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2011.07.31

帆船「海王丸」が下関に寄港

この日曜日,下関に帆船「海王丸」が来ているというので見物に行ってきた。

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海王丸はその優美な姿から「海の貴婦人」と呼ばれている。
下関への寄港は平成20年11月以来6回目。

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毎年のように下関まで大型船を見に行っているなぁ,といまさらながら思う:

下関でイージス艦『きりしま』を見てきた」(2009年4月13日)
USS MOMSEN (DDG 92) called at Shimonoseki port. 米駆逐艦モンセン(マンセン),下関に来航の巻」(2010年11月5日)

午前中は結構空いていて,並ばずに海王丸の船内見学ができた。

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↓これは無線室。マストに取り付けられたアンテナから世界のどことでも連絡が取れるようになっているという。
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↓これは帆走用操舵輪
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↓これは士官用サロン。士官が食事などをしたりするらしい。
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↓これは講義室だろうか?「他船の針路・速力の求め方」という勉強をしていた。
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↓マストを見上げてみたところ。
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帆船を見て感心するのは,よくもロープが絡まってごちゃごちゃにならないということ。

海王丸の諸元は次の通り:

船籍港: 東京
竣工: 1989年9月15日
造船所: 住友重機械工業株式会社追浜造船所浦賀工場

船型: 4檣バーク型帆船
定員: 199名

総トン数: 2556トン
純トン数: 863トン

主要寸法
 全長: 110.09m
 全幅: 13.8m
 型幅: 10.7m
 吃水(最大): 6.584m
 メインマスト高(船楼甲板から): 43.5 m

主機関: ディーゼル機関 1500馬力(1103kW)×2基

航海速力
 帆走: 6~7ノット
 機走: 12.95ノット


8月2日14:00には下関港を出発するが,そのとき登檣礼がみられるという。近郊の人は観てみると良い。


  ◆   ◆   ◆


【おまけ】

同時開催で「帆船模型展」が海響館・小松★ワローホールで開催されていた。

↓セメント運搬船の模型を熱心に紹介してくれる大隈亨氏。
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なんと大正11年~昭和3年頃は日本でも帆船でセメントを運搬していたのですね。

↓大隈氏作成の「遣唐使船」。
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遣唐使船は全長30m程度で,200人が乗っていたという。海王丸が全長110mで199名だから,同じぐらいの人数を三分の一以下の大きさの船で運んでいたというわけである。さぞ窮屈だっただろうと思われる。

なおかつ遣唐使船の多くは遭難したわけだからひどい話である。

他にも数多くの帆船の模型が展示してあったが,下関の「模型専門店 プレイバック」からの出展作品ではなかろうかと思う。

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2011.07.29

今年の暮れには人口70億に

今年の暮れには世界人口は70億人に達する見込み。
Science Dailyの記事より:

"World Population to Surpass 7 Billion in 2011; Explosive Population Growth Means Challenges for Developing Nations"(Science Daily, July 28, 2011)

Harvard School of Public HealthのDavid Bloomによると,1999年には60億人だった世界人口が,今年の暮れには70億人に達するという。

さらに2050年にはプラス23億人(その半分はアフリカで増加),つまり93億人に達するという。

これとは別に国連の予測では2100年には世界人口は101億人に達するのだそうだ。


小生が生まれたころ(1970年)なんか,40億弱だったのに,すごい増えかたである。地球にそんなにキャパシティがあるのか?


ちなみにここのサイト:
http://www.ibiblio.org/lunarbin/worldpop
では世界人口がすでに70億人を超えていたりする。

Source:
Harvard School of Public Health (2011, July 28). World population to surpass 7 billion in 2011; Explosive population growth means challenges for developing nations. ScienceDaily. Retrieved July 29, 2011, from http://www.sciencedaily.com­ /releases/2011/07/110728144933.htm

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伊良部死んでしまいましたね

伊良部について特に詳しいわけではないが,年が近いこともあり,また従弟によく似たのがいることもあり,あまり他人ごとに思えない。

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大リーグ公式ページのニュース

大リーグ公式ページのコメントを見ると,ネガティブなコメントが目立つ。そのことについて憤りを感じているファンもいて,

"why are so many people writing negative comments? this is a tragedy in the yankee and baseball family...

