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2013.07.27

併せて読めば,効果倍増:『里山資本主義』と『適正技術と代替社会』

先日長々と,

藻谷浩介+NHK広島取材班『里山資本主義』(角川oneテーマ21)

を紹介したのだが,今日は短めに。

里山資本主義  日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21)里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21)
藻谷 浩介 NHK広島取材班

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『里山資本主義』が目指すところと,以前紹介した『適正技術と代替社会』が目指すところとは同じである。


適正技術と代替社会――インドネシアでの実践から (岩波新書)適正技術と代替社会――インドネシアでの実践から (岩波新書)
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どちらも,大量生産・大量消費を前提とする技術体系から,地球環境にやさしく,資源を大量に消費しない,高度なレベルの技術体系を確立する方向に転換しようという姿勢を見せている。

発展途上国だからこそ,田舎だからこそ生み出せる適正技術。インドネシアだからこそ,山陰山陽地方だからこそ踏み出せる代替社会への道。

今,技術についてのみ述べたが,「里山資本主義」は環境問題,資源問題だけを解決するシステムではない,経済・福祉の問題解決も合わせた「ポリシー・ミックス(政策統合)」的問題解決システムである。

ポリシー・ミックスとは環境・経済・福祉といった諸政策を個別ではなく統合して扱うことである。

このあたりは一昨年,「『グリーン・エコノミー』を読む」という記事で紹介した。

グリーン・エコノミー - 脱原発と温暖化対策の経済学 (中公新書 2115)グリーン・エコノミー - 脱原発と温暖化対策の経済学 (中公新書 2115)
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『グリーン・エコノミー』では,

「エネルギー環境政策と産業雇用政策を連携して,人減らしのための省力化投資よりも省エネルギーと再生可能エネルギーの開発,利用を推進する政策により雇用を増やす」(258ページ)

という政策が提案されていたが,これは発展途上国や先進国の田舎でこそ,真価を発揮するポリシー・ミックスであり,「里山資本主義」に他ならない。

三冊まとめて読めば,効果三倍。

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