WEB漫画『覇記』の執筆スピードについて
知っている人は知っている,知らない人は知らない。
WEB漫画『覇記』という作品がある。
西暦2004年に起こった大災害によって,日本列島全体が荒廃し,世界から孤立。学園同士が争う戦国時代に突入したという状況下で展開される話である。
第一話は西暦2040年,山口県周防地方にある二都学園の会長が盗賊に襲撃され,それを学兵隊長,高尾陽一が救うところから始まる。高尾は陰謀に巻き込まれて二都学園から追放されるが,紆余曲折を経て,京都政府の御所警察予備隊に入隊し,破格の出世を遂げる。そして,そのカリスマ性を発揮して最高指導者の地位に就く・・・。
意味わかんないでしょ。中二病的なものを感じるでしょ。でも小生は好きなんです,こういう作品が。
『覇記』を読んでいると,ノートにシャープペンでポリティカル学園サスペンス(?)という赤面するような漫画を書き綴っていた高校生の頃を思い出し,ノスタルジックな気分になる。
『覇記』は2005年8月13日にネット上に初掲載され,現在では156話,1759ページに達する大作に成長している。初期の荒削りな画風が,今ではかなり達者なタッチに変化している。書き続けると上手くなる,という見本である。小生としては初期のエッジが効いた描線が割と好きなのだが。
103話以降,東北の覇権争いが描かれている。舞鶴学園会長・藤原哲司(後の仙台王国宰相である),同学園学兵長・貞山青葉(後に哲司と敵対する)らが巧妙な戦いを繰り広げており,いつも,早く続きを読みたい!という気になる。
ここで,問題になるのが,この漫画の執筆速度である。152話から153話まで,約5か月も間が空き,筆を折ったのかと心配になったものである。
著者の執筆のペースを探るため,連載開始からの総ページ数の推移のグラフを作ってみた。明日からラオスに出張するというのに何をやっているのだ?
連載開始から1000ページに達するまでに2年程度の日数が経過しているが,それに数倍する日数が経過しても2000ページには達していない。つまり徐々に執筆のスピードが遅くなっているのだ。画力が向上し,作画が丁寧になっているのが一つの原因ではないかと思う。
横軸を連載開始からの経過日数に改めて総ページ数の推移をプロットしたのが次のグラフである。
三次関数で回帰してみた結果も併せて示している。
この回帰曲線から推定すると,著者は今後,勢いを取り戻し,あと500日もすれば,2000ページには達すると見込まれるが,いかがなものか?
まあ気長にやっていただき,今後も老読者を楽しませてやってほしいものである。
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コメント
ご多忙の中、精力的な更新お疲れ様です。
>ノートにシャープペンでポリティカル学園サスペンス
そんなのあったかしら!? 私が昔読ませていただいたのは・・・いや、この話は藪蛇ですね。過去は背負うものであって、対面して凝視するのはヤバいw
投稿: 拾伍谷 | 2013.02.20 08:02