そういえば,松下村塾を見てきたのだった
昨晩(2013年5月29日)はNHKで「歴史迷宮 二人の糸 吉田松陰×高杉晋作」というドラマとトークで構成された歴史番組を見た。
「明治維新の精神的起源」(by ハインリヒ・デュモリン)である吉田松陰と,その弟子であり,明治維新を実際に起動させた高杉晋作。
この二人の出会いと短い生涯を,袴田吉彦(松陰役)と夕輝壽太(高杉晋作役)によるドラマで再現。さらに幕間を精神科医:名越康文と日本教育史家:海原徹のトークでつなぐという構成だった。
で,この番組を見ながら思い出したのは今月初め,5月5日に萩焼祭りに行った際に,松陰神社にも行っていたということである。
そこには松下村塾があった。
↑松下村塾の建物は想像していたものよりも小さかった
↑しかし,この塾に高杉晋作,伊藤博文,山縣有朋,…といった錚々たる人物が集まっていたのだった。
↑この部屋で彼らは熱い議論を戦わせていたのだった。
山口県に住んでいてつくづく思うのは,今でも県民の精神的支柱として明治維新が存在していること。そして,そのコアの部分には吉田松陰という人物がいることである。
小生は清水生まれなので,家康や次郎長や山岡鉄舟などに親しみを覚えるのであるが,精神的支柱というほどには感じていない(家康からは処世訓として学び取るべきことがいろいろあるのだが)。
それに比べると,山口県民の精神形成における吉田松陰の影響というのは凄まじく大きい。今でも「松陰先生」と呼ぶ人がいる。萩の明倫小学校の生徒なんか,毎朝,「松陰先生」の言葉を朗誦している。
◆ ◆ ◆
小生が吉田松陰の言葉として好んでいるのが
百年一瞬耳(ひゃくねんはいっしゅんのみ)
君子勿素餐(くんしそさんするなかれ)
という一文である。
香月泰男は「一瞬一生」という言葉を残した。「一瞬に一生をかけることもある。一生が一瞬に思える時があるだろう」と香月泰男自身が解説している。
いずれも,短い生を充実せよと迫る言葉で,ダラダラと暇を持て余しているときに思い出すとドキッとする。
山口県に住んで10年余りになるが,かなり「明治維新胎動の地」の精神性に毒されてきた模様。
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コメント
貴兄と同郷の私ですが、次郎長やさくらももこwが郷里の偉人の様に語られるのは何だかひどく照れくさい気持ちにさせられることが確かにありますね。「それはそうかもしれないが、ただ同郷の偉人と言うだけで私は無関係ですから・・・」みたいな。
それを思うと、松陰を讃え郷土の誇りとする萩の人たちの気風が羨ましく思えたりもします。
投稿: 拾伍谷 | 2013.05.31 00:31