he finally has happiness, lets just remember him as a guy who was a part of 2 world championship teams :) " (y0ungyank)

とコメントしている。

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神経政治学が政局を解明する

Neuropolitics clarifies political chaoses in the U.S. and Japan

WIRED誌に掲載されたJonah Lehrerの記事"The Collapse of Political Trust"を読むと,日本や米国で起こっている政局の混乱の真相が理解できる。

この記事の中でLehrerはBrooks King-Casasらの研究成果"Getting to Know You: Reputation and Trust in a Two-Person Economic Exchange"をもとに,「債務上限」を巡って米国議会と政府が機能不全に陥っている現状の根底にある問題を読み解いている。

様々な意見が対立する民主政治では「妥協」が大事である。そして「妥協」が成立するためには対立者間の「信頼」が必要である。

では「信頼」とは何か。King-CasasらがfMRI(functional magnetic resonance imaging)を駆使してゲーム中の人間の脳の働きを探った結果によれば,「信頼」とは何も崇高なものではなく,「報酬を得られるという期待」と強く結びついたものであるという。人は,何かいいことをもたらしてくれる他人を信頼するのだ。

経済成長が著しい時代ならば,政権は公共投資のような「報酬」によって野党や国民からの「信頼」を得ることができる。しかし,コストカットの時代にはそのような信頼獲得手段は存在しない。

日本も米国も,政治家が明るい未来像(単なるイメージではなく実現可能性が高いもの)を描けないかぎり,政治の混乱は延々と続くだろう。

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2011.07.28

小松左京,死んじゃった

去年の7月,「梅棹忠夫、死んじゃった」という記事を書いたが,今年の7月は小松左京が死んだ。

『日本沈没』SF作家・小松左京さん死去 80歳」(msn産経ニュース,2011年7月28日)

小松左京は身長はさほど高くなかったが,イメージ的には「巨漢」だった。それが,最近では痩せてずいぶん小さくなってしまった。

「復活の日」,「日本沈没」など偉大な仕事を残しているが,このあたりはすでにマスコミやほかのブログで取り上げられているので,ここでは梅棹忠夫とのつながりについて簡単に触れておく。

梅棹忠夫と小松左京が出会ったのは1963年だったらしい。そのころから小松左京は「梅棹サロン」に出入りするようになり,このサロンの常連たちの間で,未来学や万博の構想が生まれたという。

両者とも大阪万博の企画立案に大きく貢献した。また,大阪万博の派生事業ともいえる民博(国立民族学博物館)の設立にも大きくかかわっていた。(参考:京都大学学士山岳会Newsletter, March 2011

梅棹は民族学,小松左京はSFということで,随分と分野が異なる感じがするが,実は人類や文明という大きなテーマでは共通の認識を持っていた。

あの「日本沈没」はパニック超大作の体裁をとっているが,じつは「日本人とはどういう民族なのか?」ということを問うた作品であると小生は考えている。絶望的な状況の中に日本人を置くことによって,この問いに対する答えを見出そうとしたのだろう。「日本沈没」の終盤,渡老人が田所博士に日本人の今後について述懐するシーン(参照)を読む限り,「『日本沈没』=日本人論」という説は間違っていないと思う。

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熱伝導問題をJavascriptで

仕事で熱伝導問題の解法(数値シミュレーション)を教えなくてはいけなくなった。

こういうのはプログラムでも組んでみて動かさないと理解できないわけである。

そこで,お手本(?)として,簡単な一次元熱伝導問題を陽解法で解くプログラムをJavascriptで組んでみた。

【例題1】 温度TL = 300K (27℃)の大気中に長時間放置されていた厚さ0.2[m]の平板の一面を,温度TH = 500[K]の熱源に接触させたとき,20[s]後の平板内の厚み方向の温度分布を求めよ。
ただし,熱源に接する面の温度は常にTHに等しいとする。また平板の熱伝導率λ,密度ρ,比熱cはすべて一定とし,以下の値をとる。λ = 237.0[W/mK],ρ = 2688[kg/m^3],c = 905.0[J/(kg K)]。
(出典: 香月正司,中山顕『熱流動の数値シミュレーション―基礎からプログラムまで―』(森北出版株式会社,1990年),pp.15 - 18)

