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2013.09.05

フィンランド栄枯盛衰

ノキアがマイクロソフトに買収されるということで,フィンランドの衰退ぶりを嘆く声が出ているようだ:

焦点:携帯事業手放すノキア、一時代の終わり告げる」(ロイター,2013年9月4日)

たしかに一時代の終焉である。

フィンランドの景気は・・・というとあまりよくない。

下に示すのはIMFの"World Economic Outlook April 2013"をもとに,日米フィンランドの実質GDP成長率を比較してみたものである。ただし2013年の値はIMFの推計値。

Imfrealgdpfinland

フィンランドは2012年はマイナス成長。2013年も日米の後塵を拝している。フィンランドの落日?


しかし,かつてフィンランドの経済は非常に元気が良かった。

上のグラフを見ても2005年~2007年のフィンランドの経済成長は確かにすごい。

そのころ,「北欧各国はなぜ国際競争力があるのか?」という議論,そして特に「フィンランドの底力は何なのだろうか?」という議論がマスコミをにぎわせていた。

「それは教育力だ!」というのが結論だった。

OECDが行った学習到達度調査(PISA)ではいつもフィンランドがトップクラス。日本の教育業界では「フィンランドに学べ!」とばかりにフィンランド・ブームが起こった。

そこで出てきたのが「フィンランド・メソッド」(商標登録されている)。

小生の職場でも「勉強せよ」ということでこんな本が配られた:

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別に悪くはない。教育手法として学ぶべきことは多い。

小生が疑問なのは,「フィンランド・メソッド」に凝縮されているような,発想力・思考力・読解力・表現力などを向上させる教育を受けてきたはずのフィンランド人が,ノキアだけに頼るような脆弱かつ貧弱な経済基盤を作ってしまったのか?ということである。

ノキアからスピンオフした人たちが,「アングリーバード」のような新たなヒット商品を生み出していることは知っている。だけど,それじゃあノキアが担っていたほどにはフィンランド経済を支えられないでしょ。

世界に誇る教育力を以て,国際競争力を高め,再び経済が復興するか? あるいは,教育力を以てしても,世界の趨勢に抗することができず,没落するか? フィンランド経済,ここからが見どころでしょう。

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