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2011.04.04

『AKIRA』と『攻殻機動隊』と『イノセンス』と。

4月に入り数日が過ぎた。震災のことを忘れてはいけないが,中断された日常への復帰も重要だと思う。

さて,ここ数日間,近未来を描いた3つのアニメーションを見る機会に恵まれた。

『AKIRA』の舞台は2019年のネオ東京,『攻殻機動隊』と『イノセンス』の舞台は2020年代後半~2030年代前半の新浜県新浜市(おそらく)。

これらの作品にはコアなファンが多く,小生程度(とはいえ士郎正宗氏に関しては,高校生の時に『ブラックマジックM66 絵コンテ集』の初版を購入・熟読していた程度にはファンである)の知識では哄笑されそうなことしか言えないが,短く感想を述べてみたい。

こういう近未来映画で大事なのは,描かれている世界像である。いずれの作品世界でも都市はチャイナタウン化しており,『ブレードランナー』の遺伝子を引き継いでいることは明らかだ。

細部は当然のことながら異なる。『AKIRA』のネオ東京には携帯電話もインターネットも無い。ファッションは80年代風。若者は血気盛んでバイクが好き。映画およびその原作が作られた時代の影響を引きずっている。レーザー兵器や超能力は現在でも実現していないが,日常生活は現実が追い抜いてしまった。見ていて少し悲しい。

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『攻殻機動隊』と『イノセンス』の世界はすでに第3次核大戦・第4次非核大戦という2度の大戦を経た,我々の住む世界とは異なるパラレルワールドである。義体化・電脳化が進んでおり,『AKIRA』の世界よりも我々の住む世界との距離があるように見える。

しかしながら,年々ネット依存性が強くなっている我々にとっては,『AKIRA』の世界よりもむしろ『攻殻機動隊』の世界の方に強く共感<シンパシー>を感じるのではないだろうか。

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ストーリーの構図も『AKIRA』と『攻殻機動隊』・『イノセンス』では大きく異なる。簡単に言うと『AKIRA』のストーリーの根底には「体制への反逆」が良しとされている価値観があるように見える。これに対して『攻殻機動隊』・『イノセンス』では根底に「秩序の維持」を肯定する価値観が存在しているように思える。

この価値観の違いは,作品の主人公たちが素人であるかプロであるかという違いと強く関わっているはずである。時代を経るにつれ,科学技術も政治経済も複雑化し,ある程度の専門性を有していないとそれらに関わることができなくなっている。

プロですら事件に遭遇すれば惑う。素人が時局を左右できるほどに現実世界は単純ではない。そう思う小生としては映像技術の違いを抜きにしても,どうしても『AKIRA』に古さを感じ『攻殻機動隊』・『イノセンス』に肩入れをしてしまうのである。

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コメント

akiraと攻殻を同時に語っているところに筆者のセンスの程度が伺えます。

投稿: saas | 2011.04.08 22:12

>『AKIRA』のストーリーの根底には「体制への反逆」が良しとされている価値観があるように見える。

これは違うと思います。
アキラでは「人間の手に余るテクノロジーの産物の暴走」が描かれています。

体制側の責任者として「大佐」が出てきますが、”テクノロジーの産物の暴走”を現場でくい止めようとしているだけです。
体制の上層部が描かれている場面もありますが、大佐が次の行動へ移るきっかけとして、現場を見ようともしない政治家達の滑稽な会議がわずかに描かれているだけでした。

このように、体制に関する何らかの価値観が描かれているようには見えません。


投稿: ツネオ | 2013.05.05 21:35

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