実際に計算

必要なパラメータを入力し,計算を実施してみる。



初期温度(TL): [K]
熱源温度(TH): [K]
熱伝導率(λ): [W/m K]
密度(ρ): [kg/m^3]
比熱(c): [J/(kg K)]
板の厚さ(width): [m]
格子点数: [-]
計算終了時刻: [s]
時間分割数: [-]

結果は以下の通りである:

コントロールボリュームの定義,離散化方程式の導出,アルゴリズム等はここに示しているので興味あればご高覧ありたい。

あと,ついでに極座標の一次元熱伝導問題の解法についてもここで解説およびJavascriptによる計算を公開しているので,ご参考までに。

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2011.07.27

戦争が文明を興隆させる?

「戦争,交易,労働の専門化,文明に先だって発生するのはこの3つです。」

UCLAの考古学者チャールズ・スタニッシュ(Charles Stanish)はそう語る。

ペルー・チチカカ湖盆地に存在した2つの古代国家,タラコ(Taraco)とプカラ(Pukara)の遺跡を調査した結果,紀元前5世紀~紀元後1世紀に起きた戦争によって,タラコは完全に滅亡。一方,プカラはこの地域における覇権を確立し,文明圏を築いたことがわかった。

"What Is War Good For? Sparking Civilization, Suggest UCLA Archaeology Findings from Peru" (July 25, 2011, Science Newsline)

スタニッシュらが2004~2006年に行った調査によると,最盛期には5000人の人口を抱えていたとされるタラコは紀元後1世紀頃の大火で滅亡した。

遺跡から発掘された石器・陶器・織物などの図柄によれば,当時,タラコは何者かと戦争を繰り返しており,この大火は単なる火事ではなく,戦争によって引き起こされたものだと推測されるという。

タラコの滅亡と同時期に,隣国プカラは興隆し始めた。紀元前5世紀から紀元後2世紀にかけて,プカラはアンデス高地における中心地となっていた。ピーク時には10000人の人口を抱え,神官,官僚,農民,戦士のような職業の専門化を成し遂げていた。

スタニッシュによれば,メソアメリカでも,メソポタミアでも戦争は文明の興隆に貢献しているという。スタニッシュはさらにアルメニアの新石器時代の遺跡の調査を行って,自説の検証を進める予定だ。


  ◆   ◆   ◆


以上がScience Newslineの記事の要約である。

気をつけなくてはならないのは,厳密に言えば「例を幾つ示しても理論が成立することの証明にはならない」ということである。

「文明」の定義にもよるが,たぶん,古代国家間(集落同士といったほうが良い?)の戦争は多くの古代文明の成立に影響を与えていることだろう。しかし,そうじゃないパターンもあるかもしれない。

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2011.07.24

中国高速鉄道が脱線・死者も

7月23日午後8時34分(現地時間),浙江省温州市付近で高速鉄道が脱線。死者が多数出ている模様。

浙江省で高速鉄道2両が橋から落下 「新幹線型」車両、脱線事故か」(msn・産経ニュース,2011年7月24日)

D301与D3115次动车发生追尾事故 已致11人死亡」(新華網,2011年7月23日)

msn産経の記事と新華網の記事を照らし合わせてみると,次のような事件である。

脱線したのは,杭州発福州行きの列車D3115。車両は日本からの技術導入で作られた「和諧号」。全席ほぼ満員で運行していたところ,落雷で停止。そのあと後続の北京発列車D301が追突した。D301は1両目~4両目が,D3115は15両目と16両目が脱線。

ただし,先日から物議をかもしている北京~上海間の中国版新幹線,いわゆる中国高鉄ではない。とはいえ,今後,同様の事故が中国高鉄で発生する可能性は大きい。

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事故現場(新華網より)

