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2012.03.03

日産がはっきり言ってくれた: わが社の文化に合う有能な人材を作ることを大学に期待する

ほんの数日前にラオスから帰国したのだが,日本に来てもまだ,主として東南アジアの人々と一緒に仕事をしていたりする。そろそろ日本語だけ喋りたいのですが・・・。


さて,大学は人材の供給元,企業は人材の受け入れ先,ということで切っても切れない縁があるわけだが,仲がいいかというとそうでもない。

大学側の育てたい人材像と企業側の欲しい人材像とがミスマッチし放題なので,互いに握手しながら,すねをけり合っているような感じで長年付き合いが続いている。

ミスマッチについては大学も企業も互いになんとなく知っているものの,礼儀を知っているというか,奥ゆかしいというか,腹を割って話すことはあまりないのだが,とうとう日産がはっきり言ってくれた。

某日,国内外のビジネススクールや企業が日産グローバル本社の会議室を借りて会合を開いたのだが,その際,日産代表者がプレゼンテーションで,ビジネススクール側に対して次のように明確な希望を述べた:

Expectations to Business Schools:

To provide high potential people who matches the culture of NISSAN

ビジネススクール相手に言っているのだが,大学全体に対しても同様な思いだろう。

つまりは「わが社の文化に合う有能な人材を作ることを大学に期待する」ということに尽きる。

企業は利益を出すのが最大の仕事。だからそのために役に立つ人材だけ欲しいというのは当たり前。

だからといって,大学側が特定の企業にフィットした人材ばかり育成するわけにはいかない。大学は社会への貢献を目的とした組織だからである。

<参考: 学校教育法 第九章 大学>
第八十三条  大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする。

2  大学は、その目的を実現するための教育研究を行い、その成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与するものとする。

大学と企業の溝は埋まるわけがない。

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コメント

 様々な個性が実戦の中で揉まれて良き企業人に育ってゆく。多様性に根ざしたチームワークが人材に厚みを持たせ企業の地力となる。こうした考え方はもう古いのでしょうかね・・・
 ただ、一方が態度を明確にしてくれることでもう一方のモヤモヤしていた考えが固まるということもありましょう。
 大学人としての貴兄の啖呵小気味よく拝聴した次第。

投稿: 拾伍谷 | 2012.03.05 21:04

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