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2012.06.25

クラウド時代の大災害:データ消失->阿佐ヶ谷ロフトで被害者集会

先日の記事「クラウド時代の大災害:データ消失」で書いたファーストサーバのデータ消失事件。

更新プログラムに


  • ファイル削除コマンドを停止させるための記述

  • メンテナンスの対象となるサーバー群を指定するための記述


が漏れていたのが原因だったそうだ。

ファーストサーバが大規模障害の中間報告とFAQ、原因は脆弱性対策の不具合」(Internet Watch)

で,顧客に対する損害賠償は,顧客がサービスの対価として支払った総額を限度額として行うということで,機会損失,つまりデータ消去によって失われた売り上げやあれやこれやは払われないという話。まあ,契約がそういうことになっていたのでしょう。

ロフトプロジェクト(www.loft-prj.co.jp)がいまだにこんなことになってしまっているのだが(もう少しましにはなってきているが),
Loftprjcojp

阿佐ヶ谷ロフトで被害者集会を開催するという話で,ぜひとも機会損失を取り返すべく頑張っていただきたいと思う次第である:

ファーストサーバ データ消失オフ 「データはどこへ消えた?」(7月14日)

「2012年6月20日夕刻に発生した障害により、サーバ初期化・データ消失という前代未聞空前絶後の無限地獄に我々を叩き込んだ“実績と信頼の”ファーストサーバ。 被害に遭った会社/団体は5,000とも6,000ともいわれ、かく言う我々ロフトグループも本稿執筆時(6月末日)にはまだまだ死線をさまよっている最中でございます。」


7月14日はフランス革命記念日

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2012.06.23

クラウド時代の大災害:データ消失

ITmediaに出ていた記事だが,6月20日夕方,ファーストサーバで顧客データが消失するという事件が発生したらしい。

ファーストサーバで大規模なデータ障害 顧客データが消失」(ITmedia 2012年06月22日 13:50更新)

【重要】インターネットサーバー障害途中経過のお知らせ」(ファーストサーバ 2012年6月23日 1:10更新)

自前でハードディスクなどのストレージを持っていても,何らかのトラブルでデータ消失ということはありうるわけである。

しかし,クラウド時代到来で,なんとなく他人様(ひとさま)にデータを預けても安心という感が広がっていた中での本事件発生は,人々に恐怖を与えたに違いない。絶対安心なんてものはこの世にはないのだと。メメントモリ。

ちなみに小生の場合,ハードディスクだの,USBフラッシュメモリだの,スカイドライブだの,あちこちに保存しすぎてどれか最新のファイルなのかわからないという別の災害に見舞われている。


【参考資料】

ファーストサーバを使っていた企業のホームページは23日現在,こんなことになっている。

学士会館(www.gakushikaikan.co.jp):
Gakushikaikancojp

ロフト(www.loft-prj.co.jp):
Loftprjcojp


【6月26日追記】

本件最大の問題は,データ消失自体ではなく,消えたデータの復活にあると思う。

自前のストレージだと,データを消してしまったあと,サルベージ業者に頼んでデータを復活することが可能。

(上書きしてしまってアウトということもあるが,復活の可能性が残されているし,ユーザーが復活させる努力をするか否かの決定権をもっている)

しかし,クラウドだと,サルベージ自体もクラウド業者が勝手に決めることになる。

(クラウド業者が慣れないサルベージ作業をするのかもしれないし,予算の関係上,ポンコツ業者を呼ぶかもしれない)

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2012.06.17

世界経済を左右するギリシャ議会選挙

いよいよ,ギリシャの議会選挙である。

600pxflag_of_greece_svg

過去何度かアテネやクレタ島に足を運んだが,ギリシャは,まあ,のんびりした国だった。それが今,えらいこっちゃになっているわけである。

ギリシャの議会選挙は比例代表制なのだが,得票率トップの政党に自動的に50議席を加算するという,特殊なボーナス制度がある。これは,政党間の支持率が拮抗しているときに効く。わずかの差で形勢がひっくり返るわけである。

