BSでミュージカル"FELA!"を見た件
昨晩,BSプレミアムで,2010年トニー賞11部門ノミネート3部門受賞のミュージカル"FELA!"を見た。
アフロ・ビートの創始者,そしてナイジェリアの軍事政権に反旗を翻した闘士として知られるフェラ・クティ(Fela Kuti)の半生を描いた作品である。振り付けはビル・T・ジョーンズ。
ミュージカルというのは基本的に苦手なのだが,これは面白かった。
時代は1960年代後半~1970年代。フェラの愛したナイトクラブ「シュライン」を舞台としている。
フェラを演じるのはサー・ンガウジャー。フェラの母,フンミラヨを演じるのはメラニー・マーシャルである。
第1部はフェラが影響を受けた音楽や,フェラの音楽の重要な要素である「ニャッシュ」(ファンク,もしくは尻)をフェラ自身が解説したり,フェラが渡米してサンドラ・イシドア・スミス(ポーレット・アイボリ)と出会い,黒人解放運動の影響を受け,自分の音楽に反映させていったり,という内容。
第2部はフェラが音楽などを通してナイジェリアの軍事政権と対立していく姿を描いている。その過程で政府の弾圧により,母,フンミラヨは命を落とす。
強烈なビート,ダイナミックなダンス。とくに女性ダンサーたちの「ニャッシュ」が良く動くこと。感嘆の声を上げるよりほか何もない。
そういえば,以前,チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ『半分のぼった黄色い太陽』を紹介したが,その舞台もナイジェリアだった。
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『半分のぼった黄色い太陽』で描かれたビアフラ紛争は1960年代の話。そして本記事で取り上げたフェラの舞台はその後の時代。
ナイジェリアの人々は独立以後もかくも長く苦難の時代を生きてきたのである。今も続いているといえるのかもしれないが。
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