「もち病」の怪
うちの庭のサツキが「もち病」に襲われている。今度薬剤を散布する予定だが,その前に病変部を除去した。
これが「もち病」に罹った部位である。
「もち病」とは,ツツジ類、ツバキ類だけに発生する病気で,カビが新芽に寄生し,葉を異常肥大させる病気である。春・秋に降雨が続き,日照時間が短いと発生しやすくなるという。
うちのツマは「気持ち悪い」という。グロテスクな造形を見る限り,その通りだと思うが,見慣れてくると,つやのある淡緑色や淡赤色の病変部がゼリーのように美しく見える。
話は飛ぶが,澁澤龍彦『高丘親王航海記』に「真珠は貝の病」という話が出てくる。
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美しく見えるものというのは尋常ではないもの,端的に言えば,病気の一種なのかもしれない。
◆ ◆ ◆
「もち病」にはこれ:
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コメント
なるほど焼いて膨らんだ餅のようですね。さすがに食べることはできないのでしょうけれど。
ちなみに真ん丸ではないゆがんだ形の真珠に例えて、不規則性や過剰性を美の要件とした16、17世紀の芸術潮流を「バロック」と呼びますね。「高丘親王航海記」なんてまさにバロック文学と言った感じ。貴兄のお庭にもバロックの季節が訪れたと思われては如何。
投稿: 拾伍谷 | 2013.05.27 20:32
小生も「バロック」と思ったのですが,不規則性,過剰性といった表現を思いつかず,説明できませんでした。
「もち病」罹患部は餅ほど柔らかくなく,カチカチです。小生はギリシャの暴力的な甘さのゼリー,「ルクミ」を思い出しました。
投稿: fukunan | 2013.05.29 00:06