鉄道や航空機など,大量輸送機関は単にハードウェア技術だけ学んでも(パクっても)ダメ。それよりも大事なのはソフト面,すなわちオペレーション技術。これは文化と言ってもいいぐらいのもので,すぐには学びとれない。

ちなみに,ハード面でも単に車両技術だけでなく,線路の技術,ATSなどの制御装置技術も学ばなくてはいけないのでそう簡単ではない。


イギリスの産業革命がフランスに伝播するまで100年以上かかったという(ファーガソン『技術屋の心眼』(平凡社))。その原因はハードではなく,ソフトの移植の難しさだった。

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エイミー・ワインハウス死亡

CNNブレーキングニュースより:

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先月もヨーロッパ・ツアーの全日程をキャンセルするなどして,何かとお騒がせの英国シンガー,エイミー・ワインハウス(27)がロンドンの自宅で遺体で発見されたとのこと。

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2011.07.23

オスロ・ウトヤで同時テロ

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各種メディアの報道によると,22日,ノルウェーの首都オスロで大規模なテロが発生。また,首都から80km離れたウトヤ島では,労働党の集会で,警察官の服装をした男が銃を乱射し,多数の負傷者が出た模様。

"Giant blast hits government buildings in Oslo, Norway" (CNN, July 22, 2011)

ノルウェー首相府に爆弾テロ、17人死傷」 (ヨミウリ・オンライン,2011年7月23日)

オスロで使われたのは自動車爆弾で,首相府はじめ,複数の官公庁のビルが破壊された模様である。

自動車爆弾は「貧者の空軍力」(マイク・デイヴィス)とも呼ばれ,イスラム過激派の犯行を連想させるテロ手法となっている(実際にはイスラム過激派だけが使っているわけではなく,IRAなども使ったのだが)。


小生は北欧と言えばスウェーデンとフィンランドしか行ったことがなく,ノルウェーには詳しくないが,テロとは縁遠い国というイメージだった。それが突如テロに襲われるとは。


上述のCNNの記事では同社のアナリスト,ポール・クルックシャンク(Paul Cruickshank)が,結論を出すのはまだ早いとことわりつつも,アルカイダ系の過激派集団の犯行の可能性を示唆している。

かつてデンマークで預言者ムハンマドを中傷する風刺画が新聞に掲載され,イスラム教徒の怒りを呼んだ事件がある。その風刺画はノルウェーの新聞にも掲載された。

また,ノルウェーほか,スカンジナビア各国はアフガニスタンやリビアといったイスラム教国におけるNATO軍の活動に参加している。こうしたことによって,ノルウェーに対してもアルカイダの怒りの矛先が向いているのだと,CNNの記事は述べている。

CNNの記事でも紹介されているが,実は昨年の12月には隣国スウェーデンのストックホルムでテロ事件が発生していた:

「ストックホルムの爆発事件、警察が「テロ」認定」 (ロイター,2010年12月13日)

その事件もスウェーデン軍のアフガニスタン駐留や預言者を中傷する風刺画がスウェーデンの地元紙に掲載されたこと等が原因だったという。


多様な価値観の尊重を国是としてきた北欧諸国。こういった事件をきっかけに,北欧の人々の気持ちがイスラム教への不寛容さへと傾かなければよいのだが。


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オスロとウトヤ島の位置関係(Google Mapより)


【2011年7月23日正午加筆】

ウトヤ島で開かれた与党労働党の集会での乱射事件は死者が80人を超えるとの報道があった:
ノルウェーで爆発と銃撃、ノルウェー人容疑者を逮捕」(AFP,2011/7/23)

銃乱射事件の容疑者はノルウェーの極右団体に所属していたということで,今回の一連のテロはイスラム過激派ではなく,極右団体の犯行という可能性が出てきた。

北欧を含めヨーロッパが示してきた「多様な価値観の尊重」という姿勢は,現在,曲がり角に来ているのかもしれない。

昨年10月,ドイツのメルケル首相は「多文化主義は完全に失敗」と述べた。ドイツの人口の1/7を占めるといわれるトルコ移民の問題について述べたものだが,ヨーロッパ全体でも人々はそのような気持ちになりつつあるのかもしれない。

