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2012.06.17

世界経済を左右するギリシャ議会選挙

いよいよ,ギリシャの議会選挙である。

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過去何度かアテネやクレタ島に足を運んだが,ギリシャは,まあ,のんびりした国だった。それが今,えらいこっちゃになっているわけである。

ギリシャの議会選挙は比例代表制なのだが,得票率トップの政党に自動的に50議席を加算するという,特殊なボーナス制度がある。これは,政党間の支持率が拮抗しているときに効く。わずかの差で形勢がひっくり返るわけである。

今回はまさに政党間の支持率が拮抗しているときである。Wikipediaの"Greek legislative election, June 2012"の記事に最近の政党支持率が記されているが,Pulse社が5月28~29日に実施した調査結果によれば,緊縮策維持派の新民主主義党・民主同盟(ND/DISY)と緊縮策反対派の急進左派連合(SYRIZA)が支持率27%ずつで拮抗している。Pulse社の計算によれば,ほんのわずかの差で一方は71議席,もう一方は121議席となる。急進左派連合(SYRIZA)が政権を取り,緊縮策放棄→ユーロ離脱→金融危機到来となりかねない情勢である。

支持率の調査結果は常に変動しており,5月30~31日にMetron社が実施した結果では新民主主義党・民主同盟(ND/DISY)が22.7%,急進左派連合(SYRIZA)が22.0%だった。この結果に基づく獲得議席は新民主主義党・民主同盟(ND/DISY)121議席と急進左派連合(SYRIZA)69議席となる。この場合は欧州金融危機がひとまず遠のく。

大勢は明朝にならないとわかないが,民主主義社会では国民が時として愚かな選択をする場合がある。そうならないことを祈る次第である。


【2012年6月18日追記】

結局,僅差でND(新民主主義党)が勝利。

NDの得票率は29.66%,急進左派連合(SYRIZA)のそれは26.89%で,Metron社の調査結果(5月30~31日)よりは差がついた。

実はギリシャ問題の原因を作ったのはNDで,PASOK(全ギリシャ社会主義運動)が尻拭いをさせられた挙句,政権から転落したというのが本当のところである。

NDが涼しい顔して政権に復帰するのは何だかなーと思うが,緊縮策には応じないがEUの支援を要求するとか,公共投資をGDP比36%から46%に引き上げるとか,無茶な公約を掲げる急進左派連合(SYRIZA)が勝利しなかったのは良かった。

ちなみに今朝の「とくダネ!」によると,ギリシャ人たちは自分たちの投票が世界に影響(迷惑とも言う)を与えるとは微塵も思っていなかった様子。

ウゾを片手に「なぜギリシャ経済はダメになったのか」を朝から晩まで議論し,仕事をしないのはギリシャでよく見る風景。

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コメント

 このたびのギリシアの話はそれ自体重大な問題であることではありますが、しかし、より重大な事態を控えての前哨戦の意味合いが強かったようにも思えます。
 この先「イタリア人は~」「スペイン人は~」とやり続けても仕方ないわけで、最後は大きな枠組みでのプランの失敗という辺りが結論になるのではないのかなあなんて思ったり。

投稿: 拾伍谷 | 2012.06.20 16:50

ギリシャ問題は前哨戦にすぎないというのはその通りだと思います。ただ,船の沈没を早めるか,できる限り遅くするかの違いであろうと。

しかし,ゆっくり進行するのであれば,その間に知恵が出せるかもしれないという淡い期待はあります。

投稿: fukunan | 2012.06.23 02:02

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