【プリズム・プログラム】英国情報部が米プリズムプロジェクトを通してインターネットの情報を監視中【ベライゾン通話記録入手】
急激な円高,連日の株乱高下,米雇用統計の微妙な結果,…と連日,経済ニュースから目を離せない人々が多いことと思う。
小生の場合は,The Guardianが連日報道している「米国国内向け諜報活動スキャンダル」から目が離せません。
一昨日の「アメリカ国家安全保障局,ベライゾン社を通じて米国住民の通話記録を収集中」,昨日の「【オバマ政権の危機?】米国民の携帯通話を国家安全保障局が監視している件」に続き,本日は第三弾「英国情報部が米プリズムプロジェクトを通してインターネットの情報を監視中」をお届けする。
"UK gathering secret intelligence via covert NSA operation" (Nick Hopkins, guardian.co.uk, Friday 7 June 2013 14.27 BST)
UK security agency GCHQ gaining information from world's biggest internet firms through US-run Prism programme
同記事によれば,英国の諜報機関の一つ,政府通信本部(Government Communications Headquarters: GCHQ)が,2010年6月以来,米国のプリズム・プログラムを通して,大手ネット企業からの情報を収集し,197の報告書を作成しているという。それらのレポートはかの有名なる諜報機関,MI5およびMI6にも渡っている。
プリズム・プログラムというのは,国家安全保障局(NSA)およびFBIがGoogle,Facebook,Microsoft,Appleをはじめとする米国大手9社の主要サーバーに直接アクセスして,ネット上の情報を監視しようとする計画のことである。
この計画の存在をすっぱ抜いたのはワシントンポスト(参照)。
ガーディアンとワシントンポストという米英二大新聞が揃って,米英で起こっている,国内諜報/監視活動を報道している。米英国民のプライバシーが危機に瀕しているというわけである。
ガーディアン紙によると,米国の高官は「プリズム」についてこう述べているという:
……「プリズム」は秘密連邦裁判所(Foreign Intelligence Surveillance Court: FISC),行政機関,議会の監督下にあり,ちゃんとした手続きを踏んで実施されている。米国外にいる非米国民を対象としたものであり,情報収集の過程で米国民に関する情報を入手したとしても,それを取得・保持・流布しないように努めている……
とはいえ,この一連の諜報活動に対し,非難の声は止まない。
「これは憲法に対する総攻撃だ!」(ランド・ポール米上院議員(ケンタッキー州・共和党))
ランド・ポール上院議員はガーディアン紙に寄せた文の中でこう結んでいる:
2008年,オバマ上院議員はブッシュ大統領と秘密連邦裁判所FISCに対してこう述べた:「私たちは,この国のあらゆる人間が法の下にあるということを,改めて認識するべきだ」
そう,米国ではあらゆる人間が法の下にある。オバマ大統領,あなたもだ。
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