経済状況が悪くなると人心が荒廃する。人々は様々な問題の原因を「誰か他の連中」に押し付けようとする。一部の民族主義者の中には他の宗教・民族を排斥しようとする者もあらわれる。排斥される側もまた先鋭化する。

排斥する者にとっては「多様な価値観の尊重」を掲げる政府は敵となるし,排斥される側にとっても「多様な価値観の尊重」を掲げながら,自分たちを守らない政府は敵となる。

今回のノルウェーの連続テロ事件,犯人がイスラム過激派なのか極右なのか,まだ定かでないが,「多様な価値観の尊重」という考え方への挑戦という面が強いのではないだろうか。


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ウトヤ島。事件はこの小さな島で起こった。(Google Mapより)

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2011.07.22

インラック,首相への道開く

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7月20日に,インラックの当選がElection Commissionから承認されたとBangkok Postが報じている:
"YINGLUCK APPROVED" (Bangkok Post, July 20, 2011)

これでタイ初の女性首相が誕生する道が開かれた。

しかし,インラックはさっそく3つの問題に直面しなくてはならない:
"Three time-bombs ticking for Yingluck" (Bangkok Post, July 22, 2011)

一つ目はタイ経済。
二つ目は外交。
三つ目は国内の政治対立の解決。

Bankok Postの記事を要約すると,次のようなことを主張している:

-----------

まずタイ経済の問題。

タイからの食糧輸出は好調だが,エネルギー価格が高騰すれば,それが相殺されてしまう。輸出相手国である欧米の債務危機も暗い影を落としている。あと,長らく続く国内の政治対立は,政府の経済調整機能を失わせてしまった。

次に外交問題。

プレアビヘア遺跡におけるカンボジアとの紛争はまだ解決の糸口が見つからない。ASEANにおける地位の低下も著しい。

最後に政治対立。

タクシン派vs反タクシン派の対立を和解に持っていけるかどうか。インラックがタクシンおよび赤シャツ隊(タクシン支持派)の言うなりにならず,公正な態度を示すことができるかどうかがカギである。


インラックがこれら3つの問題に対応できるような人材を閣僚として登用できるかどうかが問われているわけである。

とくに政治対立解決のためには法務大臣(司法大臣)に政治的に中立で,公正で,国民からの尊敬を受けているような人物を選ぶことが必要である。

-----------

非常にごもっともな主張である。最後に挙げられた政治対立の解消こそが残りの2つの問題を解決するカギである。

しかし・・・

タクシンはかつてインラックのことを「自分のクローン」と言ったという。インラックもまたその気であるのなら,中立公正な政府は生まれず,そしてこれらの3つの問題は解決できず,タイの政治経済は混迷を続けるのみである。

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Farewell to "Google Labs":一時代の終焉

Googleが実験的なサービスを公開してきた"Google Labs"が閉鎖されるというニュース。

経営資源をコア事業に集中させるのが目的だという:

小生も,わけがわからないなりに,Google Labsのいろんなサービスをいじって遊んでいた。それが今後は使えなくなるわけである。

下はGoogle Labsのつい最近のスクリーンショット:

Googlelabs


市場・ユーザの反応を見るというマーケティング上の意義はあるとはいえ,圧倒的な研究開発力を持つ一企業が惜しげもなく,持てる技術を一般に公開していた。

しかし,IT企業同士の激烈な戦いの中,そんな余裕はなくなり,とうとう実験室閉鎖という事態に至ったわけである。

調べていたら,Google Labsスタート時(2002年5月)のこんな記事を発見した:
「『Google Labs』が公開、Googleが試す新技術の実験室」(Internet Watch, 2002年5月22日)

