山野井泰史・妙子夫妻「夫婦で挑んだ 白夜の大岩壁」(BSプレミアム)をまた見た件
2年以上前に,沢木耕太郎の小説『凍』を紹介した(「沢木耕太郎『凍』を読む」,2010年10月24日)。
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この本を読むきっかけとなったのが,「夫婦で挑んだ 白夜の大岩壁」というNHKのドキュメンタリーである。
世界的クライマー:山野井泰史・妙子夫妻が,グリーンランドの未踏の大岩壁(通称:オルカ)に挑む,という内容。
すでにこのドキュメンタリーを一度見たことがあるわけだが,今日の午前中,BSプレミアムで再放送していたので,またもや拝見してしまったのである。小生,山なんか登らないくせに,登山関係のドキュメンタリーはじっくり見る。
この夫妻は二人ともヒマラヤのギャチュンカン北壁にアタックした時に凍傷で手足の指を失っている。そのときのことを詳しく書いたのが,上に挙げた『凍』。
2002年秋,ギャチュンカン下山時に,妙子氏は凍傷を負い,手の指全てを根元から切り落とすことになった。山野井泰史氏は右手中指・薬指・小指,左手薬指・小指,右足の指5本全てを失った(※)。
そんな肉体的ハンディキャップを背負った状態で,2007年8月,夫妻はグリーンランドの岩山にチャレンジした。
登山中,かなり大変な状況に置かれても夫妻は冷静に判断し行動する。ときには笑みまで浮かべている。明らかに小生らとは違う。
◆ ◆ ◆
このドキュメンタリーの放送後,2008年9月17日,山野井泰史氏は倉戸山登山道をジョギング中に熊に襲われ重傷を負った。しかし,その翌月からはトレーニングを開始している。そして12月には夫婦そろってオーストラリアでクライミングを楽しんでいる。なんというタフさ。(参考:【山野井通信】2008)
ちなみに小生の母親は大の山好き。もちろん山野井泰史氏の名前も知っていて,小生に本を送ってきたことがある。これ:
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山野井泰史氏のクライミングは今もなお続いている(参考:「山野井通信」)。
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※注
凍傷に関して。別のクライマーだが,凍傷になると,こういう経過を辿る:「凍傷の切断治療を拒否している栗城史多さんの症状が酷くなって見える件」
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