ヴェルナー・ヘルツォーク「バッド・ルーテナント」を見てきた
YCAM(山口情報芸術センター)で7月13日から22日にかけてヴェルナー・ヘルツォーク特集というのをやっている。
で,今日はツマと一緒に,ニコラス・ケイジ主演の『バッド・ルーテナント』を見てきた。
ニコラス・ケイジ,汚職刑事やらせたらNo.1だなぁというのが感想。
ずっと前にブライアン・デ・パルマ監督の『スネーク・アイズ』を見たことがあるが,同作でもニコラス・ケイジが汚職刑事を好演していた。『スネーク・アイズ』の場合,汚職刑事は一瞬,栄光に浴するものの,汚職がばれて一気に凋落するが,『バッド・ルーテナント』の場合,汚職刑事は,いくつもの危機を奇跡的に乗り越え,大出世を果たすという違いがある。だが,堕落ぶりは似たようなものである。
上のチラシだけを見ると,硬派の警察モノといったイメージだが,実際に『バッド・ルーテナント』を見ると,そのイメージは裏切られる。ニコラス・ケイジ演じる刑事テレンス・マクドノーをはじめ,登場人物全員に狂気と滑稽さが同居しているのが感じられる。それって,ヘルツォークの過去の作品『フィツカラルド』のクラウス・キンスキーの演技でも言えることだ。
本作はアベル・フェラーラ監督の『刑事とドラッグとキリスト』(原題: Bad Lieutenant)のリメイクだといわれることがあるが,Wikipediaによると,ヘルツォークはリメイクであることを否定しているということである。
今週土曜日に『小人の饗宴』を上映するそうだから見に行かなくては。
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コメント
連日の猛暑たまりませんね。
ヘルツォークとはまた懐かしい名前。と思いきや今世紀に入ってまた精力的に映画撮ってるのですね。「小人の饗宴」はまったく「胸糞の悪くなる最低映画」でした。この言葉の意味するところおわかりいただけるかと。
ところでバイロイト音楽祭の演出が最近とみに「胸糞(以下略)」な演出が連発しているのですが、ヘルツォークも20年前にローエングリンの演出をしていました。寒々とした冬の情景が美しい舞台でしたね。
この物語は「異常な才能と情熱を持った男が未開の世界に挑み敗北する」というヘルツォーク的図式の丁度逆の構図になるので興味深く見た覚えがあります。
http://www.youtube.com/watch?v=GZsAY2ZAAE8
投稿: 拾伍谷 | 2012.07.17 11:11