当時はGoogleの技術力,勢いにただただ圧倒されていた頃である。

私企業の好意に甘えてタダでサービスを謳歌する時代は終わった。

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2011.07.17

北九州で大停電だったそうで

7月16日午後9時半ごろから北九州市小倉北区,小倉南区,戸畑区で、数万世帯規模の大停電があったそうで。

リバーウォークでも停電でエレベータがとまって大変だった様子。アサヒ・コムの記事では午前0時ごろになっても戸畑区で復旧していないところがあったとか。

先日のやらせメール事件もあってか,Ceron.jpのコメントを読むと,市民の間では九州電力に対する不信の念がますます強まっている様子。デモンストレーションじゃないのかという説まで出てる。

九州電力のでんき予報のページからダウンロードした16日のデータを見る限り,午後9時半ごろに電力がひっ迫している様子はない。

ということは,九州電力全体の何らかのトラブルということではなく,北九州支社エリア内の局所的なトラブルだということだろう。

Qden20110716
九州電力2011年7月16日の電力使用率(最大供給力1537万kWに対する割合)の推移


ヨミウリ・オンラインの記事によると,小倉北区内の送電線のトラブルという話になっているが,まだ北九州支社などからの公式の発表は出ていない。


【7月17日夕刻追記】
九州電力北九州支社のホームページに停電に関する情報が出た:

2011年07月17日 平成23年7月16日に北九州市市街地で発生した停電について (PDF541KB)

八幡東区の22万ボルト送電線のトラブルであるという報告である。
しかし,

現時点までの調査の結果,八幡東区松尾町の送電線マンホール内で絶縁油のにじみをはっけんしました。しかしながら,当該送電線は地中に埋設している電力ケーブルであり,事故箇所及び事故原因の特定には至っておりません。

とのことで,詳細な原因ははっきりしていない。

地中ケーブルって,風雨などの自然現象の影響を受けないから,トラブルは極めて少なそうな気がするのだが,どうなんだ?

(参考:「中部電力:地中送電」)

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2011.07.13

【タイ総選挙続報】インラックとアピシット,当選が認められず

先日の選挙でタイ貢献党(Pheu Thai)の勝利が決まったかのように見えたが,そう簡単ではないのがタイの政治。

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Bangkok Postによると,インラック,アピシットはじめ142人の議員の当選承認が,現在のところ保留されているとか:

Leading names in limbo: Yingluck, Abhisit among 142 not endorsed by EC (Bangkok Post, July 13, 2011)


選挙管理委員会(EC)によって当選が認められたのは358人で,まだ142人は保留・調査中ということである。承認を受けていない候補者の中には現首相アピシット,次期首相候補インラック,その他タイ貢献党の幹部が含まれている。

アピシットもインラックも選挙期間中にキャンペーングッズをばらまいたという疑いがあるという。

タイ貢献党に対する既得権益層の攻撃が始まったとみるべきだろうか。アピシットはバランスを取るために巻き添えを食ったのかも。

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2011.07.12

マレーシアから帰ってきたわけで

マレーシアから帰ってきたわけである。

今回の出張は時間があまりなかったことと,野党の大規模デモがあったことから,クアラルンプールのあちこちに出かけることができなかった。

唯一行ったクアラルンプールらしいところと言えば,KLCC (Kuala Lumpur City Center)である。
下の写真はご存じ,ペトロナス・ツインタワーである。ハザマとサムスン物産が一棟ずつ立てたという物件:

マレーシアから帰ってきたわけで

マレーシアから帰ってきたわけで

このペトロナス・ツインタワーの下に,スリヤKLCCというショッピングモールがあり,そこでお土産を買ったり,ご飯を食べたりした。

下の写真はスリヤKLCC内のアトリウム:

マレーシアから帰ってきたわけで


食事は5階(日本で言うと6階)のインドネシア料理屋"Bambu Desa"↓で済ませた。
ティラピア(Tarapia)の南蛮焼きみたいなのがうまかった。食べてないけどティラピアの揚げ物(Tarapia Goren)もおいしそうだった。

