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2011.04.10

【2009年東電データ】最高気温1℃上昇で最大電力需要110万kW増加

昨日の記事では2004年の東京電力の資料を使って2004年夏期の各日の最高気温(東京管区気象台)と最大電力需要の関係を検討した。

今回はより新しいデータ,「今夏の最大電力ならびに日別の最大電力」((東京電力,平成21年9月14日現在,http://www.tepco.co.jp/forecast/html/maxsummer.pdf)をもとに,改めて夏期の各日の最高気温と最大電力上の関係を検討する。


2009年7月6日~9月11日の平日の最高気温(東京管区気象台)と東京電力の最大電力需要をプロットしたのが次の図である:

200907060911

2004年版との大きな違いは傾きが小さいということである。回帰式によれば,最高気温1℃上昇で最大電力需要が約110万kW増加という結果となっている。

2004年版では最高気温1℃上昇に対して最大電力需要約146万kWの増加だったのと比べるとだいぶ気温感応度が小さくなった。ひょっとしたら企業や家庭における省エネが2004年以降進展したのかもしれない。クールビズとか普通になってきたし。


東京電力の最大供給量は夏までには5000万kW程度に回復すると予想されている。上図の回帰式に基づけば,最高気温が32℃を超えると大停電が避けられないことになる。

しかし,実際には電力需要にはばらつきがあるため,上図が示すように最高気温30℃程度でも最大需要が5000万kWを超える日がある。

やはり首都圏においては現在検討されているような「総量規制」ないし「使用制限」は避けられないと思う。

電力を大量に必要とするタイプの産業,または停電が致命的であるタイプの産業に関しては,拠点の西日本移転を真面目に考える段階に入っていると思われる。

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