口県周南市金峰(みたけ)の連続殺人放火事件なんかその極端な例として見ることができるかだろう。
本書で取り上げられた「真庭モデル」に関しては,他県の林業関係者からは「銘建工業が発電・ペレット製造に使っているのはスウェーデン産の外材だ」という指摘が挙がっている。
本書の記述に関する些細なレベルでは,吸収式冷凍機の記述が間違っているというのも小職のような元エンジニアから見ると見逃しがたい。
とはいえ,「田舎暮らし」や「ロハス」や「再生可能エネルギー」といった個別の取り組みを結び付け,様々な統計データによる裏付けをもとに「里山資本主義」というキーワードに集約したのは,藻谷浩介氏とNHK広島取材班の功績である。
で,本記事では「里山資本主義」アンコール放送に便乗して,「離島経済新聞:ritokei」という新聞と公式ホームページを紹介したい。
「離島経済新聞:ritokei」というのは離島での生活に焦点を当てた季刊のタブロイド紙である。
小生が買ったことがあるのは『季刊ritokei』02号と05号である。02号には「全国有人離島地図」が,05号にはフォルダーがノベルティとして付いていた。
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同新聞のサイトでは島記者と呼ばれる記者たちによる,離島暮らしの記事が掲載されている。
小生が気に入っているのは「周防大島、宮本常一の島をあるく」というシリーズである。周防大島は『里山資本主義』にも取り上げられていて,今,注目の島である。
この新聞の運営は大変だろうと思うが,買い支えるので長く続けてもらいたいと思う。
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コメント
ここ数年知人が相次いで長野へ転居しておりまして、彼らそろって都会生まれの都会育ち。「やっていけるのかいな」と心配でしたが時折連絡取るにノンビリ楽しくやってる様子。まあ、今の時代どこに住んでもさして困りはしないのでしょう(あくまで私生活に関しての話)。
仕事の事情がなければ郷里の海や山を見ながら暮らしたいなと思える程度に私も年を取りましたが、しかし都会のゴミゴミした感じやはり捨てがたいのは長野へ行った都会っ子たちと異なる田舎育ちの悲しい性と言うべきでしょうか。
投稿: 拾伍谷 | 2013.10.03 22:08
小生などはゴミゴミした大阪に9年も住んでいましたが,その後は諸国を巡っています。酒と魚がおいしければ,それでOK。まあ人それぞれということで。
投稿: fukunan | 2013.10.05 00:24