マレーシアから帰ってきたわけで


今回は寄らなかったが,和食の"Umai-YA"というのがあった。この写真だと見えにくいけど,「将太の寿司」みたいなマンガが壁に描かれていた。

マレーシアから帰ってきたわけで

ヘジャブ姿のお姉さんがたがベンチで日本のマンガらしきものを読んでいたところからすると,マレーシアでも日本のマンガはかなり読まれているような感じである。

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2011.07.10

【クアラルンプール】デモの影響か?ペトロナスタワー今日明日閉鎖

7月9日の反政府デモから一夜明けたクアラルンプール。今日は道路の閉鎖も無く,市内の交通は回復した。

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しかし,KLCCまで行ってみると,デモの影響か,ペトロナスタワーが今日明日閉鎖とのこと。ボルネオ島サバ出身の観光客の方々からは登れなくて残念との声。

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2011.07.09

本日,デモでクアラルンプール閉鎖

現在,クアラルンプールの郊外,プタリン・ジャヤ (Petaling Jaya)にいるのだが,クアラルンプールのKlang Valleyのあたりで,裁判なしで無期限に身柄を拘束できる「国内治安維持法」の撤廃を求める大規模な反政府デモがあり,主要な道路が閉鎖されている。

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ロイターなどの報道によると,デモ参加者は1万~1万5千人ぐらい。約600人が逮捕されたという話。

クアラルンプールのダウンタウンに遊びに行きたい,と言っていた日本人もいたが,プタリン・ジャヤでおとなしくしていましょう。

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2011.07.06

そういえば,今日からマレーシア

最近は某プロポーザル資料の執筆という厄介な仕事をしているので,そちらに気をとられ,うっかり忘れそうになっているのだが,今日からマレーシアに出張するのであったw(゚o゚)w

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羽田に国際線ターミナルができたので,スターアライアンス系だと

宇部->羽田->シンガポール->クアラルンプール

という出張が可能になった。福岡空港まで移動して,高い駐車料金払って・・・という苦労が無くなり,とても楽。

「成田やめて全部羽田に集中させたら? そうしたら羽田と繋がっている地方空港がみんな元気になるよ」

と言ったら,おそらく某森田健作知事は怒り狂うに違いない。

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2011.07.04

タイ総選挙:一夜明けてインラック,首相への道/タクシン派圧倒的勝利とは言えず

昨日の記事に書いた,タイ総選挙の出口調査の結果は少しオーバーだったようだ。

Bangkok Postに開票結果が出ている(499議席まで確定)が,タイ貢献党(Puea Thai)は結局,265議席を獲得したということである。Suan Dusit大学の推計値は313議席だったから,ずいぶんと開きがあるが,それでも過半数を制したわけである。

20117thai

対する民主党は159議席で,出口調査の結果に基づくSuan Dusit大学の予測値152議席,アサンプション大学の予測値132議席よりは多い。

出口調査の結果はインラック旋風に惑わされた感があり,タイ貢献党の地すべり的勝利を示していたのだが,実際の結果は先日の記事に示した2007年12月の総選挙の結果にかなり近いものがある(タクシン派が過半数か否かという違いはあるが)。

200712thai

つまり,タイ貢献党は一応勝利したとはいうものの,軍や憲法裁判所などの従来支配層の圧力を跳ね除けるに足るほどの圧倒的な勝利をおさめられなかったといえるのではないだろうか?

実際,タイ貢献党は自党の力だけでは安心できないようで,The Nationの記事によると,タイ貢献党は,国民発展党(Chart Thai Pattana),国家貢献党(Chart Pattana Puea Pandin),臣民党(Palan Chon)等と連立を組み,300議席以上を確保したいようである。

あとは,インラックがタクシン問題をどう取り扱うかが焦点である。一つ間違えば,タイの政治と経済は以前と同じ混乱に陥るだろう。

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2011.07.03

タイ総選挙:インラック旋風,タクシン派の圧勝,下院過半数制覇,クーデターの予感?

