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2011.04.11

【県民所得の格差は最大2.2倍】2010年公表「平成19年度版・県民経済計算」

2009年2月に「『県別の所得格差は二倍以上!』2009年2月発表バージョン」という記事を書いて2年以上経過した。そろそろ内容を更新しようと思っているのだが,内閣府がなかなか新しい結果を発表してくれない。この4月に公表されるはずだが,震災等の影響で作業が遅れているのかもしれない。

やむを得ず,2010年に公表された「平成19年度版」=2007年版の結果をもとにして記事を書くことにする。


  ◆   ◆   ◆


2007年度の1人当たり県民所得のランキングは以下の通りである。今回は参考までに1人当たり雇用者報酬も加えている。

格差に関して言えば,1位の東京と最下位の沖縄とでは2.2倍の開きがある。

県民所得には個人所得の他に法人所得も含まれているので,県民一人ひとりの豊かさを表しているというよりも都道府県の豊かさを表す指標である。

これに対して1人当たり雇用者報酬は個人事業主や無給の家族従業者を除く全雇用者の平均的な所得を示すものである。ちなみに企業役員・公務員・議員も雇用者に含まれる。こちらの方が県民一人ひとりの豊かさに近いかもしれない。


1人当たり県民所得[千円]1人当たり雇用者報酬[千円]
東京都45406383
愛知県35884973
静岡県33844433
神奈川県32845437
三重県32294700
滋賀県31384479
大阪府31075696
栃木県31054644
富山県30884752
広島県30594850
千葉県30104760
茨城県30074516
京都府29934716
山口県29824270
埼玉県29735026
石川県29454248
群馬県28804709
福島県28474213
兵庫県28234941
福井県28214203
岡山県28124519
長野県28084665
徳島県28074437
岐阜県27704237
山梨県27674616
福岡県27464509
新潟県27244397
奈良県26815304
香川県26524647
和歌山県26374524
大分県26364183
宮城県25804457
佐賀県25754405
山形県25413933
愛媛県24853959
秋田県24833517
島根県24363903
青森県24333908
北海道24084566
岩手県23833851
熊本県23814078
鳥取県23643976
鹿児島県23533933
長崎県21913818
宮崎県21523797
高知県21144558
沖縄県20493744

グラフ化したもの以下に示す:

Kenmin200701

県民所得と雇用者報酬の間にどのような関係があるのかについてグラフ化したものを下に示す。

Kenmin200702

ばらつきが大きいものの県民所得と雇用者報酬は比例していると言えるのではないだろうか?ちなみに大阪は県民所得(府民所得)の割に雇用者報酬が大きいと言えるだろう。


  ◆   ◆   ◆


以前,「『県別の所得格差は二倍以上!』2009年2月発表バージョン」という記事に掲載した2006年度版と比べると,東京・愛知・静岡という上位3都県は変わっていない。

上位5都県を2006年度と2007年度とで比較すると次のようになる。2007年には上位5都県の中に新たに三重県が入ってきている。

順位2007年度2006年度
1東京都(4540)東京都(4820)
2愛知県(3588)愛知県(3509)
3静岡県(3384)静岡県(3389)
4神奈川県(3284)滋賀県(3352)
5三重県(3229)神奈川県(3257)
※括弧内は1人当たり県民所得[千円]


下位5県を2006年度と2007年度とで比較すると次のようになる。順位の入れ替わりがあるものの,顔ぶれは同じである。

順位2007年度2006年度
1沖縄県(2049)沖縄県(2089)
2高知県(2114)宮崎県(2150)
3宮崎県(2152)長崎県(2159)
4長崎県(2191)高知県(2170)
5鹿児島県(2353)鹿児島県(2283)
※括弧内は1人当たり県民所得[千円]


  ◆   ◆   ◆


さらに大きなタイムスパンで比較を行ってみよう。

1人当たり県民所得の上位5位を1996年度と2007年度とで比較すると次のようになる。かつては大阪府が5位以内に入っていた。金額を見ると,東京以外は11年間で1人当たり県民所得が十数万~三十数万円下がっている。

順位2007年度1996年度
1東京都(4540)東京都(4328)
2愛知県(3588)愛知県(3731)
3静岡県(3384)神奈川県(3616)
4神奈川県(3284)大阪府(3558)
5三重県(3229)滋賀県(3482)
※括弧内は1人当たり県民所得[千円]


下位5位を比較すると次のようになる。九州・沖縄勢の顔触れはほとんど変わっていない。金額面では,沖縄と鹿児島は11年間でほとんど変化が見られないが,他の県は1人当たり県民所得が十数万円下がっている。

順位2007年度1996年度
1沖縄県(2049)沖縄県(2072)
2高知県(2114)宮崎県(2309)
3宮崎県(2152)鹿児島県(2317)
4長崎県(2191)長崎県(2357)
5鹿児島県(2353)熊本県(2436)
※括弧内は1人当たり県民所得[千円]


1人当たり県民所得で日本地図の塗り分けをやってみると次のようになる。まず,2007年度:

Kenmin200703

つぎに1996年度:

Kenmin199601

正確にはデフレの効果などを考慮するべきだろうが,大雑把には東京のみが成長を続け,沖縄・鹿児島は停滞,残りの道府県が衰退傾向ということになるのではなかろうか? とくに北海道・北東北・山陰・四国西南・南九州で県民所得が顕著に低下している。

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コメント

公務員が上位だろ。
税収よりも巨大な公務員報酬。
バカな国だ!

投稿: つくつくほうし | 2011.09.12 21:24

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