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2011.06.14

【イタリア人94.6%が原発に反対?!】イタリアの国民投票は原発再開の是非だけが争点だったのではないという話

「イタリアで行われた原子力発電所再開の是非を問う国民投票で,原発反対票が9割を超え,ベルルスコーニ首相は、再開を断念する意向を表明した。」(FNNニュース,2011年6月14日)

というような報道がある。

しかし,実はこの国民投票,原発再開のみを質問した投票なのではなく,次の4つの案件を束にした投票なのである(参考)。

  1. 水道事業の強制的民営化
  2. 投資家の利益を確保するため,必要なだけ水道料金を高く設定することを認める法律
  3. イタリアでの原発建設を認める法律
  4. 首相をはじめとする政府高官が政治活動を理由として法廷を欠席することを認める法律

イタリアの国民投票というのは,「法律を廃止する国民投票の制度」である(参考:「イタリア憲法制定議会における国民投票制度に関する議論」)

そして今回の結果は上の4つの案件を束にして否決したということであるから,純粋に投票者の94.6%が「原発放棄」を支持しているわけではないということに注意する必要がある。

イタリアの新聞を読んでいるわけではないので細かいことがわからないが,ひょっとすると,「水道事業の民営化」か「ベルルスコーニの法廷回避のための法律」が最重要案件であって,「原発」はそのついでに否決されただけかもしれない。

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