さて,昨日記事に書いたタイ総選挙の件だが,出口調査によると,タクシン派・タイ貢献党(プア・タイ)が圧勝の見込みである。

"2011 THAILAND ELECTION RESULTS UPDATE | Prime Minister Thaksin Shinawatra Ahead Latest Thai election 2011 results"

明日には正確な数字が出ると思うが,Suan Dusit大学の予測では,インラック率いるタクシン派・タイ貢献党は500議席中313議席,アピシット率いる反タクシン派・民主党は152議席の見込みである。

Thai2011

なお,アサンプション大学の予測では,タイ貢献党,299議席,民主党132議席ということだが,タクシン派が過半数を制する見込みは間違いないようだ。

なお,選挙前の議席(定数480議席)はこんな感じだった:

20094thai

民主党が大敗したというよりも,タイ貢献党が他の政党の議席を飲み込んで勢力を急拡大したという感じである。


これで,初の女性首相誕生,安定政権樹立かというと,そんなことはないだろう。

タイ貢献党は国民の圧倒的支持があることを示したので,軍や憲法裁判所などの従来支配層はしばらくは静観を続けるとは思う。

しかし,インラックがタクシンの恩赦・帰国に着手したとき,状況は一変する。憲法裁判所によるタイ貢献党の切り崩しが行われるほか,場合によっては軍の介入が始まる可能性がある。クーデターのような大げさな手を打たなくても,不敬罪など様々な罪状で政治への介入が可能である。


タイ政治安定のためにはインラックが賢くふるまうこと,すなわち,タクシンの問題に触れないようにすることが必要だが,それは期待し難い。

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2011.07.02

タイ総選挙:この日曜日に投開票

国情が違うとはいえ,与野党対立が激しく,政治が混迷しているという点では,日本の国会と,タイの下院は似ていると思う。

明日,7月3日にタイ下院総選挙の投開票が行われるが,タクシン派「タイ貢献党」がリードしているといわれている。これまでの下院の議席総数は480だったが,今回の選挙では500議席に増加している。タイ貢献党が過半数250議席を超えるかどうかが最大の関心事である。

2007年12月に行われた総選挙では,タクシン派「人民の力党」が強さを見せつけ,過半数の240議席に迫る勢いだった。

200712thai

前回選挙後は人民の力党を軸に,国民党,国家貢献党,中道主義党,タイ団結国家開発党,臣民党が連立し,「タクシンの代理人」を自認すると同時に,熱心な勤王家であったサマック・スントラウェートが首相となった。

しかし,2008年11月にサマックは憲法裁判所の違憲判断により首相の座を追われ,後継のソムチャーイ・ウォンサワットも12月に憲法裁判所の違憲判断により解党と公民権剥奪を命ぜられる。

こうしてタクシン派の力が削がれたのちに登場したのが,反タクシン派・民主党党首で,貴族出身のアピシット・ウェーチャチーワである。

民主党だけでは過半数にはるかに及ばないので,再び連立政権が組まれた。2009年4月現在の議席は以下のとおりである:

20094thai

「美男美女対決」と言われる今回の選挙,タクシンの妹による,インラック旋風でタイ貢献党がどれほど票を伸ばすか,ということに尽きる。

タイ貢献党が地すべり的勝利をおさめ,国民の圧倒的な支持があることを示さなければ,他の党の議員たちは軍や憲法裁判所などの従来支配層の介入を恐れて,これまで通り民主党を軸に固まるのだろうと思う。

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2011.07.01

日曜大工風の機械式デジタルコンピュータがすごい:"the Digi-Comp II"

忙しいというのに,"Evil Mad Scientist Laboratories"で,こういうネタを見つけてしまった:

"A video introduction to the Digi-Comp II"

日曜大工みたいな外観の,主として木製の機械だが,ちゃんとデジタルコンピュータとして機能する。

ビデオでは3×13はいくつになるか?という計算を実演している。

下の写真はもとのブログから拝借したものに加筆したものである。

Dcii_explain

(1)の部分を2進法で3,すなわち011にセットし,(2)の部分を2進法で13,すなわち,1101にセットしてスタートすると,上側のボールが次々に落下して,最後に(3)の部分に答えが出てくるという仕組みである。

凄いな。


お子様の教育にどうぞ。

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