インドで何が起きているのか?
7月18日,スズキのインド子会社「マルチ・スズキ」の工場(ニューデリー郊外)で暴動が発生した。このニュースは大きく取り上げられているので,諸兄もご存じのことと思われる。同工場は操業を停止したままである。
時をほぼ同じくして,18日の夜から翌朝にかけて,日立のインド子会社のエアコン工場(カディ郊外)では火災が発生し,施設の90%が焼失した:
"Fire guts Hitachi unit near Kadi" (Daily News and Analysis, Friday, Jul 20, 2012, 14:56 IST)
カディはグジャラート州の都市で,人口26万人。アーメダバードから40キロのところにある。
上記のインド英字紙の記事によると,火災は18日の午後8時30分ごろに発生し,翌朝10時まで続いたが,幸いにして怪我人はなかったようである。
ビジネス・スタンダード紙によれば,日立カディ工場では6月中旬以来,条件の向上を求める契約社員たちによるストライキが続いていた:
契約社員たちは正社員への昇格および正社員と同等の賃金を求めていたというが,工場側はストライキ自体違法なものとして認めておらず,両者は対立したままだった。
詳細はこれから明らかになるのだろうが,火災とストライキに関係があるのではないかという気がする。
スズキと日立の事件の間には直接の関係は無いだろうが(スズキの場合は「毛派」の扇動があったのではといわれている),これらの事件の背景には,賃上げなど,労働者側の要求の高まりがあるのだろうと推測する。
中国は既にそうなりつつあるが,インドもまた経済成長に伴い,「安い労働力」の提供元としての役割を終えつつあるのかもしれない。
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