プノンペン,一波乱の予感
昨晩からプノンペンに来ているのだが,選挙結果を巡って一波乱の予感。予感がするだけで何も起きないかもしれない。
去る7月28日,カンボジアでは総選挙(第5回カンボジア国民議会議員選挙:123議席)があった。
フン・セン首相の与党・人民党(CPP)と野党・救国党(CNRP)の戦いだったが,選挙前は人民党が安泰かと思われていた。
ところが,救国党・党首サム・レンシーがシハモニ国王の恩赦を受けて亡命先のフランスから帰国し,情勢が一変。救国党が29議席から55議席(与党発表)へと大躍進した。
これで終わらないのがカンボジアの総選挙。野党は選挙に不正があったことや独自集計では過半数の議席を獲得していることなどを表明し,不正調査合同委員会の設置を求めた。
一時は与野党と選挙管理委員会(NEC)で話し合いが成立するに見えたが,不正調査合同委員会に国際機関を加えるか否かで対立が再燃した。
救国党の不服申し立てを踏まえた上での暫定結果は,明日・8月10日に選挙管理委員会より発表される予定である。
もし,救国党の申し立てが何も反映されず,7月28日発表と同様の結果(人民党68議席,救国党55議席)が発表されれば,土日にかけて救国党による抗議デモが発生する可能性がある。
もちろん,人民党政権も黙ってはいない。人民党のSar Kheng内務大臣はデモ隊が暴力や破壊に走れば,法的措置を取ることを表明している。
現地報道によれば,地方の軍警察基地から装甲車および有刺鉄線を乗せたトラックがプノンペン近郊に移動したということである。
さて,一波乱あるかどうか?
というわけで,土日はホテルから出ないことにしようかと。
個人的には,政争よりもこちらのニュースが気になった。不憫でしょうがない:
カンボジアで焼き鳥屋開いたばかり―無念事故死(2013年8月9日,読売新聞)
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