今回はまさに政党間の支持率が拮抗しているときである。Wikipediaの"Greek legislative election, June 2012"の記事に最近の政党支持率が記されているが,Pulse社が5月28~29日に実施した調査結果によれば,緊縮策維持派の新民主主義党・民主同盟(ND/DISY)と緊縮策反対派の急進左派連合(SYRIZA)が支持率27%ずつで拮抗している。Pulse社の計算によれば,ほんのわずかの差で一方は71議席,もう一方は121議席となる。急進左派連合(SYRIZA)が政権を取り,緊縮策放棄→ユーロ離脱→金融危機到来となりかねない情勢である。

支持率の調査結果は常に変動しており,5月30~31日にMetron社が実施した結果では新民主主義党・民主同盟(ND/DISY)が22.7%,急進左派連合(SYRIZA)が22.0%だった。この結果に基づく獲得議席は新民主主義党・民主同盟(ND/DISY)121議席と急進左派連合(SYRIZA)69議席となる。この場合は欧州金融危機がひとまず遠のく。

大勢は明朝にならないとわかないが,民主主義社会では国民が時として愚かな選択をする場合がある。そうならないことを祈る次第である。


【2012年6月18日追記】

結局,僅差でND(新民主主義党)が勝利。

NDの得票率は29.66%,急進左派連合(SYRIZA)のそれは26.89%で,Metron社の調査結果(5月30~31日)よりは差がついた。

実はギリシャ問題の原因を作ったのはNDで,PASOK(全ギリシャ社会主義運動)が尻拭いをさせられた挙句,政権から転落したというのが本当のところである。

NDが涼しい顔して政権に復帰するのは何だかなーと思うが,緊縮策には応じないがEUの支援を要求するとか,公共投資をGDP比36%から46%に引き上げるとか,無茶な公約を掲げる急進左派連合(SYRIZA)が勝利しなかったのは良かった。

ちなみに今朝の「とくダネ!」によると,ギリシャ人たちは自分たちの投票が世界に影響(迷惑とも言う)を与えるとは微塵も思っていなかった様子。

ウゾを片手に「なぜギリシャ経済はダメになったのか」を朝から晩まで議論し,仕事をしないのはギリシャでよく見る風景。

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2012.06.14

谷甲州『天を越える旅人』を読む

忙しいのにもかかわらず,谷甲州の『天を越える旅人』を読んだ。ずいぶん前の小説である。

ものすごく要約すると,「前世を見る能力を持つチベットの少年僧ミグマが,強靭な肉体と老僧の知恵を持つクライマーに成長し,前世からの遺志を継いで宇宙の構造を理解するべく,世界の中心の山である,ヤクシュ・ヒマール登頂にチャレンジする」という内容。

何のことかわからないでしょう。小生も混乱気味です。

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この話には3つの側面がある。一つは山岳小説。一つは仏教における求道者の物語。そしてもう一つは宇宙論である。

登山家というのは一種,宗教家のような面があって,山岳小説と求道の物語を重ね合わせることは不思議ではない。しかし,さらに宇宙論まで重ねると「盛り過ぎ」の感がある。それを谷甲州が力技でまとめ上げたという感じがする。


  ◆   ◆   ◆


ストーリーは6章に分かれ,こんな具合に進んでいく。

第1章 失われた過去への旅立ち

チベットの少年僧ミグマは,雪山で遭難し死を迎えるという前世の夢を繰り返し見る。育ての親の老僧が死んだことを機会に,ミグマは過去を探る旅に出る。目指すのは前世で遭難した山,ヤシュティ・ヒマール。

旅の途中で出会った老僧ダンズンの下で「夢見」の技法を覚えたミグマ。「夢見」とは覚醒した状態で夢を見ながら、過去や未来を行き来する技法。この技を覚えた後、ミグマはダンズンの下を去り、さらに旅を続ける。


第2章 須弥山の記憶

旅先でミグマはシェルパのウォンディたちに出会う。シェルパたちはかつてヤシュティ・ヒマール登頂にチャレンジする登山隊のサポートをしていたのだが,その登山隊は雪崩で壊滅し,装備品を置き去りにしたまま解散したという。山の中腹に置き去りになっている装備品を回収するため,シェルパたちは雪山登山をしようと思っているのだが,遭難するかもしれないという予感に苛まれているのだという。

