料理は科学:Cooking for Geeks
「料理は科学」だと言っていたのは小林カツ代だったと思う。
そのことをより強調する本が出た。これである:
![]() | Cooking for Geeks ―料理の科学と実践レシピ (Make: Japan Books) Jeff Potter 水原 文 オライリージャパン 2011-09-22 売り上げランキング : 7529 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
オライリーから出ている"Make:"のシリーズはとても面白く,何冊か持っているのだが,これは極めつけだと思う。
科学実験というものは,それを行うことによって現象と原理を頭だけでなく身体でも理解しようという試みである。
それを料理でも実践しようというのがこの本の目的である。
料理における最も重要な調理方法である加熱について,本書では「時間と温度:料理の主要変数」という一章を割いて詳しく説明してくれる。
例えば,食材は加熱によって褐色になり,良い香りがしてくるわけだが,これを"Cooking for Geeks"では「メイラード反応」という名前で説明する(201ページ)。肉の焼き色と共に香ってくるあの良いにおいはアミノ酸と還元糖との間の反応だということを明かしてくれる。
肉類の加熱に関する重要な温度については175ページで図解してくれるのだが,その図を見ると,何度でどの細菌が死滅するのかということが分かる。逆にいえば,生肉というのがどれほど危険なものかということがわかる。ユッケなんぞは初めからリスクのある食べ物なのである。
この本のいいところは単なるレシピ紹介に留まらず,背後にある原理を解き明かしてくれることである。ギークにとって料理は舌や鼻だけでなく大脳皮質全体を刺激するものでなくてはならない。
この本は通常の調理法以外にもギークらしい調理法も紹介している。例えば,真空調理法や液体窒素やドライアイスを使用する極低温冷凍調理法などである。じっさいにこれらを実践するためには相当な準備が必要である。
料理はギークにとってまだまだ未開拓の沃野であることを教えてくれるのがこの"Cooking for Geeks"である。
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