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2013.05.27

「もち病」の怪

うちの庭のサツキが「もち病」に襲われている。今度薬剤を散布する予定だが,その前に病変部を除去した。

これが「もち病」に罹った部位である。

Mochi01

Mochi02

もち病」とは,ツツジ類、ツバキ類だけに発生する病気で,カビが新芽に寄生し,葉を異常肥大させる病気である。春・秋に降雨が続き,日照時間が短いと発生しやすくなるという。

Mochi03

うちのツマは「気持ち悪い」という。グロテスクな造形を見る限り,その通りだと思うが,見慣れてくると,つやのある淡緑色や淡赤色の病変部がゼリーのように美しく見える。


話は飛ぶが,澁澤龍彦『高丘親王航海記』に「真珠は貝の病」という話が出てくる。

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澁澤 龍彦

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美しく見えるものというのは尋常ではないもの,端的に言えば,病気の一種なのかもしれない。


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「もち病」にはこれ:

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コメント

なるほど焼いて膨らんだ餅のようですね。さすがに食べることはできないのでしょうけれど。

ちなみに真ん丸ではないゆがんだ形の真珠に例えて、不規則性や過剰性を美の要件とした16、17世紀の芸術潮流を「バロック」と呼びますね。「高丘親王航海記」なんてまさにバロック文学と言った感じ。貴兄のお庭にもバロックの季節が訪れたと思われては如何。

投稿: 拾伍谷 | 2013.05.27 20:32

小生も「バロック」と思ったのですが,不規則性,過剰性といった表現を思いつかず,説明できませんでした。

「もち病」罹患部は餅ほど柔らかくなく,カチカチです。小生はギリシャの暴力的な甘さのゼリー,「ルクミ」を思い出しました。

投稿: fukunan | 2013.05.29 00:06

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