ミグマはシェルパたちに加わり,夢見によってシェルパたちの運命を予見し,全員の生還を成功させる。

ミグマは,ウォンディたちからミグマの前世を知る老シェルパがダージリンにいることを教わる。


第3章 仮想世界の曼荼羅

ミグマはダージリンで老シェルパ・パサンに会い,ミグマの前世はナムギャルというラマだったことを知る。パサンによれば,ナムギャルはヤシュティ・ヒマールが世界の中心,須弥山であり,その証拠がカリンポンのある寺の曼荼羅に残されていると主張していたという。

ミグマはカリンポンに行き,曼荼羅を見る。そして曼荼羅の中に入り込み,ナムギャルに出会う。さらにナムギャルに導かれて,星々を巡る旅,ビッグバンから現在に至る旅,ミラレパからナムギャルに至る前世の体験などを行う。


第4章 死後の世界へ

ミグマはウォンディ配下のシェルパとして,バルドゥチュリ登山隊の登攀支援を行う。そして,バルドゥチュリ登山中に死んで悪霊となったシェルパたちの魂と対峙する。


第5章 転生と復活

バルドゥチュリ山中における悪霊たちとの対決の続き。ミグマは肉体を雪山に残したまま中有(バルドゥ)の中に漂い,悪霊たちの魂を次々に転生へと導く。しかし,その作業を行っている間にミグマの肉体は雪山で滅びてしまう。

ミグマは元の肉体に戻るため,ミグマの心の中の仮想世界で過去へと遡行し,さらにその仮想世界の中のカリンポンの曼荼羅に飛び込むというアクロバティックな行動に出る。そして,ミラレパからナムギャルに至る前世を追体験し,ミグマの肉体が山中で死ぬ寸前のところに戻り,復活する。


第6章 天頂への登攀

17歳でチベットの僧院を出てから10年。シェルパとして数々の遠征に加わり,またインド亜大陸各地への旅を重ねることによって経験を積み,「若者らしい頑健な肉体と老賢者の知性を同時にそなえたクライマーに成長」したミグマはついに,ナムギャルが果たせなかったヤシュティ・ヒマール登頂に挑戦する。

ヤシュティ・ヒマールの山頂は異世界への入り口であり,数多くのクライマーの挑戦を跳ね除けてきた。登山を続けるミグマに対しても,この山の化身であるヤシュティが次々に精神的攻撃を加える。ヤシュティの挑戦に応じながら,ミグマはこの宇宙の構造を把握し,さらにヤシュティ・ヒマールの山頂の向こうに,この宇宙を部分構造として包含する高次の宇宙が存在することを知る。

ミグマは肉体を放棄し,高次の宇宙へと旅立つ。いつか再びこの宇宙に戻り,あの曼荼羅に見聞きした情報を書き加えることを誓いながら……。


  ◆   ◆   ◆


星々への旅,という点ではオラフ・ステープルドンの名作,「スターメイカー」を思い出す。

また,仮想世界とか高次の宇宙の存在という点では,以前,本ブログでも紹介したグレッグ・イーガンのディアスポラ(参照)を思い出す。

ラマがクライミングと曼荼羅の観想を通して宇宙の構造を知る,という本作のアイディアは他に類を見ないものであり,再構成すれば,これらの名作に肩を並べる作品になったのではないだろうかと思う。

この作品,どこが惜しいかというと,ミグマが成長する過程があっさりとしすぎているという点である。

例えば,もともとの(前世からの)素質があるからだろうが,夢見の技法やその応用としての曼荼羅の観想技法,さらにクライマーとしての技術もいつの間にか習得している点。

また,ミグマが遠征と旅を重ねながら「若者らしい頑健な肉体と老賢者の知性を同時にそなえたクライマーに成長」していく過程を,第6章ではあっさり数ページの記述で済ませている点。

いずれにしてももっと書き込んだらどうだろうかと思う。まあ,これは小生の感想であって,ほかの読者はこのままで良いと思っているのだろう。


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  ◆   ◆   ◆


最後に「ヤシュティ・ヒマール」について。

googleで引いても本書の書評サイトに至るだけで,この山が実在のどの山に比定できるのか,有益な情報は得られなかった。

ただ,純粋に架空の山かというとそうではなさそうである。第3章でダージリンの北方にヤシュティ・ヒマールが見えるという描写があるが,実際のダージリンでは北方に世界第三位の高さを誇るカンチェンジュンガが見えることが知られている。小生としては,カンチェンジュンガがヤシュティ・ヒマールなのではないかと考えている。

