« 【西京シネクラブ4月例会】キャリー・ジョージ・フクナガ監督・脚本『闇の列車,光の旅』 (Sin Nombre) | トップページ | 「日本はいつだって私が行き着く最後の港なのだ」(ドナルド・キーン) »

2011.04.27

【東京・愛知急落】2011年公表「平成20年度版・県民経済計算」【県民所得格差は最大2.04倍】

内閣府がようやく「平成20年度版」=2008年度版の県民経済計算の結果を公表したので,県民所得ランキングを更新することにした。

格差に関して言えば,1位の東京と最下位の沖縄とでは2.04倍の開きがあるが,2007年度よりは縮まっている。2007年度の格差は2.2倍だった。差が縮まったのは東京都の県民所得が落ちたせいである。2008年度にはリーマンショックが起きている。その影響を直接に被ったのは東京だったようである。

次に示すのが県民所得ランキング2008年度版である:


1人当たり県民所得[千円]1人当たり雇用者報酬[千円]
東京都41556485
愛知県32344877
静岡県32154510
神奈川県31985429
大阪府30045662
滋賀県29844155
千葉県29764746
富山県29494456
茨城県29434483
埼玉県29334990
京都府29244685
栃木県29174727
山口県28434265
広島県28344761
三重県28294720
石川県28184219
福島県27434206
兵庫県27404913
山梨県27294585
福井県27244264
長野県27174857
群馬県26934676
徳島県26854070
岡山県26624674
岐阜県26584277
福岡県26444482
新潟県26184378
香川県25784694
大分県25624196
和歌山県25464496
奈良県25265056
宮城県24734433
佐賀県24554016
北海道23894558
青森県23693859
山形県23273931
鳥取県23043902
秋田県22973485
愛媛県22853918
岩手県22673860
熊本県22654183
鹿児島県22533877
島根県22413990
長崎県21573838
宮崎県21303696
高知県20464516
沖縄県20393839

前の記事にも書いたが,県民所得には個人所得の他に法人所得も含まれているので,県民一人ひとりの豊かさを表しているというよりも都道府県の豊かさを表す指標である。

これに対して1人当たり雇用者報酬は個人事業主や無給の家族従業者を除く全雇用者の平均的な所得を示すものである。こちらの方が県民一人ひとりの豊かさの実感に近いかもしれない。

そこで,県民所得と雇用者報酬の関係をグラフ化してみた。

Kenmin2008

ばらつきがあるとはいえ,県民所得と雇用者報酬は比例していると言っていいだろう。


  ◆   ◆   ◆


以前,書いた記事(2006年度版)先日の記事(2007年度版)と比べると,東京・愛知・静岡という上位3都県はここのところ変わっていないが,大阪が久々に復活している。橋下効果?

よく吟味すると,栄華を誇っていたはずの東京の県民所得の低下ぶりが著しいのが気にかかる。前年比マイナス9.5パーセントである。2008年度はリーマンショックのあった年なので特別かもしれないが,この勢いだと2009年度は東京でも3000千円台に突入してしまう。愛知県もまた下落幅が大きい。前年比マイナス10.8パーセントである。

順位2008年度2007年度2006年度
1東京都(4155)東京都(4540)東京都(4820)
2愛知県(3234)愛知県(3588)愛知県(3509)
3静岡県(3215)静岡県(3384)静岡県(3389)
4神奈川県(3198)神奈川県(3284)滋賀県(3352)
5大阪府(3004)三重県(3229)神奈川県(3257)
※括弧内は1人当たり県民所得[千円]


下位5県を2006~2008年度で比較すると次のようになる。5位の鹿児島が6位になり,島根県が5位に入ってしまった。

順位2008年度2007年度2006年度
1沖縄県(2039)沖縄県(2049)沖縄県(2089)
2高知県(2046)高知県(2114)宮崎県(2150)
3宮崎県(2130)宮崎県(2152)長崎県(2159)
4長崎県(2157)長崎県(2191)高知県(2170)
5島根県(2241)鹿児島県(2353)鹿児島県(2283)
※括弧内は1人当たり県民所得[千円]


  ◆   ◆   ◆


さらに大きなタイムスパンの比較を以下に示す。

1人当たり県民所得の上位5位を1996年度と2008年度とで比較すると次のようになる。

順位2008年度1996年度
1東京都(4155)東京都(4328)
2愛知県(3234)愛知県(3731)
3静岡県(3215)神奈川県(3616)
4神奈川県(3198)大阪府(3558)
5大阪府(3004)滋賀県(3482)
※括弧内は1人当たり県民所得[千円]


リーマンショックの影響は大きかったようで,東京ですら1996年度を下回っている。これまで「繁栄を続ける東京」という印象の記事を書いてきたが,2008年度からはそうは言えなくなってきたようである。


下位5位を比較すると次のようになる。沖縄は11年間でほとんど差が見られないが,他の県は1人当たり県民所得が十数万~二十万円下がっている。

順位2008年度1996年度
1沖縄県(2039)沖縄県(2072)
2高知県(2046)宮崎県(2309)
3宮崎県(2130)鹿児島県(2317)
4長崎県(2157)長崎県(2357)
5島根県(2241)熊本県(2436)
※括弧内は1人当たり県民所得[千円]

|

« 【西京シネクラブ4月例会】キャリー・ジョージ・フクナガ監督・脚本『闇の列車,光の旅』 (Sin Nombre) | トップページ | 「日本はいつだって私が行き着く最後の港なのだ」(ドナルド・キーン) »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【東京・愛知急落】2011年公表「平成20年度版・県民経済計算」【県民所得格差は最大2.04倍】:

« 【西京シネクラブ4月例会】キャリー・ジョージ・フクナガ監督・脚本『闇の列車,光の旅』 (Sin Nombre) | トップページ | 「日本はいつだって私が行き着く最後の港なのだ」(ドナルド・キーン) »