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2013.06.07

【オバマ政権の危機?】米国民の携帯通話を国家安全保障局が監視している件

日本ではサッカー関連のニュース(※)で連日盛り上がっておりますが,米英ではプライバシーの問題が盛り上がっております。

※ワールドカップ出場の件と,奥大介氏が佐伯日菜子女史にDVの疑いの件


昨日の弊ブログ記事でも紹介したが,この事件を簡単におさらいすると,

4月下旬以来,アメリカ国家安全保障局(NSA)が通信大手のベライゾン社から莫大な量の電話利用者の通話記録(誰と誰がどこで何分間通話したか)を毎日入手している

ということが,英国のThe Guardian紙が入手した秘密文書(連邦秘密裁判所FISCの命令書)によって判明したという話。

ベライゾン社の傘下には携帯電話大手ベライゾン・ワイヤレスがあり,加入者は1億2千万人を超えている。通話内容は監視対象となっていないようだが,上述したように,誰と誰がどこで何分間通話したか,ということは完全に監視されている。


今回の記事は,この事件の続報で,オバマ政権がNSAによる米国住民への監視活動を弁解しているという内容:

Obama administration defends NSA collection of Verizon phone records (Dan Roberts and Spencer Ackerman in Washington, guardian.co.uk, Thursday 6 June 2013 15.10 BST)

同記事によれば,報道内容を知った政治家や運動家たちが「前代未聞のプライバシー侵害」,「ジョージ・オーウェルの描いた世界より酷い」,「民主主義の危機」として米政府を非難しているという。

ブッシュ政権下でも高官が,NSAによる米国住民の通話記録監視が実施されていることを漏らしたことがある。

しかし,今回のThe Guardianの報道は,その監視活動が継続されていることを,証拠資料(連邦秘密裁判所の命令)を添えて明確にしたということで,米国民に強烈なインパクトを与えている。

で,オバマ政権側は本件には直接触れず,通話記録入手は「国家を守るための重要な手段」だとコメントしているという。

ブッシュ政権からオバマ政権に交代した時,テロや紛争が減り,平和な世界になっていくのでは…という印象を持った人々が多かっただろうと思う。その傍証ともいえるのが,オバマ大統領のノーベル平和賞受賞である。

しかし,テロや紛争は相変わらず続いている。シリア内戦などを見るとますます先鋭化しているように見える。

カウンターテロ活動もブッシュ政権時代よりもさらに巧妙かつ大胆なものになってきている。特殊部隊によるビン・ラディン急襲・暗殺や,ドローン(無人機)によるテロ容疑者暗殺などはその例。今回の国内向け諜報活動もその一例だと言えるだろう。

自由やプライバシーを尊重することがアメリカの国是だったはずである。対テロ活動を理由として,これらを制限・侵害することが許されるのだろうか,というのが今回の事件の論点である。

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コメント

由々しき事態とは思いますが十分予想されたことと言う気もしますね。Eメールが一番危なくて次が電話次に手紙、一番安全なのは伝書鳩と言うことになるんじゃないでしょうか。
冗談はさておき、どんな形ではあれ基本的に会話は聞き耳をたてられてると思ってした方が良いのでしょうね。隠し事を相談したい人は信頼のおける人物と面と向かってするのが吉かと。
こういう話をすると「俺は悪いことしてないから見聞きされたって構わないよ」と言う人が出てきそうですが・・・

投稿: 拾伍谷 | 2013.06.08 01:51

以前,「エシュロン」に関して騒動がありました。今回のガーディアンおよびワシントンポストの特ダネ情報は,貴兄の書いている通り,十分予想されていたことです。

しかし,なぜ,今,この問題が取り上げられているのか,ということを考えてみる必要もあるのでは?

弊ブログ6月9日の記事でも述べたように,Cui bono?という視点で見てみる必要もあると思います。

投稿: fukunan | 2013.06.09 11:56

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受信: 2013.06.07 13:23

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