この山の名前は谷甲州の代表作群である「航空宇宙軍史」シリーズでは「カンチェンジュンガ級宙域制圧戦闘母艦」として登場する。青年海外協力隊の一員としてネパールで活動した著者にとって相当思い入れの強い山なのだろう。

ヤシュティ・ヒマールは架空の山なのかもしれないが,主人公ミグマが登頂に挑戦するのにふさわしい山として著者が思い描いていたのはカンチェンジュンガだったのではないだろうか?


参考:
「天を越える旅人 - 青年人外協力隊」

「山岳小説・詳細データ ~谷甲州~」

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2012.06.07

サングリアを作って飲む

先日、広島の某レストランで飲んだサングリアが旨かったので、自分で作ることにした。

ツマが1リットル入る、ル・パルフェ(フランス製)の密封瓶を買ってきてくれたので、そこに以下の材料を入れて冷蔵庫で一晩寝かせて完成:

赤ワイン: リカースペース太陽で大人気の安ワイン「トキ・アンディーノ」(チリ、500円未満)を一本使用。

フルーツ: 安売りのパイナップル缶から取り出したパイナップルを三切れ、リンゴを半分、皮をむいたオレンジを半分用意し、全て角切りに。

ハーブ: 昔ギリシャで大量購入したシナモンスティックがどっかに行っちゃったので、トーストにかけるシナモンシュガーを3振り。

砂糖: グラニュー糖がどっかに行っちゃったので、普通の砂糖を大さじ二杯ぐらい。

こんないい加減で良いのか?と思ったが、まあ、フルーツのおかげでまろやかな味わいの飲み物になりましたとさ。

サングリアを作って飲む

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2012.06.06

台湾名物パイナップルケーキ:「なぜ美味しい?」「パン屋だから!」

先月のネタだが、GWの台湾旅行で買ったお土産の話を書く。

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台湾の土産といってもいろいろあるが,やはり人気なのはパイナップルケーキ(鳳梨酥)である。

うちの親父は以前,仕事で何年間か台北に住んでいた。

そこで,どこのパイナップルケーキがいいのか,旅行前に聞いておいたところ,薦められたのが「維格餅屋(ウェイグーピンジァ)」のパイナップルケーキだった。

台湾旅行の際の宿泊先は承徳路三段にあるホテルサントス(三徳大飯店)だった。維格餅屋旗艦店はそのすぐそばにあった。ツマとともに店に行ったところ,中国大陸からの観光客でごった返していた。

店内で呆然としていたら,日本語を話す店員が来て説明してくれた。

「うちのパイナップルケーキは非常においしく,過去何年間も表彰されている。 なぜ? うちはもともとパン屋だったから!」

たたみかけるような口上に感心して,パイナップルケーキのみならず,バナナケーキ(香蕉酥)や鴛鴦綠豆糕(小豆入り緑豆落雁)も買ってしまった。

台湾名物パイナップルケーキ:「なぜ美味しい?」「パン屋だから!」

写真,上がバナナケーキ(香蕉酥)で,10個入り300元。下の左が緑豆落雁(鴛鴦綠豆糕)で,これも10個入り300元。下の右がパイナップルケーキで12個入り300元。

台湾名物パイナップルケーキ:「なぜ美味しい?」「パン屋だから!」

維格餅屋は「しっとり感=潤」にこだわっているらしく,バナナケーキもパイナップルケーキもしっとりもちもちで美味しい。緑豆落雁もしっとりとしていて美味しいが,これは豆の味と匂い(青臭さ)が強いので,好き嫌いが分かれるところだろう。

台湾人ガイドによれば,日持ちがするパイナップルケーキは添加物が多い証拠なので,お勧めできないとのこと。緑豆落雁のパイナップルケーキは常温で30日(30天)の保存期間なのだが,まあいいんじゃないでしょうか?


台湾旅行で役立つ本:

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