岩国錦帯橋空港のインパクト:広島空港は月1万人の旅客を失った
岩国錦帯橋空港が昨年12月にオープンして好評だと聞いている。東京~岩国間の座席利用率は12月~3月の平均で66%とわりと好調である。
で,隣接する広島空港へのインパクトを調べるべく,国土交通省の航空輸送統計調査年報を見てみたのだが,結構衝撃的な結果が判明した。
下の図は東京~広島線と東京~岩国線の平成23~24年度の月別の旅客数をプロットしたものである。
西日本には直接の被害がなかったとはいえ,平成23年度は大震災が起こった年である。平成24年度は日本の社会・経済が震災から回復に向かっている年なので,平成24年度の方が旅客が増えるべきである。
にもかかわらず広島空港では2012年12月以降,東京~広島線の旅客が各月とも前年比1万人程度減少している。
これは岩国錦帯橋空港のオープンによって,広島空港が東京~広島線の旅客を岩国錦帯橋空港に奪われたことを表していると見てよいだろう。
そもそも広島空港は人里離れた山間部にあり,広島市内からの移動は不便極まりない。広島市の西側に住む人々にとっては岩国錦帯橋空港の方が(時間帯さえ合えば)便利だという話はよく聞く。観光に関しても宮島観光をしたい人々にとっては錦帯橋とセットになる方が便利なわけである。
で,わが山口宇部空港へのインパクトはというと微妙に影響があったようである。
下は山口宇部空港・東京~宇部線の旅客数を示したものである。
全体的に見れば平成24年度の方が平成23年度よりも旅客数が多いが,2013年1月~3月は若干減少している。山口県内でも周南市以東の人々にとっては岩国錦帯橋空港の方が近いので,そちらに移ってしまったのだろう。
今のところ,岩国錦帯橋空港は1日4便だけ東京行の便がある。採算性の点でこれがちょうどいいのかもしれないが,便数はそのままで現在のエアバスA320とかボーイングB737-800よりも座席数の多い機体を導入したり,逆にFDAみたいにエンブラエルE-170とか175のような座席数の少ない機体を導入して便数を増やしたりしたらどんなインパクトがあるだろうか?
| 固定リンク
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 梅棹忠夫とモンゴル語(2024.04.10)
- 5月なのに山口オクトーバーフェスト|リターンズ(2023.05.09)
- 旧川上村の民具についての本(2023.01.20)
- 極寒のモンゴルにちょっと行ってみた(2022.12.07)
- 観光列車「〇〇の話」に乗ってきた(2022.08.15)
「今日の飛行機」カテゴリの記事
- インチョンで時代まつり(2018.05.09)
- 【ロシアの飛行機が宇部に来た!】プーチン来るで!(2016.12.03)
- 東京~山口宇部便はえらく混んでいる(2016.09.09)
- 8月25日,ANA3812便(SFJ12便)欠航の件(2016.08.26)
- 国際便遅延に関する備忘録(2015.09.21)
コメント
岩国は米軍様から基地の一部を拝借している、という前提がありますので便数は現況が限界です。あとは機材を大型化して詰め込むだけ詰め込むしかありません
投稿: あ | 2014.06.22 03:12