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2013.03.08

finalvent 『考える生き方 空しさを希望に変えるために』(ダイヤモンド社)を読む

極東ブログ」と「finalventの日記」という2つのブログを書き続けているfinalvent氏。

同氏が本を上梓したというので宮脇書店宇部店で買い求めた。ひょっとして置いてないかも?と思ったが,1冊だけあった。良かった。

"Denker"というドイツ語が好きだ。英語では"Thinker"。「思想家」として訳されるが,原義通り「考える人」というニュアンスで受け止めたい。

「思想家」というとそれで食べているプロフェッショナルというイメージだが,小生は"Denker"という言葉をプロでもアマでもなく,人生というか日常の様々な場面で,よく考える人,という意味でとらえたい。

で,小生にとって,finalvent氏はDenkerの典型である。

考える生き方考える生き方
finalvent

ダイヤモンド社 2013-02-21
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世間的・社会的に見れば,とりたてて評価するべきところが見当たらない普通の人生であっても,自分で考えるという行為を通して「生きている」実感を得ることができ,それを支えにして生きていけるだろう,というのが本書全体の基調である。

アルファブロガーとして知られている時点で,世間的・社会的には成功者の扱いになると思うのだが,ご本人は自らを普通の人として見て,本書を著している。

この本は,「社会に出て考えたこと」,「家族をもって考えたこと」,「沖縄で考えたこと」,「病気になって考えたこと」,「勉強して考えたこと」,「年を取って考えたこと」という6つの章で構成されているが,どの章を読んでも感じられるのは五木寛之的なトーンである。

ネット時代の五木寛之?

だが,最後には人類の希望を信じる,というのが仏教的な諦念と違うところか。

大震災から1か月ほど経った時に「こんな時代だから読むべき本:五木寛之『他力』(講談社文庫)」(2011年4月8日)という記事を書いたが,本書『考える生き方 空しさを希望に変えるために』も,こんな時代だからこそ読むべき本に数えて良いと思う。

五木寛之にせよ,finalvent氏にせよ,特異な人生を歩んでこられた人々だと思う。にもかかわらず,我々のような普通の人生を生きる人々が共感できるような考え方を伝えてくれるあたり,この二人の思索力と文章力は凄いものだな,と感じ入る次第である。


  ◆   ◆   ◆


「普通の人生」の肯定ということで思い出したのが,NHK連続テレビ小説の「純情きらり」(2006年度上半期,主演:宮﨑あおい)である。主人公桜子はジャズピアニストを夢見ながら果たせず,結核に侵されながら出産し,死の床(?)で息子に希望をつなぐ・・・。

これって,

私が死んでも,この世界は続くし,この世界に新しい人が生まれて,その人たちがきっと希望の火を灯す。(『考える生き方』,337ページ)

という文章,そのものじゃないかと思う。

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最後に。

著者が難病を抱えていることは本書で初めて知った。

小生の妹はまったく別のものだが難病を抱えている。この点でも何か共鳴するものを感じた。

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